信号無視追跡の警部補死亡、埼玉 パトカーが事故

白バイであれパトカーであれ、交通違反した車両を追跡すると称して警察車両が暴走することがよくあるのですが、その結果として逃走車両の運転手が死んだり大怪我をしたり、警察車両の乗員が死んだり大怪我をしたり、そうかと思えば無関係の第三者を事故に巻き込んで殺したり大怪我させたりしているのですが、もう追尾による取締りは禁止した方が良くないでしょうか?

信号無視追跡の警部補死亡、埼玉 パトカーが事故

https://archive.md/oxpn6

11/25(木) 12:22配信 共同通信
埼玉県警察本部=さいたま市浦和区

埼玉県警は25日、赤信号を無視したオートバイを追跡するため緊急走行中のパトカーが事故を起こし、乗っていた佐藤正人警部補(56)=千葉県野田市中野台=が死亡したと発表した。

県警によると、19日深夜、越谷署の男性巡査部長(26)運転のパトカーに3人で乗り、越谷市内をパトロール中、信号無視をしたオートバイを確認。約250メートル追跡した際に右折しきれず住宅のブロック塀に衝突した。後部座席にいた佐藤警部補は病院に運ばれたが、24日未明に死亡した。助手席の巡査は軽傷、運転していた巡査部長にけがはなかった。

疑問点①:交通違反は追跡する程の大罪か?

赤信号を無視したオートバイを追跡する為に緊急走行中だったとのことですが、目の前でひき逃げをした犯人が逃げているならともかく、信号無視をしたバイクを捕まえる為に、バイクの運転手・警察車両の乗員・無関係の市民の全ての生命を危険に晒してまで追跡しなければならないほどの大罪でしょうか?

信号無視は、捕まえたとして反則点2点・反則金7000円(原付なら6000円)の微罪です。反則点2点ですから3回繰り返さないと免停にすらならず、反則金額も7000円というのは危険性はともかく法律上は非常に軽微な微罪に分類されていることがわかります。

しかも、警察が追い掛ける信号無視というのは、多くの場合赤信号になった直後に交差点を通過したような車両を捕まえるもので、交差点は交差車線が赤になってから、青信号に変わるまでに必ず2秒間の空白時間(要するに全ての信号が赤の状態)がありますから、赤になった直後に交差点を通過してしまったとしても、交差車線のドライバーがフライング信号無視をして飛び出して来ない限りは事故は起こりません。

だからと言って信号無視して良いものではありませんが、たかがバイクを追い掛けるのに300kgもある白バイを振り回したり、今回のように3名も乗っているパトカーを暴走させ、挙句の果てには曲がり切れずに壁にぶつかっているのですから、もしそこに歩行者がいたらどうなっていたかを想像するだけでも、今回危険だったのは警察車両の方であることがよくわかります。

事実、追跡メインで取締りを行っている白バイ隊員の重大事故発生率は並のバイク乗りの3倍です。

白バイ隊員死亡・重傷の重大事故、5年で42件

これだけ重大事故を起こしておいて、どの口が「訓練を受けた運転のプロ」などと言うのか?

一般ライダーの3倍も危険な運転をしておいて、それのどこが「適切な取締り」なのか?

全ては、交通違反の取締りに映像証拠を必須とせずに警官の目撃証言などという嘘つき放題のシステムにしているから、追跡などという時代遅れの捜査手法になっているのです。

暴走族の取締りを見ればわかる通り、別に現行犯じゃなくても取締りは可能です。

暴走族を取り締まる時は、警察もビデオや写真を撮って本人特定をして後日検挙しています。

ナンバーを外した暴走族ですら後日検挙出来るのに、信号無視のバイクを後日検挙出来ない理由がどこにあるのでしょうか?

オービスなんて計測器の不具合の可能性をガン無視して後日検挙しています。

ならば、一時不停止もスピード違反も、全てはちゃんとビデオに撮って、悪質な者は特定して検挙すれば良いのです。

どうして映像による取締りを行わないのかと警察に聞くと、プライバシーの問題から常時録画は出来ないなどという嘘をついてきますが、そこら中に設置されている防犯カメラが全て違法だとでも言うのでしょうか?警察がその運用実態を公表しないNシステムでも、余裕で運転者の顔まで撮影されていますが、一体全体どの口がプライバシーがどうたらと言うのでしょうか?

現認による取締りを禁止し、交通違反の検挙では映像証拠を必須とすべきなのです。その場で制止して止まったならその場で切符を切れば良いですし、映像があるのですから違反したしないの揉め事も激減するでしょう。

逃げたヤツは後で捕まえれば良いのです。そうする必要がある程の大罪だと言うのであれば。

疑問点②:運転者は過失運転致死傷罪に問われるのか?

この事故って、若い巡査部長がイキって飛ばして同乗していた上司を死なせてしまったという事故ですが、明らかに大幅な速度超過をした結果として事故を起こしているのですから、普通に考えれば危険運転致死傷罪、百歩譲って過失運転致死傷罪が成立しますよね?

緊急走行中だったというのは、速度超過に関して免責されるだけで、カーブを曲がり切れない速度で走って良い事にはなりませんし、事故を起こした事に対する責任は生じるハズです。

初期報道では巡査部長が逮捕されたようには見えませんが、無謀な暴走をした結果の死亡事故ですよね?まさかこれでも「不幸な事故だが取締りは適切だった」とでも発表するのでしょうか?

死んだ警部補も浮かばれませんが、普通は死亡率が低い後部座席の警官が死亡しているというのも気になります。まさか交通安全を唱える側がシートベルトもしていなかったという事はありませんよね?

疑問点③:バイクは曲がれたんですよね?

バイク乗りなら誰でも知っていることですが、基本的にはバイクは加速力が車より圧倒的に優れている代わりに、コーナリングスピードは絶対に四輪の方が速いです。

もちろん、SSのようなスポーツバイクであれば、軽自動車よりは速く曲がれるでしょうが、相手がスポーツカーならやはり車の方がコーナーが速いです。今回追跡していたのもパトカーなんですから、まあクラウンとかが多いですよね。

逃げたバイクがスポーツバイクなのか原付なのかわかりませんが、バイクが右折できた場所をパトカーが曲がり切れなかったというのが普通では考えられないのです。同じ速度で進入したならばね…

信号無視をしたとされる交差点が250m先で事故ったそうですが、バイクが信号無視をしたのを確認してから追跡したとすれば、普通に考えればパトカーが追尾を始めるまでにどんなに速くても2~3秒は経ってますよね?

バイクの速度がわかりませんが、まあ信号無視するくらいですから50km/hくらいは出していたとすると、3秒もあれば50m近くは進んでしまいますね。

そこからパトカーが追い掛ける。当然、パトカーはバイクよりも速い速度を出さなければ追い付きませんから、ガッツリアクセルを踏んで猛加速でもしたのでしょう。

クラウンだとすると、ガソリンモデルでも0-100km/h加速が7.5秒くらいです。ゼロヨンが15秒台と言われていますから、後半の方が速いとすれば、7.5秒だとまだ200m進んでないかもですね。

そう考えると、事故を起こした交差点?進入時には既に100km/h以上出していた可能性もあります。

街中で、100km/h前後も出して無理矢理右折しようとして壁に衝突。仮に死者が出ていなくてももう一生運転させちゃダメなレベルの危険運転ではないでしょうか?

まとめ

亡くなった警部補の御冥福をお祈りしておりますが、このような悲劇を二度と繰り返さないためにも、事故を伴わない交通違反の取締りでの追跡捜査は禁止すべきです。

逃げ得になるとか、交通違反が増えるなどという珍説は相手にする必要はなく、「最初からビデオ録画を証拠として後日検挙すればよい」の一言で片付きます。

そもそも、交通違反の検挙率は0.001%未満とも言われ、普通に運転していれば誰しも軽微な速度超過はしているものです。道路が土だった時代から制限速度を変えていないのですから当たり前の結果であり、ルールもおかしけりゃ取締りもおかしいから、本当に危険な高齢者の逆走やアクセルとブレーキの踏み間違いが未然に防げないのです。

あんなものは、免許更新時にちゃんとした技能試験をすれば一発で見抜けます。50km/hくらいで走行させて、20m前に障害物を飛び出させて、安全に避けるか止まるか出来なかったら免許取消で良いんです。若くても落ちる者がいるかもしれませんがそれでいいです。運転技術が著しく低い者に、殺傷力のある鉄の塊を運転させてはいけません。

地方では車がないと生活出来ないと言いますが、車があるから公共インフラが不必要になるわけで、それこそバスの無料パスと同様に、高齢による免許返納者には無料のタクシーパスを与えればいいのです。高齢者福祉にもなるし、タクシー業界への公共事業にもなりますね。

財源がどうたらと政治的に話をするにはこの記事はそぐわないのでそこまでは書きませんが、これだけデフレが続いているんですから、通貨発行による積極財政をやらないと貧しい若者は車を買えず、カネだけはある高齢者ばかりの交通社会になってしまいますよ。

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コメント

  1. yellow-cut より:

    追跡行為によって周囲の一般車に危険を及すことはあってはならないですよね。
    私も先日関越道で沼田→伊香保間を走行中、追尾中の覆面が目の前で単独事故を起こしていました。

    追越車線を数キロずっと走る車がいて、覆面が通行区分違反での検挙を仕掛けた時の話です。(80km制限ですが、ずっと110km以上で追尾してるのに検挙しなかったので速度違反を取る気はなさそうでした)
    緩やかな左カーブの手前で覆面がランプを上げて検挙体制に入ったのですが、覆面は追越車線を右に外れて120kmオーバーで中央分離帯に一直線。接触かギリギリ急ハンドルで回避できたか微妙な所でしたが、覆面はそのまま路肩に寄せて急停車。
    幸い空いており後続車も少し離れていたので私含め2次被害は免れましたが・・・。

    追尾に夢中になって運転操作を誤るレベルの人が取締りを行う資格はないですし、
    ましてや後続車を危険に晒したのだからやり方考えろよ、と思う所ですね。
    (事故の瞬間もドラレコで残しましたが、覆面がちょっと離れていて見づらかったです・・・)

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