警察が「自転車は車道を走れキャンペーン」を始めた頃から懸念していた事ですが、東京都が条例を改正して自転車使用時のヘルメットの着用義務化を検討しているようです。
自転車事故防止で都条例改正も
ソース:http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20160620/3260091.html
東京都は、自転車による交通事故が相次いでいることを受けて、自転車を購入する人にヘルメットの着用をはじめ安全な利用を呼びかけることを販売店に対して義務づけるなど、都の自転車の利用に関する条例の改正を検討することになりました。
自転車人気が続く中、都内では自転車による交通事故が相次いでいて、去年1年間に自転車が関係する交通事故は1万1000件余りで、亡くなった人は33人にのぼっています。
こうした中、東京都は、交通政策を研究する専門家らによる有識者会議を設け、都庁で初会合を開きました。
この中で、東京都の廣田耕一青少年・治安対策本部長は「環境への関心や、健康志向が広がる中、自転車の利用増加が見込まれ、対策の強化が急務だ」と述べました。
その上で、有識者会議では、都の自転車安全利用促進条例の改正を検討することになりました。
具体的には、自転車を購入する人にヘルメットの着用をはじめ、安全な利用を呼びかけることを販売店に対して義務づけることや5月から始まっている自転車専門の交通安全指導員の業務内容を条例で明確にすることなどを検討することになり、この夏をめどに、報告書をまとめることにしています。
自転車事故が増えているのは警察のせいでしょ?
大手メディアの報道は、サラッと嘘を書いて印象操作を試みているものばかりなのですが、ここでもサラッと印象操作を試みていますね。
自転車人気が続く中、都内では自転車による交通事故が相次いでいて、去年1年間に自転車が関係する交通事故は1万1000件余りで、亡くなった人は33人にのぼっています。
自転車が絡む交通事故が増えているのは、自転車人気だけが原因ではありません。というか、自転車人気自体も原因は他にあるでしょう。
[何言ってるの?]死者数全国ワーストの大阪 自転車事故急増で一斉取り締まり[警察のせいでしょ?]
上記は2013年のデータですが、自転車対歩行者の事故による死者者は年間2名。自動車対自転車の事故による死者数は年間334名です。
自動車が歩道に突っ込むケースはレアですから、死亡事故のほとんどは車道で起こっていると思われます。
で、警察が「自転車は車両だから車道を走れ!」というキャンペーンを行った結果、交通事故を増やして規制を増やして利権も増やし、管理強化と利益の還流を目指している警察の目論見通り、自転車の事故が増えているから規制を強めようという流れですね。
有識者って誰?
この手の会合だの諮問機関の話が出る時には、すぐに「有識者」ってのが出てくるのですが、私に声が掛かった事は一度もありません(笑)
こうした中、東京都は、交通政策を研究する専門家らによる有識者会議を設け、都庁で初会合を開きました。
この中で、東京都の廣田耕一青少年・治安対策本部長は「環境への関心や、健康志向が広がる中、自転車の利用増加が見込まれ、対策の強化が急務だ」と述べました。
廣田耕一氏とは誰でしょうか?
- 84年早稲田大学政治経済学部卒。同年警察庁入庁。
- 90年北海道警捜査2課長
- 96年徳島県警警務部長
- 97年警察庁生活環境課理事官
- 01年警察庁生活安全局付(内閣官房副長官補付・内閣官房内閣参事官)
- 03年大阪府警生活安全部長
- 04年警察庁給与厚生課犯罪被害者対策室長
- 06年警察庁官房参事官(高度道路交通政策担当)
- 07年愛媛県警本部長を歴任。
警察以外の世界を知らない骨の髄まで染まった警察のキャリア官僚じゃないですか…
で、警察のキャリア官僚が定めた施策に従って交通規制や取締りをしてきた訳ですが…
車の安全性能の向上、少子化・貧困化による若年層ドライバーの減少などにより、交通事故は減少傾向ですね。
なのに自転車絡みの事故だけは増えていると言うのですから、「自転車は車道を走れ!」キャンペーンをやってる警察のせいで事故が増えているのでしょう?
この国では失政に携わってきた者を「有識者」と呼ぶようですね。「対策の強化」ってのは、要するに「もっと規制を増やして警察国家度を上げたい!」と言っているのと同じでしょう。
そのうち義務化、次は保険か?
自転車を購入する人にヘルメットの着用をはじめ、安全な利用を呼びかけることを販売店に対して義務づけることや5月から始まっている自転車専門の交通安全指導員の業務内容を条例で明確にすることなどを検討する
今は「販売店に対して、顧客にヘルメット着用などを呼び掛ける事を義務化」で止まっていますが、こういうものは段階的に厳しくしていくのが彼らの計画でしょう。おそらく…
販売店の呼び掛けが義務化 → ヘルメット着用義務化 → 自転車にも自賠責保険(強制保険)を → メーカーや保険会社には警察の天下りポストが用意され、政党には寄付金が入る
こんなバレバレな計画を練っているのではないかと思います。
自動車がこれだけ普及した世の中なのですから、自動車の自賠責保険料は税金から払ってもらって任意保険なんかなくていいです。自賠責の補償を上げれば済む話でしょうから、せいぜい高級車用の車両保険だけ残せば良いでしょう。
百歩譲って自動車が贅沢品で一部の者しか乗れないとして、自転車は庶民の乗り物で老人・主婦・子ども達も乗る物です。
ヘルメット着用自体は悪い事ではありませんが、ヘルメット着用に「事故防止効果」はないでしょう?
事故を防止させたいなら、「ガードレールで歩道と車道が隔離されている幹線道路などでは自転車の車道走行は禁止」あるいは「幹線道路で車道走行する自転車については、ヘルメットの着用とミラーの装着を義務化」このくらいならやっても良いと思います。
正直、主婦が近くのスーパーに買い物に行く程度の事で、ヘルメット着用義務化はやり過ぎです。そんな事言ったらママチャリより速い速度で走る陸上の選手もヘルメットしなきゃ危険だと言ってるようなレベルの珍妙さです。
何度も言いますが、自転車の事故が増えているのは「自転車に車道走行を勧めているから」です。事故を減らしたいなら歩道の拡幅工事でもやって、歩道内を歩行者レーンと自転車レーンに分ければ良いのです。
道路の端っこに無意味な青ラインを敷くカネがあるなら、歩道拡幅やった方が100倍マシだと思うんですけどね…
まとめ
結局のところ、事故が増えると警察の関連会社が儲かるという交通反則通告制度自体を何とかしない限りは良くならないでしょう。そして、この通称反則金制度がおかしいと言っている有識者、政治家、官僚などを私は見た事がありません。
- 自転車の交通事故が増えているのは、自転車を車道に追い出した警察のせいです
- 今度は警察官僚が中心になってヘルメットの着用義務化を狙っています
- その次に狙っているのは強制保険で、庶民から更にカネを巻き上げて自分達だけは美味しい思いをしたいようです
繰り返しになりますが、シートベルト着用義務と同じで、ヘルメットを被っても事故防止効果は全くないです。事故時の被害低減にはなりますが。都道府県がもらえる交付金は「交通事故発生件数」で計算されますから、事故を減らさずにメーカーからの寄付・キックバック・天下り先の確保が欲しい警察が、如何にも考えつきそうな施策ですね。