富山県警が信号無視をしたとして検挙した男性の車にはドライブレコーダーが搭載されており、後で見返してみたら「青信号だった」という話なのですが、「青信号を見て赤だと思うような警官が交通違反の取締りをしている」という悲しい現実に気付かされます。
産経WESTの記事
やっぱり青信号だった…ドライブレコーダーが決め手 富山県警が「信号無視」交通切符誤交付 2人に謝罪
富山県警高岡署は23日、青信号で交差点に進入した車の運転手2人に、信号無視したと誤って交通切符を交付していたと明らかにした。同署は2人に謝罪し、切符を回収した。
同署によると、同日午後4時ごろ、高岡市立野の国道8号交差点に青信号で進入した乗用車2台に、赤信号で止まっていたパトカーが停車を命じ信号無視をしたとして交通切符を交付していた。
うち1人の男性運転手が信号は青だったと主張したが、パトカーに乗っていた巡査部長(30)は取り合わず交通違反として処理したという。
この男性が約2時間後にドライブレコーダーの画像を同署に持ち込んだため誤交付が判明した。
同署によると、巡査部長は聞き取り調査に「赤信号だと錯覚した」、同乗していた巡査(29)は「巡査部長が赤だと言ったので疑わなかった」と話しているという。
同署の渡辺正信副署長は「2人に大変なご迷惑をお掛けした。今後このようなことがないよう確実に現認を行い適正な取り締まりに努める」とのコメントを出した。
状況がわかりません
記事には「同署によると、同日午後4時ごろ、高岡市立野の国道8号交差点に青信号で進入した乗用車2台に、赤信号で止まっていたパトカーが停車を命じ信号無視をしたとして交通切符を交付していた。」とあるのですが、理解力のない私の頭では意味がわかりません。
取締りがあったのがこの交差点かどうかはわかりませんが、富山県高岡市立野の国道8号交差点ってのはこんな感じのようです。
まあ、普通のタイプの交差点ですよね。
で、乗用車2台は青信号で進入したのに、赤信号で止まっていたパトカーが信号無視で検挙ってどういう事でしょうか?
パトカーが交差車線にいて、赤信号で待っていたなら、国道8号の信号は基本的には青です。
で、2~3秒の黄色の後で赤になり、約2秒間「どの信号も赤の状態」になります。
この時点で乗用車2台が交差点に進入したなら確かに信号無視です。
でも、実際には信号は青だったワケですから、検挙した巡査部長は、国道8号の信号が黄色になったところも見ていないハズです。
なのに「赤信号だと勘違いした」こんな事が本当に起こるのでしょうか?
「色を見間違えた」は通じない
平然と冤罪で検挙しておきながら、この巡査部長は
男性運転手が信号は青だったと主張したが、パトカーに乗っていた巡査部長(30)は取り合わず交通違反として処理した
というように、警察が大好きな「容疑者(だと警察が決め付けた相手)には毅然とした態度で対応」しています。
そして、運転手がドライブレコーダーの映像を署に持ち込んで冤罪を仕掛けた事が判明しても
巡査部長は聞き取り調査に「赤信号だと錯覚した」
などと言っています。
しかし、これはあり得ません。この巡査部長は青だとわかっていて検挙した可能性が非常に高いです。
何故だと思うでしょうか?御用新聞の代表格である産経新聞の記事を読んだだけだと
信号は青色だったのに赤色だと「色を」勘違いした
と何となく思ってしまう人が多いと思いますが、それはあり得ないのです。
何故なら、信号機には3つの色があってそれぞれ光る場所が異なるのですから!
ストリートビューで見る限りでは、この国道8号付近の信号機は縦型が多いようです。富山県は豪雪地帯なので、縦型の方が好まれるのでしょう。
で、信号機の色の配置は決まっています。縦型ならこうです。
一番目立たなければならない赤を上にしたのでしょうね。
この色の順番は、よく運転する人なら感覚的に覚えているものですし、信号無視の取締りをする警察官がこれを知らなかったハズがありません。
部下の巡査はともかく、巡査部長であるこの冤罪作成犯は、より強い権限を認められた司法警察員なのですから、法令や交通規則を知らなかったでは済まされません。
ちなみに、横型の信号機の場合は右が赤です。見慣れていますよね。
巡査部長の主張が正しいとすれば、この巡査部長(何故匿名なのでしょう?)は信号機の色の配置も覚えていない上に青色を見て赤色だと誤認してしまうような視覚の持ち主ということになります。
そんな人間が司法警察員たる巡査部長で、我々の血税を吸い取るタックスイーターでありながら、さらに冤罪作成をしてまで交通違反の取締りをしてさらにカネを寄こせと言ってくるのですから、本当に救いがありませんね。そんな人間なら懲戒免職にするしかありません。
しかし、私はこの巡査部長が誤認したとは思いません。色と場所を同時に勘違いする人間などまずいないからです。
気になるのはこの部分です。
うち1人の男性運転手が信号は青だったと主張したが
2人の運転手を冤罪で捕まえたのですが、否認したのは1人だけでした。もう1人の運転手は何故否認しなかったのでしょうか?
おそらく、警官が居丈高な態度で全く取り合わないので、内心納得いかないと考えつつも切符に署名してしまったのではないでしょうか?
年間600万件以上の交通違反の取締りのうち、何割くらいがこのような思いをしながら、本来ならば違反ではない行為、あるいは可罰的違法性があるとは思えない行為で検挙され、納得いかないまま反則金を納めているのでしょうか?
私が怖いのは違反していないのに違反したと認めてしまう人の存在です。だからいつも警察や政府のやりたい放題になります。
疑うことなど許されない。カル○組織だから
パトカーには2名の警察官が乗車していました。部下の巡査は
同乗していた巡査(29)は「巡査部長が赤だと言ったので疑わなかった」と話している
そうです。てか、お前は見てもいないのに同調したんかよ?
残念ながらこれが現実です。
もし、否認した運転手がドラレコを搭載しておらず、冤罪を晴らす証拠を持っていなかったら、この事件も普通に切符処理され、否認しても警察の捜査報告書には「2名の警官が確実に現認した」と書かれ、刑事処分は不起訴(起訴猶予)になっても、反則点は付加されたままになっていたでしょう。
交通違反の取締りって、同僚や上司の証言を「信じるか信じないか」の問題ではありませんよね?
「違反の事実があるのかないのか」が大切なのに、見てもいないのに上司の言う事を信じてしまう、もしくは信じていなくても疑う事など許されない。だから私はカル○警察国家だと言うのです。
自分より上の階級の物が黒いカラスを見て白いカラスと言えば自分も白いといわなければならないです。
これが警察の実態です。ニホンはブラック組織ばかりですから、民間でもそういう面は多々あるかもしれませんが、こういう論理で無実の国民を犯罪者に仕立て上げるシステムが出来てしまっているのですから、これでもまだ警察に正義があるなんて考えてしまう人を馬鹿だと私は考えてしまうのです。
処分はどうした?
この事件では警察官は現場では自分が正しいと主張して切符を交付しています。完全な冤罪なのに。
前述したように、この警察官が信号機の色の配置も赤色と青色の判別も付かない人間なら、公務員としての職務遂行は不可能ですから即刻クビにするしかありません。税金で食わせてやってるんですよ?
私の推測通り、青だとわかっていて検挙したなら、少なくとも刑法156条の虚偽公文書作成罪が成立するとしか思えません。
第156条
公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、前2条の例による。
罰則は以下の通りです。
- 詔書:無期又は3年以上の懲役
- 有印公文書:1年以上10年以下の懲役
- 無印公文書:3年以下の懲役又は20万円以下の罰金
切符に押される警察官のハンコで有印になるのか無印なのかわかりませんが、どちらも懲役刑が用意されている重犯罪ですよね?
で、こんな警官を巡査部長として使役していた富山県警高岡署がどうしたかと言いますと…
同署の渡辺正信副署長は「2人に大変なご迷惑をお掛けした。今後このようなことがないよう確実に現認を行い適正な取り締まりに努める」とのコメントを出した。
言うべきセリフはそうではないでしょう?
この著しく無能(信号機の色の配置も色そのものもわからない)もしくは犯罪者(虚偽公文書偽造)に対して、どういう処分を下すのかを答えなさい!
警察に自浄作用なんてありません。期待する方が馬鹿ですね…
ドラレコを搭載しよう
今回冤罪を仕掛けられた不運な運転手ですが、ドラレコを搭載していたお陰で身の潔白を晴らす事が出来ました。
交通違反の取締りに対する対抗策としても、本当に事故に遭ってしまった時の過失割合の確定の為にも、愛車には必ずドライブレコーダーを搭載する事を強くお勧めします。
ちなみに、私が今使用しているドライブレコーダーはXiaomiのYI Dashcamという中華ドラレコです。安いのによく働いてくれています。
皆さんも、何でも良いのでまずはドラレコを搭載しておきましょうね!
誤検挙された御本人の体験談!
追記になりますが、この警察の不祥事を掲載していたところ、まさにこの冤罪事件で誤検挙されたtanosukeさんから体験談を寄稿していただきました!
警察の不祥事の記事は散々書いてきましたが、不祥事の被害者御本人とコンタクトが取れたのは私としても初めての体験です。
報道には表れていない詳細な様子がわかりますので、是非合わせてお読み下さい。
コメント
普通にシートベルトをして安全運転しているドライバーを止めて、
「自分(警官)の姿を見て慌ててシートベルトをはめるところを確認した!」
と、空いた口が塞がらないレベルのウソを体験した身として、今回の件は完全に意図的な捏造だと思います。
【信号の色もわからない】というのはアホですし、【ドラレコの装着状況も確認せずに捏造をしようとした】というのもアホですね。
どちらにしてもこの警官は無能の極み確定ですね!
こちらのうっかりミスは『違反は違反』なんでしょうから、あちらのうっかりミスも『公文書偽造は偽造』のはずですが、自分達のミスはうっかりミスで済ます組織体質をみても、まだ警察万歳の人間が多い事が信じられませんね。