このサイトの読者であれば、警察の交通違反の取締りが事故を防止しない事は既に御存知だと思います。
そもそも、警察が取締りをする目的の中に「事故防止」は含まれていません。もちろん、大衆に対しては「事故防止のためだ」「危険な運転をする悪質ドライバーを取り締まっている」と息を吐くようにウソをついていますが、事故が増えるほどもらえる交付金が増えるシステムにしておいて、公務員である警察官が事故防止の為に頑張る訳などないのです。
さて、今日の話題は、消費税が上がれば上がるほど還付金がたくさんもらえる儲かる天下のトヨタが自動ブレーキシステムの広告の為に使っている資料が、図らずも警察の取締りが事故を防止しないことを物語っているというお話です。
追突事故が増えている
以下で使用している画像等は、全てトヨタのキャンペーンサイトからです。
交通事故全体に占める追突事故の割合が年々増加しているという資料です。
平成27年のデータで交通事故全体の36.7%が追突事故で、実に3分の1以上の事故原因はドライバーの前方不注意(漫然運転=安全運転義務違反)という事になります。
この原因は様々考えられます。
- ドライバーの高齢化による不注意な運転者の増加
- AT車の普及による不注意な運転者の増加
- ハイブリッド車の普及によるアクセルとブレーキの踏み間違いの増加
- 車は走る凶器であるという自覚の低下
普通のガソリン車の場合、アクセルを踏むとエンジンが唸り、音と振動からもアクセルを踏んだ事が体感出来ます。
ところがハイブリッド車は低速域ではモーターのみで駆動しますから、アクセルを踏んでもブレーキを踏んでもGの変化以外には体感出来るものがありません。
MT車であれば、低速域でブレーキをかける時は、エンストさせない為にクラッチも踏み込みますから、もし間違えてアクセルを踏んでもエンジンが唸るだけで車は慣性走行しかしません。
こういう小さな変化の積み重ねが追突事故の増加に繋がっているのでしょうし、カネさえ払って教習所に通えば誰でも免許が取れるようにしてしまった結果として、バスケットボールでドリブルすら出来ないレベルのリズム感しかない者にまで走る凶器を与えてしまっているのが一番の問題点です。
こういった話を書き出すとキリがないので今日はやめておきますが、いずれにせよ、警察は事故がおきない限りは安全運転義務違反では取締りが出来ませんから、警察の取締りは事故を防止しないということになります。
追突と出会い頭だけで60%以上
車両対車両の事故を見た場合、追突事故の次に多いのが出会い頭による衝突事故です。
このトップ2を足しただけで交通事故全体の実に61%にもなります。
出会い頭の事故原因も、結局はドライバーの不注意や技術不足であり、警察が交通規制をいくら強めても意味はありません。
嘘だと思ったらノーズの長い車両で一時停止線手前でキッチリ止まってみて下さい。交差路の安全なんてまるで確認出来ない位置である事がわかるでしょう。
出会い頭の事故が多いのは住宅街や裏路地です。そういう場所で警察は取締りをしませんから、やはり事故を減らす気などないという事がよくわかりますね。
事故を減らしたければ、車やバイクは危険な乗り物であると自覚した上で、事故を起こさないように、あるいは遭わないように気を付けて運転するしかないのであって、遵守不可能な道交法を遵守していたところで(遵守は不可能ですが…)脇道から避けられないタイミングで突っ込まれたらやはり事故は起こるのです。
この手の事故を減らしたければ、弱者保護という非合理的な過失割合の算定を止め、歩行者・自転車側にも「車道は危険な場所である」という自覚を促すしかありません。
死亡事故は夜間に多いが警察が取り締まるのは日中ばかり
夜間の方が見通しが悪いので事故回避操作が遅れ、事故が重大化するのは自明です。
死亡事故の約半数は夜間に起きていますが、警察の取締りはほとんどが8~17時という公務員の勤務時間に合わせた取締りばかりであることは皆さんも経験則で御存知でしょう。
夕暮れどきに発生する交通事故 – 交通事故総合分析センターより
まあ、警察の取締りは事故を防止しませんから、いくらやっても意味はありませんが、死亡事故が一番増える夕暮れ時に、事故が多発する路線や交差点に税金泥棒を数名ずつ立たせておけば、少しは事故が減るのではないでしょうか?
そのくらいの使い方しかあんな穀潰し共にはありません。
自動ブレーキには私は反対
このような資料に基づいて、トヨタだけでなく主要メーカーはどこも「カメラやセンサーが事故を探知して自動でブレーキをかけてくれますよ!」という自動ブレーキシステムを推進しているのですが、個人的には私は反対です。
人間は必ずミスを犯しますが、意識すればミスは減らせますし、結果に対しての責任も発生します。
しかし、機械は必ず故障したり、乗っ取られれば遠隔操作が可能ですが、電気的な故障を未然に防ぐ事は不可能ですし、遠隔操作されてもその痕跡が残っていなければ、何の責任もないのに事故の加害者に仕立て上げられてしまいます。
ここ数年だけでも、不自然な暴走事故が多発しているのですが、遠隔操作の実験だったとしても少しもおかしくはありません。
さらに言うなら、私はハイブリッド車の普及にも反対です。
何故なら、燃費ばかり気にして周囲の流れを無視して走りがちになるハイブリッド車は、一部の極端に高いモデルの車を除けば、運転が楽しくないからです。
そして、車は危険な乗り物であり、運転する時には集中しなければならないのですが、人間は楽しい事をしている時しか本当に集中する事は出来ないのです。
ゴルフクラブや野球のバットだって、使い方を誤れば容易に凶器にもなります。
しかし、好きでゴルフや野球をしている人は、クラブやバットをそんな風に使う事はありません。足にはスパイクを履き、手にはグローブを付けて、用具のメンテも怠らずに本来の目的の為に使用します。
ゴルフや野球を楽しんでいない人は、スニーカーやサンダルに素手でクラブやバットを持ってしまうかもしれません。そういう時の方が、クラブやバットがすっぽ抜けて誰かに怪我をさせてしまう可能性が高いでしょう。
また、自動車やバイクの本来の目的は移動したり荷物を運ぶことですが、快適性ばかりを追求して、自宅の部屋を外に持ち出すような目的でワンボックスなんかに乗ってしまうと、当然運転はつまらなくなり、つまらないと感じている事に人間の脳は集中してくれません。
良い車とは、ちゃんとしたドライバーシートから腰骨や背骨を通して車や路面の情報がしっかりフィードバックされ、ドライバーの意思が伝わっているかのようにちゃんと反応してくれる車です。今のところ、この要求に答えてくれるハイブリッド車やミニバンには出会った事がありません。
追突事故を減らしたいのであれば、自動ブレーキなんぞに頼らずに、ちゃんと前を見て運転しろというだけのお話です。自動ブレーキがないと追突してしまうようなドライバーからはさっさと免許証を取り上げるしかないでしょう。
コメント
今日の愛知県安城市の踏切事故ニュースの防犯カメラ映像もトヨタ車らしきクルマがブレーキランプを点灯させたまま、踏切に突っ込んでいく、なんとも不自然な状況でした。福岡のプリウスタクシーも結局ドライバーのせいにされて起訴されてますが、どうにも不可解すぎます。パニックに陥ったとしてあんな距離アクセル踏みつづけるはずがありません。とにかくおかしいことだらけです。