[警官による殺人事件]男性窒息死、警察官を在宅起訴[13対1でリンチ]

2013年の2月に、北海道の土木作業員の男性(40)は、「運転が怪しかった」というだけの理由で80kmも追跡され、警察官13人掛かりで車内から引き摺り出され、リンチの末に尊い生命を奪われました。

誰がどう考えても警察官による殺人事件だとしか思えませんが、たった1名の警部補を在宅起訴しただけで事件の幕引きを図るようです。

男性窒息死、警察官を在宅起訴

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017042501213&g=soc

http://archive.is/Kn1No(魚拓)

 北海道北見市で2013年2月、土木作業員の男性=当時(40)=が道交法違反容疑で現行犯逮捕された際に窒息死した問題で、釧路地検は25日、男性に暴行を加えたとして、特別公務員暴行陵虐罪で、道警北見方面本部地域課の佐藤昭夫警部補(55)を在宅起訴した。

 起訴状などによると、車を運転していた男性はパトカーに停止を求められたが逃走し、北見市内で雪山に突っ込んだ後も工具を振り回して抵抗。警察官計13人が取り押さえた際、佐藤警部補は男性の頭部を踏み付けるなどしたとされる。

 道警は他の警察官2人も業務上過失致死容疑で書類送検したが、地検は「通常の逮捕行為を逸脱するものではない」として、いずれも嫌疑不十分で不起訴処分とした。(2017/04/25-20:53)

この報道だけ見ると事件の詳細がわかりませんが、私は過去の記事でもこの殺人事件について書いていた事を思い出しました。

足寄→留辺蘂80キロ逃走 逮捕後に男が死亡 道交法違反容疑

10人?13人?

初期報道では以下のように取り押さえた警官は10名だと報道されていました。

現場には、本別署員2人のほか、北見署員8人も駆けつけていた。住民によると、警察官は「出てこい」と叫び、さすまたや盾を持って車を取り囲むなど、緊迫した様子だったという。

ところが今回の報道では計13人が取り押さえたとあります。増えた3人はどこから湧いて出てきたのでしょうか?

男性は本当に暴れたのか?

同じく初期報道では男が抵抗した様子についてこのように書かれています。

監察官室によると、本別署のパトカーが24日午後2時半ごろ、足寄町の国道で不審な車を発見。停止を求めたが、従わなかったため追尾した。同3時15分ごろ、この車は約80キロ離れた北見市内で一時停止を無視。パトカーが追い掛けたところ、車は沿道の雪山に突っ込んで止まった。

警察官は男に免許証の提示を求めたが、男は車内でバールを振り回すなどして抵抗同4時10分ごろ、運転席の窓を割って男を車から引きずり出し、手錠を掛けたところで男が意識を失っていることに気付いた。男は病院で死亡が確認された。

時系列に並べてみるとこうなります。

  • 14:30 足寄町の国道で不審な車を発見→車は逃走
  • 15:15 80キロ離れた北見市内で一時停止を無視→沿道の雪山に突っ込んで止まる
  • 16:10 窓を割って警察官が男を引きずり出し、リンチして殺す

45分間で80キロを移動しているのですから、平均時速で100km/h程度で走らないと北見市内まで間に合いません。

初期報道の時点では、この男性が薬物等をやっていた可能性は否定出来なかったのですが、この続報でも男性の体内から薬物が検出されたというような記述は見当たりません。

また、法定速度60km/hの国道を平均時速100km/hで45分間走行しても事故を起こさなかったのですから、薬物等でラリっていたということもなさそうです。心神耗弱以上の状態だったら、そんなスピードで45分間も運転できませんから。

車が止まってから警察官が男性を引き摺り出すまでに1時間近くが経過しています。男性が暴れていたという証言は警察サイドのものしかなく、近所の住民が聞いたのは警察官の「出てこい!」という怒号だけです。

「車内でバールを振り回す」とありますが、素朴な疑問点が2つあります。

  • 本当にバールが車内にあったのでしょうか?
  • 何故男性はバールを車内に置いていたのでしょうか?
  • 車の車内ってバールを振り回せるほど広いですか?

私はバールの話は警察のウソだと思います。結果的にリンチで殺してしまった為に、死亡した男性が凶悪な犯罪者であるかのように印象付ける為に口裏を合わせただけでしょう。

バールを使ったのは警察ではないのか?

他の初期報道にはこうあるのです。

雪山に衝突した後も車内に閉じこもって抵抗したため、同署員は運転席の窓ガラスを割ったが、須田容疑者は「かかってこい」などと叫んで暴れ、CDや本などを投げつけた。このため、警察官数人が助手席側ドアから引きずり出し、雪の上に押さえつけたという。

警察官が割ったのは「運転席側の窓ガラス」です。

運転席側の窓ガラスが割られたので、CDや本を投げつけた、という話には特に矛盾はありません。

で、警察官数人が「助手席側ドアから引き摺り出した」とあるのですが…

え?助手席側のドアのロックは開いていたのですか?男性は1時間近くも車内に立てこもっていたのに、ドアのロックも掛けていなかったのでしょうか?

そんな訳はないでしょう。

少なくとも警察官10人で車を取り囲んでいた上に、さすまたや盾で武装までしていたのです。当然ドアを開けようと試みるのが普通ですし、そこでドアが開いたなら運転席側の窓ガラスを割る必要がありません。

なのに「運転席側の窓」を割り、CDや本を投げつけてきたために「助手席側のドア」から引き摺り出したという状況を矛盾なく説明しようとすると…

「バール」を用いて助手席側のこじ開けたのは警察官で、そのバールを男性が振り回した事にでっち上げたのではないでしょうか?

1名の人間を13人で取り押さえることは出来ない

当たり前の話ですが、1名の男性を引き摺り出し、後ろ手に手錠をかけるだけなら、最大でも4~5名の警官がいれば事足ります。大体、13名で1人を取り押さえるなど、お互いの身体が邪魔になって物理的に不可能です。

両手両足を一人ずつが取り押さえ、もう一人が頭でも抑えれば、どれほど屈強な男性であっても抵抗し切れません。そもそも、助手席側のドアから引き摺り出されている時点で1~2名程度の警官の腕力で引き摺り出せたということでしょう?

そこで今回在宅起訴された佐藤という殺人犯が、頭を足で踏みつけ(文字通り死ぬまでガンガン蹴ったのでしょう)道警が仕方なく送検したもう2名の警官が実際に身体を抑えていたと考えるのが妥当です。

  • 佐藤容疑者+2名の送検された警官=3名
  • 初期報道での警官数10名
  • 今回の報道での警官数13名

初期報道で人数のカウントに入っていない3名が今回の3名で、初期報道の時点ではもみ消すつもりでカウントに入れなかった可能性すらありますね。

で、地検の判断ですが

「通常の逮捕行為を逸脱するものではない」として、いずれも嫌疑不十分で不起訴処分

だそうですが、

「容疑者が死ぬまで仲間に頭を踏ませる行為」が「通常の逮捕行為を逸脱しない」のですか?逸脱しているのはお前の判断能力の方だろうというお話です。

薬物が検出された訳でもないのですから、殺されてしまった須田さんの過失なり違反は

  1. 挙動不審な運転をしたこと
  2. 平均時速100km/hで北見市まで運転した事
  3. 北見市内で一時停止を無視した事
  4. 警官にCDや本を投げつけたこと

これだけです。日本には逃亡罪はありませんから、警察の停車要請に従わなかった事は罪にはなりません。

これでリンチによる死刑を受けなければならないような行為でしょうか?

もちろん違います。道交法違反については罰金で済むレベルの違反ですし、仮に警官にCDや本を投げつけた行為が公務執行妨害に当たるとしても、初犯なら懲役1年執行猶予3年くらいが相場です。殺される謂れなどどこにもないのです。

13人掛かりで1人の人間を追い込み、押さえつけた状態で死ぬまで頭を踏みつけた人間が、逮捕もされずに在宅起訴で済んで良いのでしょうか?

もちろん、良い訳はありませんが、それが罷り通ってしまうのがカル○国家ニホンの惨状です。

55歳で地域課の警部補止まりという時点で、起訴された佐藤はノンキャリです。

警察は極度の縦社会なのですから、末端の不祥事の責任は本来であれば上層部、今回のケースで言えば北見方面の本部長あたりも責任を問われるべきなのです。

なのにそうはならず、キャリア組の当時の本部長は、今頃天下りや渡りを繰り返している頃でしょう。

犯罪を取り締まるハズの警察官の方が犯罪者で、それが明るみに出ても切られるのは末端だけで上層部は常に安泰。ニホンの統治システムは戦前・戦中から何も進化していません。

  • 戦争に負けても官僚は責任を問われなかったように。
  • 天皇に主権がある大日本憲法化で開戦の詔を書いたヒロヒトが天寿を全うしたように。
  • 原発の「全電源喪失はあり得ない」と答弁したアベシンゾーが2度も首相になるように。
  • フクイチが爆発して国土を汚染し、膨大な数の国民を被曝(死)させても誰も逮捕者が出ていないように。

そんな国なのに、事故を起こしてもいないのに道路を快適に走行していただけで「悪質違反者」呼ばわりですか?一体何の冗談かと。

警察と軍部(自衛隊)の組織浄化が急務です。彼らに共通しているのは「他人にはルールだの命令だのを守れと言う癖に、自分達自身は法令や国民を守る気などサラサラない」ということです。

うちの職場に自衛隊の制服組幹部クラス上がりのアホが再就職してきたのですが、着任早々労働基準法は無視して、36協定がなく残業代も支払われない職場なのに「俺が19時まで働いてるのにお前らは17時で帰るなどけしからん!」とホザいてます。

お前が19時までいると電気代の無駄だからさっさと帰れというお話なんですけどね。

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コメント

  1. とし より:

    怖いですね~、私もこの事件を知った時に「犯人(被害者)がバールを振り回していた。」と言う警殺側の証言は信じれなかったですね、死人に口なしでしょうか。というか被害者が狂暴だったとしなければ、ただの人殺しになってしまうので、それを避けるためにやったと思ってしまいましたけどね~。 警殺は群れなきゃ何もできないのは分かっていたことですが、被害者の過失が少々あったにしろ、この事件が警殺姦によるリンチ、殺人まで犯すことになってはならないですよね、よくもまあ80kmも追跡したものです、そんなに日頃から自分の無能さにストレスが溜まっていたのでしょうか。

    • 取締り110番 より:

      北海道の警察ってヒマそうですよね。犯罪発生率も低そうですし。

      少し古いデータですが、足寄町(あしょろちょう)の犯罪発生件数は年間たったの23件。犯罪発生率は驚きの0.3%です。(札幌市中央区が2.1%)

      年間たったの23件しか犯罪が起こらない町なのですから、警察官は2名もいれば十分ですね。でももっといるのでしょう。だからヒマでヒマで仕方がないワケで、珍しく挙動が怪しい車を見つけたモンだから、これ幸いとパトカーをかっ飛ばして追尾し続けたのでしょう。

      それにしても不自然な点の多い事件です。被害者とパトカーが45分間で80kmを移動したという時点でどうにも解せません。北海道のド田舎ならば国道でもガラガラだとは思いますが、それでも平均時速で100km/hをキープするのって、それなりの集中力がいると思うんですよね。そこまで集中力が続く人間がバールを振り回したり、引き摺り出された後も激しく抵抗したりするでしょうか?

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