[ウソと矛盾だらけ]広島中央署8572万円窃盗事件終結[死人に口なし]

発生当初から「警察の裏金作りの為の内部犯行では?」と指摘してきた広島中央署の8572万円窃盗事件ですが、結局不審死した警部補を死後書類送検して事件の幕引きを図ったようです。

広島中央署8572万円窃盗事件 県警が警察官を容疑者死亡のまま書類送検 前代未聞の不祥事、終結

http://archive.is/QgyNz(魚拓)

 広島中央署(広島市中区)で2017年に広域詐欺事件の証拠品8572万円が盗まれた事件で、盗難の発覚後に死亡した広島県警の脇本譲警部補=当時(36)=が犯行に関与していた疑いが強まったとして、県警は14日、脇本警部補を容疑者死亡のまま窃盗などの疑いで書類送検した。

脇本警部補は生前に受けた県警の事情聴取で関与を否定し、物証も見つかっていないが、県警は状況証拠を積み重ね、犯行に関与した疑いが強いと判断した。警察署から多額の現金が盗まれた前代未聞の事件の発覚から約2年9カ月。容疑者死亡で不起訴になる見通しで、長期間にわたった捜査は終結に向かう。

県警は17年2月に詐欺事件の関係先から約9千万円を押収。同署の会計課の金庫で保管していたが、このうち8572万円が盗まれているのが同年5月8日夜に発覚した。

捜査関係者によると、脇本警部補は同年3月まで同署に勤務し、詐欺事件の捜査に関わりがあったほか、押収された多額の現金の存在も知っていた。同僚たちに数千万円の借金をしていたほか、同年3月下旬以降、競馬や借金返済に多額の現金を使い込んでいたことが判明し、早い段階で捜査線上に浮上した。

県警は脇本警部補の当時の自宅などを家宅捜索し、任意で事情聴取を重ねたが、脇本警部補は窃盗への関与を否定。関与を裏付ける具体的な証拠も見つからなかった。同年9月には脇本警部補が家で死亡しているのが見つかった。自殺ではなかったという。

県警は脇本警部補のほかにも、詐欺事件の捜査に関わった署員や同署会計課の職員、OBたち約600人に聞き取り、金融機関の口座を中心に約6万件の照会をして金銭の出入りも調べた。捜査関係者によると、これらの捜査対象者を調べた結果、脇本警部補以外に関与の疑いが強い人物はいなかったという。

県警はこうした状況に加え、動機面の事情や口座の出入金の状況などさまざまな状況証拠を積み重ねることで、脇本警部補の容疑が裏付けられたと判断。容疑者死亡のまま書類送検する方向で関係機関と調整し、詰めの捜査を進めていた。

盗まれた現金は見つかっていない。県警は幹部や職員の互助組織、退職者組織から8572万円を集めており、穴埋めに充てる方針でいる。同署長や、金庫の管理責任者だった同署会計課長(当時)ら7人の処分も済ませている。

矛盾①「同僚から数千万円の借金をしていた」

こんな酷いシナリオを思い付いたのが誰かはわかりませんが、この話がウソであることだけは誰にでもわかるでしょう。

皆さんの周囲にも競馬好きやパチンコ好きのギャンブル中毒者は一定数いると思いますが、そんな人に何百万も何千万も貸してあげる人を一人でも知っていますか?

脇本警部補がギャンブル好きだったのは事実かもしれませんし、消費者金融から数百万円程度の借金があったという可能性ならそれなりにあるでしょう。しかし数千万円となると消費者金融を複数借りても早々借りられません。それなりの返済実績が無ければ1社あたりの限度額は30万~100万程度であり、いくら信用度の高い公務員であっても、住宅ローン以外で数千万円も借りれる訳がありませんね。

ましてや「同僚から数千万円の借金」なんてありえませんね。余程親しい親友レベルであっても、友人間で貸し借り出来るのは数十万~100万円程度、家族でようやく数百万でしょう。一体どこの世界に競馬好きのギャンブル中毒患者に数千万円も貸す同僚がいると言うのでしょうか?

この1点だけでも脇本警部補犯人説は相当怪しいです。さらに、疑惑はまだまだ続きます。

矛盾②「被疑者が死亡したが自殺ではない」

この脇本警部補は事件発覚から約5ヶ月後の2017年9月末に自宅で不審死しています。

広島中央署8500万円盗難事件 30代捜査員の「謎の死」

10月7日に中国新聞が〈捜査難航 長期化の様相〉と題した事件の続報でこう報じた。

〈県警の捜査員だった男性1人が自宅で亡くなった。男性は県警の聴取に関与を否定し、関与を裏付ける客観的な証拠も得られていない。死亡した詳しい原因は不明だが、自殺の可能性はないという〉

死因は不明だが自殺の可能性はないってなんですかね?

明らかに他殺が疑われるような不審死であっても自殺で処理する警察が「自殺の可能性はない」というのですから、あからさまな他殺だったということでしょう。しかし、その後捜査が行われた様子もなく、死因すら公表されていません。

窃盗罪も重罪ですが、これが殺人事件ならそちらの方が遥かに大きな犯罪です。なのに捜査した痕跡すら見つけられないというのはどういうことでしょうか?口封じの為に殺したのか、犯人役にする代わりに借金をチャラにしてあげた上で海外にでも逃がしてあげたのかはわかりませんが、日本の警察ですからやるなら前者でしょう。

ヤクザは数百万円の借金でも保険を掛けてから殺す事すらあります。警察という公営ヤクザが8500万円の裏金化の為だったら、ギャンブル狂いの末端を一人人身御供にして始末しても何の驚きもありません。

矛盾③「一番怪しい署長を取り調べた痕跡すらない」

この窃盗事件には実行犯が少なくとも1名いることだけは確かです。8500万円はランドセル1個分くらいはありますから、防犯カメラのある廊下を通っての犯行はまず不可能です。しかし、署内の構造次第では1人だけカメラに映らずに現金を小分けにして運べる人物がいるのです。

これについては以前の記事で細かく検討しましたが、署長室と会議室の間、会議室と会計課の間に内扉があるなら、この警察署内で署長だけは廊下を通らずに会計課と行き来することが可能だったハズです。しかも、署長ならば金庫の番号にも当然アクセス権があったでしょう。

[だから署長を]広島中央署現金盗難 署長判断、担当外の会計課で管理[尋問しろ]

上の記事は私が2017年5月12日にアップしたものですが、その中で私は次のように書きました。

この事件の決着を付けるとすれば、犯人役に打ってつけなのは、「ギャンブルかハニートラップで多額の借金を抱えていた末端署員」というキャラクターです。

それからもう一つ

カギが会計課長のデスクにある事を知っていた者は十数人いたかもしれませんが、ダイヤル式金庫の解錠番号まで知っていた者となると、会計課の数人と署長・副署長くらいしかいなさそうですから。

犯人を挙げる気があるなら、まずは署長を徹底的に尋問するしかありません。

つまり、署長が尋問されないのであれば、仮に犯人が挙げられても、そいつが真犯人ではない可能性が非常に高いという事です。

そして、案の定広島県警は署長の井本雅之の取調べをしていません。まあ、彼が主犯だとは私も思いませんが、事件の解決を目指すなら少なくとも彼のGW中の行動確認くらいは必要だったでしょう。

でも、それをしないのですから、不作為によって誰が犯人か自白しているようなものです。

矛盾④「盗まれた現金が見つかっていない」

矛盾①の「あなたは同僚から数千万円の借金が出来ますか?」と同じタイプの質問をします。

あなたは、8500万円のキャッシュを、使った痕跡を残さずに使い切る事は出来ますか?

私には無理です。自動車や住宅などをキャッシュで購入したら当然その記録が残ります。

警察は「事件発覚後に借金が返済されていた」などと言っていますが、そもそも「同僚から数千万円の借金」がウソですから借金返済もウソです。消費者金融から借りていたとしてもせいぜい数百万円ですから、やはり8000万円前後の現金が発見されるか、使った痕跡が見つからなければおかしいです。

なのに、見つからない。つまり、脇本警部補は8500万円を使ってなんかいないということです。

弁財天あたりを読むともっとディープな所まで突っ込んでいますが、事の真偽は私にはわかりません。

しかし、それでもわかることが一つだけあるのです。

警察の発表にはウソや矛盾が含まれているので、警察の発表内容は絶対に真実ではない。

真実はどれほど奇妙に思えても矛盾がありません。

ウソはどれほどもっともらしく思えても、必ずどこかに矛盾があります。

真実を見抜くのは難しいですが、それがウソであることを見抜くのは割と簡単です。矛盾があったらウソなんですから。交通安全のために取締りをしている、とか、社会保障の為に消費税増税(そして法人税減税)とかですね。

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