警察利権を作り上げ維持している「悪の総本山」警察庁ですが、たまにはまともな事を言うようです。そういや以前「交通違反の取締りでは隠れて取り締まったりしちゃダメだよ。軽微な違反は警告で済ませていいんだよ!」というまともな通達を出したのも警察庁でした。中には良識派もいるのでしょうか?それとも単なるガス抜きなんでしょうか?
ハイビーム使用を…横断死亡96%が「下向き」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160921-00050003-yom-soci
歩行者が夜間に道路を横断中、車にはねられた昨年1年間の全国の死亡事故625件のうち、96%の車のライトがロービームだったことが警察庁の調査でわかった。
同庁はハイビームを使っていれば防げた事故もあるとみており、21日から始まる秋の全国交通安全運動の重点項目としてハイビーム使用を呼びかける。
近年、交通事故による死者は減少傾向にあり、昨年の交通事故の死者は4117人。このうち、自動車や自転車などに乗っていた死者は2571人で、過去10年で46%減少した。一方、歩行中の死亡者は1534人で28%減にとどまるため、同庁が歩行者の横断中の事故に絞って初めて集計、分析した。
夜間の死亡事故625件では、ロービームが597件を占め、残りはハイビーム9件、補助灯6件、無灯火13件だった。
対向車や前方走行車がいなかったらハイビームが原則
知らない方も多いですが、夜間走行では原則的にはハイビームで走ることになっています。
車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。
2 車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。
自動車・バイクでは、ハイビームが通常モード、ロービームが減光モードです。
簡単にまとめるのであれば、
- 対向車かすぐ前を走る車がいる
- ハイビームのままだと交通を妨げる恐れがある
この2つが両立した時のみ、ロービームに変える必要があるという事です。
都市部では常に対向車や直前走行車がいることが多いので、幹線道路などではロービームが基本となりますが、交通量の少ない住宅街などの生活道路や、郊外を走行する時はハイビームが基本です。私も生活道路では常にハイビームで走行し、歩行者や自転車とすれ違う時は眩しくないようにロービームに切り替えて運転しています。
はたして取り締まるのでしょうか?
気になるのは次の一文です。
21日から始まる秋の全国交通安全運動の重点項目としてハイビーム使用を呼びかける。
また始まるんですね。「秋の反則金集中徴収運動」が…
いつも春と秋の交通安全運動が始まるとサイトへのアクセスが増えます。初歩的な質問が増えるのでありがた迷惑なんですが…
さて、「ハイビームにすべき場面なのにしていなかった」として取締りをやるつもりなのでしょうか?適用されると思われる違反項目は以下のものですが…
減光等義務違反:反則点1点:反則金6,000円(普通車)
しかし、この「減光等義務違反」というのは、対向車や直前走行車両がいて減光しないと交通を妨害するのにロービームに戻さなかったという時に適用されると考えるのが自然です。
そもそもこの違反を単独で取り締まる事はまずなく、ググってみてもネズミ取りのついでに減光していなかったと因縁を付けられて切符を切られたというような話しか出てきません。
ハイビームにしていない事を理由に検挙するにはどうすれば良いのでしょうか?まさか無灯火扱いにするのでしょうか?
無灯火:反則点1点:反則金6,000円(普通車)
これはこれで適用が難しそうですよね。減光しているとはいえロービームは点けているのですから…
こうやって考えてみると、警察はハイビームにしていない者を取り締まる気はない気がします。そもそも、事故が減ってしまったら交付金額が減ってしまって警察としては減収減益みたいなものなのですから。
事故を減らす気は最初からないでしょ?
この交通安全対策特別交付金という名の反則金還流システムがある限りは、警察が事故防止に動く事はないと思われます。発表されているのは「死亡事故数」ばかりで、交通事故全体の数は取締り件数とは無関係に増減していますしね。
車の安全性向上によって、交通事故死亡者数自体は減っていますが、警察の取締りとは無関係です。
記事の中でもう一つ気になるのが以下の文です。
このうち、自動車や自転車などに乗っていた死者は2571人で、過去10年で46%減少した。一方、歩行中の死亡者は1534人で28%減にとどまるため、同庁が歩行者の横断中の事故に絞って初めて集計、分析した。
- 過去10年で自動車・自転車側の死者数は46%減った
- 過去10年で歩行中の死者数は28%しか減っていない
シートベルト着用率やエアバッグ装着率が上がったから運転者側の死亡は減ったが、衝突安全ボディだけでは歩行者の死亡数は減らせなかったという事でしょうね。
さらに歩行者の死亡数が減らせない理由は、事故発生時の過失割合の算定にあるでしょう。
「弱者保護」という耳触りの良い一見すると正論に聞こえるプロパガンダを根拠に、歩行者や自転車が車に気を付けなくなっているのが事故が減らない要因の一つだと私は考えています。
私にも幼い子供がいるので、日頃から繰り返し「自転車に乗っている時に車が来たら道路の端によって止まりなさい」「歩いている時も道路の真ん中には出ないで端っこを歩きなさい」と言い聞かせています。
事故に遭ったらより被害が大きいのは歩行者・自転車側なのに、「車は急に止まれない」というフレーズくらい聞いた事があるだろうに、いつも車の方が避けてくれるものと思い込んでいる歩行者・自転車の多さにはいつも驚かされます。司法までグルになって歩行者側の責任を問わずにきた結果がこの惨状なのでしょう。
さて、もっと驚かされるのは最後の一文です。
同庁が歩行者の横断中の事故に絞って初めて集計、分析した。
初めて!?交通反則通告制度が出来てから40年以上経ち、交通戦争と呼ばれるほどの大量の交通事故死亡者数を積み上げておきながら、交通違反の取締りを独占している警察が、誰がどう考えても一番死亡率が高いであろう自動車対横断歩行者の事故に関する分析をしたのが初めてでしたって?今まで一体何を分析して血税から高い報酬を得てきたんですか?
で、分析した結果がハイビーム使用率との関連性ですか。
もちろん、ハイビームの推奨は悪い手ではありませんが、もっと大切なのは、横断中にハネられた人はちゃんと信号を守っていたのか?そもそも横断歩道のない場所を強引に渡ろうとしていたのではないか?そういうあたりを分析してデータベース化するのが先でしょう?
事故を減らすには
不幸な事故を減らしたければ、まずは以下の事を原則とした方が良いと思います。
- 歩行者側の過失もちゃんと認めましょう
- 事故が多いほど警察が儲かるシステムをやめましょう
- ドラレコを搭載義務化しましょう
その上で、「基本はハイビームだけど、対向車や前方走行車の迷惑になりそうな場所ではロービームに切り替えようね♪」という話をするのが良いと思います。
コメント
自分の勉強不足かも知れないのですが、違反って、二つ以上の違反が同時に課されることってあるのですか?
1. 「同時に違反していた」場合に検挙された、反則点は高い方のみが加算され、反則金は両方請求されます。
例:スマホを弄りながらスピード違反(25km/h超過とか)したのを白バイに捕まった。
→点数はスピード違反の3点のみ加算。切符に両方の違反が記載された場合は反則金納付書は2枚渡されます。
2.「同時ではない連続した違反」の場合は、警察次第でいくらでも切符が切れます。
例:速度超過で白バイに追われたが逃走し、捕まるまでに信号無視や一時不停止を繰り返した。
→通常は最も点数の高い違反のみで切符処理しますが、警察がキレた場合はそれぞれの違反について切符処理することも可能で反則点も全て加算されます。
まあ、余程怒らせない限りは最も点数の高い違反1つで済まされる事が多いですが、同日にオービスを2台光らせたら両方処理されて一発免取もあり得ますね。
昔私の知り合いのバイク乗りが白バイから逃走し、信号無視を繰り返して10km近く逃げ、さらに歩道を走行して逃げるも白バイも歩道走行して追い掛けてきて、最後は走行中にブレーキを掴まれて両者転倒、なおも逃げようとする知り合いを白バイ隊員が取り押さえて御用という大捕り物がありましたが、こっぴどく説教されただけで切符処理されなかったという事件がありました。憶測でしかありませんが、走行中にブレーキを掴んできて転倒・負傷させた点をツッコまれると何かと不都合と判断したのかもしれませんね。