赤切符(非反則行為)

「青切符の違反は軽微だから否認してもいいが、赤切符での検挙は危険度が高いし反則金制度の対象ではないのだから素直に認めて罰金を支払うべきではないか?」という意見があることは知っています。

しかし、そもそも全ての国民には否認する権利があり、裁判で有罪判決を受けるまでは推定無罪の原則があります。

オービスやネズミ捕りは誤測定が多々ある冤罪の宝庫ですから、事実無根の冤罪で検挙される方もいますし、警察が検挙しやすくするために敢えて制限速度を低めに設定しているような路線では、30km/h程度超過しても特に危険ではない場合もあります。首都高速の湾岸線の制限速度は80km/hですが、車線数・見通しの良さ・舗装の良さを鑑みれば、これがドイツのアウトバーン上ならば余裕で「制限速度なしの区間」に区分されそうな道路です。

確かに違反は違反でしょう。しかし、可罰的違法性の問題を考えるならば、仮に違反が事実であったとしても否認して正式裁判を求め、公判で争うなり不起訴処分を求めるなりしても一向に構いません。被疑者にはその権利があるのですから。この権利を無視して「素直に認めるべきだ」という意見は私見に過ぎず、感情論の域を出ません。

私は飲酒運転には反対の立場ですから、飲酒での検挙でこのブログにたどり着かれた方がいても、ご質問やご相談には乗らないつもりですが、それでも否認する権利がある事は認めざるを得ません。警察には検挙する権利があり、我々には否認する権利があるのです。

赤切符で検挙されたが納得がいかないという方は、以下の記事をご一読下さい。

ご存知の通り、青切符の反則行為は否認さえ貫けば99.9%以上が不起訴になりますが、「赤切符で検挙されて否認したいがどうしたらいい?」という質問も数多く届きます。これに対する返答が最初の方がほぼ同一の為、一つの記事としてまとめることにしました。まずは以下の項目を理解した上でご質問いただければと思います。1.現場での署名・押印・調書の有無は気にしない。起訴すれば有罪確定(ニホンの一審有罪率は99%以上あります)ですので、署名・押印・調書の有無は起訴率に影響しません。検察官が凶悪な犯罪だと思えば、それらが...

赤切符(非反則行為)の検挙に遭い、上申書の添削を希望される方が増えておりますが、まずは自力で書いてみる事が大切です。私には結果責任は負えないのですから、起訴されても後悔しないだけの覚悟で望む為には、他力本願の否認ではなりません。上申書の書き方については、プロトコルの記事にもまとめましたが、再度掲載しておきます。検察官は調書を録るのが仕事ですから、否認経験の乏しい者が口頭で対抗しようとするのは愚策です。簡易裁判所(実際には簡易裁判所内の検察庁分室)への出頭までに、以下の要領に従って上申書を作成...

前記事は検察提出用の上申書についてです。白バイ追尾・PC追尾では、測定値は被疑者の速度ではない私にとっては常識ですが、ご存じない方もいらっしゃるでしょう。白バイや(覆面)PC追尾で速度超過の検挙をされた時に見せられる測定値は、「警察車両の速度をロックして印字したもの」です。走行しながら他の車両の速度を計測する装置は実用化されていません。追尾検挙においては、「被疑者車両と等間隔・等速度で一定時間以上追尾した上で計測」することによって、「被疑者車両もこの程度の速度が出ていた」と立証しようというも...

※この記事編集時よりも新しい検察統計に基づく記事があります。この記事を読み終わったらより新しい記事もご一読下さい。検察統計でわかる不起訴率(2010)検察統計でわかる不起訴率(2012)赤切符の不起訴率何度も言いますが、青切符の反則行為を否認した場合の不起訴率は99.99%以上です。一方で赤切符の非反則行為に関しては、是認していても悪質な違反(泥酔での運転や大幅な速度超過、累犯など)は見せしめ的に公判請求されたり、懲役刑を求刑されてしまうため、「否認事件の不起訴率」というのは調べようがありません。とはいえ...

以前、東京なら70%以上が罰金なし!赤切符の不起訴率の記事にも、2006~2009年までの4年間分の検察統計から、地検における不起訴率をまとめたデータをアップしましたが、今回は2010年分も含めた新しいものを作ってみました。ファイルはこちらです。ダウンロードパスはありませんし、ウィルスも入れていません(笑)検察と裁判所の関係刑事処分における、道交法違反の処理の流れがわかっていない方の為に簡単に説明しますが、検察庁には大別して4つの組織があります。1:最高検察庁:最高裁判所対応2:高等検察庁:高等裁判所対応3:...

以前も検察統計から地検での不起訴率を割り出し、「赤切符の非反則行為を否認した場合の不起訴率」を試算しましたが、今回は2012年発表分(データ内容は2011年分まで)を入れて再集計してみました。まずは資料をご覧下さい。以下しばらく、以前の記事の内容をコピペします。後半に今回書き足したコメントが続きます。検察と裁判所の関係刑事処分における、道交法違反の処理の流れがわかっていない方の為に簡単に説明しますが、検察庁には大別して4つの組織があります。 最高検察庁:最高裁判所対応 高等検察庁:高等裁判所...

ご存知の通り反則行為は否認すると不起訴率99%超です。しかし、赤切符の非反則行為では公判請求も年間1万件前後はあり、否認しても起訴される方がいるのも事実です。例えば40km/h制限の道で69km/hで検挙されたら不起訴率99%超で、71km/hで検挙されたら一定の確率で起訴されて6万円前後の罰金を取られます。これで起訴率が5割を大きく超えるのだとしたら、69km/hと71km/hの間にそれほど大きな差があるのは何故なのでしょうか?起訴された時の考え方赤切符を否認した場合の不起訴率は調べる手段がありません。データの蓄積によ...

私は大卒ですが法学部卒ではありません。裁判の傍聴も好きですが時間がなくて行けません。簡単に判例を調べられる図書館とかがあるなら行ってみたいとは思いますが本気で調べていません。しかし、ネットでちょっと調べた程度でも以下の判例くらいはすぐにヒットします。つまり何が言いたいかと言うと…警察と対峙しようと言うのなら、少し調べてみればわかる事くらいは調べる習慣を付けましょう!ということです。このブログの熱心な読者の方々は私を過大評価して下さいますが、素人がちょっと調べるだけでも今は簡単に情報が手に入る時...

旧ブログへのコメント欄への投稿を読んでいますと、主に警官とのやり取りを詳細に記載して下さる方がいます。それ自体は状況がよく伝わり、望ましい事なのですが、いくらそれが事実であっても、証拠がなければ武器にはなりにくいです。どうして録音・録画が大切なのか?警察・検察などの官憲は、息を吐くように嘘をつき、仮に裁判になっても裁判所は官憲の嘘を追認します。悲しいけど、これが現実なのです。現実が気に入らないからと暴力で解決を図るのが野蛮人。現実を直視した上で自分に出来る事を一つずつしていくのが文明人です。...

旧ブログに書きたい事は大体全て書いてしまったので、ここ数年はコメント欄への質問に答えるばかりであまり記事は書いていませんでした。私はこんな性格なので警察以外の事にも興味があり、主にFBで友人相手に情報流通をするのに忙しかったというのもあります。しかし今回、ブログ読者の方からのメールで、非常に興味深い事例がありましたので紹介する事にしました。地域や個人情報に繋がる部分は改変してあります。ブログ読者からのメール連絡が遅くなってすみませんでした。お力添え感謝します。本日〇回目の取り調べに〇〇区検察庁...

刑事訴訟法247条には以下のように定められています。第二百四十七条  公訴は、検察官がこれを行う。「公訴」とは被疑者を起訴する権限の事で、ニホンでは検察官だけがこれを持っているとされています。ところが、よく調べてみると実態はとんでもない事になっていました。副検事は司法試験を通っていない刑訴法247条によって「起訴できるのは検察官だけ」という事はわかりました。では、「検察官」とは誰のことでしょう?検察庁法第3条第三条  検察官は、検事総長、次長検事、検事長、検事及び副検事とする。検事長より上は役職名だ...

2015年の検察統計年表が出ていましたので、データを整理して「赤切符や青切符を否認した場合の不起訴率」を計算してみました。青切符の不起訴率は99.9%以上というのは明らかですから、赤切符を否認する場合の不起訴率を予想する際には有用かと思います。検察統計2015の元データと編集データ検察統計年表2015の元データは以下のリンクから誰でもDL出来ます。http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001157683表番号15-00-10の「検察庁別 道路交通法等違反被疑事件の受理,既済及び未済の人員」というのが、道交法違反で送検...

実際に検察で否認して不起訴になったり公判請求されて裁判を受けた方の体験談はわかりやすい!交通違反を否認した人の体験談のページにまとめてあります。

管理人や読者の方が経験した体験談・体験記をこの目次にまとめておきます。結局は相手の警官の個性による所が大きいのですが、最初に載せてある覆面追尾の事件は、この件をキッカケにして「警告指導で済ますという妥協点がある」という事を私が学んだ貴重な事例だと思っています。これがなければ旧ブログを開設せず、このサイトが作られる事もなかったかもしれません。人生万事塞翁が馬、ですね。なお、体験談の記事内容は対処法の内容を踏まえた対応をされて切符回避に成功した方の事例が多いため、会員限定記事とさせていただきます...

なお、記事の中にもありますが、非反則行為である赤切符を否認した場合の不起訴率の全国平均は40%程度です。(反則行為の青切符は99.9%以上ですので不安にならないように!)しかし、このサイトで相談に乗った方の不起訴率は現時点で8割を超えています。

残念ながら起訴されてしまった方もいらっしゃいますが、ちゃんと戦術を立てて否認を貫き、検察対策で上申書を用意するなどすると不起訴率が上がる事は間違いありません。

一方で、どれほどしっかりした上申書を用意し、検察官取調べ時の対応が素晴らしくても、検事や副検事の当たり運が悪ければ起訴されてしまう事もわかりました。この国は法治国家ではなく人治国家なので、どの検事(副検事)が担当するかで有罪か無罪かが分かれてしまうのです。

ちなみに地裁の有罪率は99%以上ですから、この国で有罪か無罪かを決めているのは検察官である事がわかります。「起訴さえすればほぼ有罪」なのですからね。

検察官との対決では「隠し録音」が必要不可欠です。そうなるとスマホではやや不足する場合も多く、ICレコーダーが一台あると便利ですね。

事前に胸ポケットなどに入れて録音状況を確かめてみて、相手の声が聞き取れないようであれば、外部マイクを追加してもよいでしょう。

バッテリーの持ちと初期投資額が気にならないなら、本当にペンにしか見えないペン型のレコーダーがあると用途が広がると思います。

ペン型の利点の一つは、「バレても本体だけでは再生も削除も出来ないので確実にデータを持ち帰れる」という事です。

言うまでもない事ですが、取調べ時に「被疑者側が録音する行為」は違法ではありません。検察も息を吐くように嘘をつきますので、「法令で禁止されている」とか「許可する法律はない」とか言いますが、

法令で禁止されているのは、官憲側が被疑者の許可なく録音する行為であり、禁止する法律がない行為は全て自由なのが法治国家の原則です。

憲法や六法のどこを読んでも「おならをしてもよい」とは書かれていませんよね?では、おならをする行為は違法なんでしょうか?

とにかく検察庁に電話する時は録音アプリ、検事と話す時は全て録音が鉄則です。

検察に限らず、普段運転する時に必要な3つのツールについて知りたい方は以下の記事をどうぞ。

このサイトを見つけた方のほとんどは、理不尽な取締りを受けて納得がいかずに調べた結果、という事だと思います。出来れば切符を撤回してもらって反則点が付かずに済ませたい所ですが、その為には違反登録より前に所轄に乗り込んで質問をぶつけまくり、警官の失言を録音して揺さぶりを掛けるくらいしか方策がありません。成功例は以下の記事ですね。とはいえ、普通は反則点の抹消はかなり難しいです。確率で言ったら1%を切ってるんじゃないでしょうか?刑事処分の方は青切符なら99.9%以上が不起訴。赤切符であっても全国平均で40%前...

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