まあ、当たり前と言えば当たり前なのですが、「事故が減らないように注意して取締りを続けた」結果、ABSや衝突安全ボディの進化以上のペースで死亡事故が増えてしまったようです。
読売新聞の記事
読売新聞 1月4日(月)11時52分配信
昨年の交通事故死、4117人…15年ぶり増加昨年の交通事故による死者が全国で4117人となり、前年を4人上回ったことが4日、警察庁のまとめでわかった。
死者数が増加したのは2000年以来、15年ぶり。65歳以上の高齢者が占める割合は統計がある1967年以降では最高。新年に入ってからも、高齢者が犠牲となる事故が相次ぎ、同庁は高齢者向けの交通安全教育や悪質運転の取り締まりを徹底する。
年間の死者数は、9073人だった2000年以降、一貫して減少。09年に5000人を下回り、14年は4113人まで減っていた。政府は年間目標を「3000人以下」としていたが、昨年は一転して増加した。
中でも高齢者の死者は前年より54人増えて2247人となり、死者総数の54・6%を占めた。警察庁は、高齢者の人口が増えたことが死者数増加の一因とみている。
悪質運転の取り締まりを徹底?
何も考えずに読んでしまうと、そんなものかと思ってしまうのが、マスゴミによる世論誘導の恐ろしい所ですが、そもそも、死亡事故原因の上位は交通三悪と呼ばれる「飲酒・無免許・速度超過」なんかではありません。
事故原因はスピード違反みたいな交通違反ではなかった[知ってた]
- 安全運転義務(漫然運転)
- 安全運転義務(脇見運転)
- その他の違反(何それ?)
- 安全運転義務(安全不確認)
- 安全運転義務(運転操作不適)
おまけに、現在(というか大昔から)警察の取締りには交通事故の抑止効果はありません。
交通事故統計2013を読み解く①[取締りは事故を防止しない]
警察の取締りに交通事故抑止効果がないのは、交付金の財源となる反則金目当ての青切符ばかり取り締まっていて、かつ、事故が減ると交付金が減るので事故とは無関係な違反ばかりを取り締まっているからです。
交通違反には反則行為・非反則行為の2種類があるのは皆さん御存知の通りです。
- 反則行為:軽微な反則点数6点未満の違反・通称「青切符」を切られる・反則金を払うとそのカネは警察に還流される
- 非反則行為:重大な反則点数6点以上の違反・通称「赤切符」を切られる・罰金刑が通常で罰金は警察に還流されない
平成25年(2013年)の時点で、反則適用率(取締り全体の中で青切符を切っている率)は驚きの95.2%です。
常識的に考えれば、悪質運転とは大幅な速度超過や飲酒運転などの赤切符の違反だと思われますが、取締り100件のうちの5件未満しかこういう違反は取り締まっていないのです。
そんな警察が「悪質運転の取締りを徹底」とか言ってるのですが、2016年は積極的に赤切符を切って、反則適用率が大幅減になるとでも言うのでしょうか?
きっとそんな事はないと思うんですよね。赤切符をいくら切っても区検の副検事や検察事務官が忙しくなるだけで警察には1円も戻って来ないのですから。
高齢者向けの交通安全教育?
免許更新の講習を一度でも受けた事がある人なら、あんな無意味な講習に交通安全効果などまるでない事はわかると思います。
そもそも、事故防止など一切して来なかった警察に、交通安全教育なんてものが出来るわけがないでしょう?
実は、交通事故数と死亡者数にすら明確な相関関係はありません。
要するに警察には交通事故数も交通事故死亡者数もコントロールする能力はないのですから、交通事故や交通事故死亡者数を減らしたいなら、システムを抜本的に変えない限りは無理です。
[実は簡単]交通事故を激減させる3つの施策[警察はやらない]
私からの施策提案は以下のものになります。
- 歩道と車道がガードレールや縁石で分離されていない生活道路については概ね今まで通りの過失割合。
- 歩道と車道が明確に分離されている幹線道路については、車道上での事故については歩行者側の責任を大とする。
とか
道交法以外の部分も含みますが、官僚がちゃんと動けば事故はもっと減らせるという意味での施策提言です。
- 交通安全対策特別交付金の廃止
- 交通反則通告制度の大幅改正(事故を起こしたら免停or取消、無事故でも免停に出来るのは現行の赤切符の違反のみ)
- 交通違反や事故が原因の罰金は全て「交通事故被害者」への寄付に充当
- 高速道・幹線道路などの速度制限緩和
- 事故が少ない場所の「一時停止」を「徐行」に変更
- 交通量が少ない片側一車線道路における信号機の撤廃
- 原付一種の速度規制緩和
- 免許更新時に反射能力テストの新設
- AT限定免許の廃止(笑)
- 人身事故は被害額と過失割合に応じた罰金
- 物損事故は被害額と引き起こした渋滞量に応じた罰金
- 自賠責保険を対物・対人無制限にして任意保険は廃止
- などなど(いくらでも思い付きますね…)
個別の施策については慎重な検討が必要でしょうし、このサイト読者の方の中からも反対意見はあるでしょう(特に9.とかw)
そういうのは皆で議論して決めればいいと思うのですが、4.~7.あたりは「全体の8割の人間が危険と思うラインからを違反とするマジョリティ・ルールによって決める」という決め方さえしておけば問題はありません。欧米ではこのマジョリティ・ルールが浸透しているので、幹線道路の速度制限は概ね50mph=80km/hくらい。原付一種にあたるスクーターの速度制限は50km/hくらいになっている国がほとんどです。
こんな感じの抜本的な改革がない限りは、今後も交通事故数も死亡者数も運任せで上下し続けるでしょう。
警察の目論見
交通事故死亡者数が増加に転じた事は、本来ならば警察の不祥事ですが、警察にとってはむしろ喜ばしい事実でしょう。「そんなバカな!死者が増えて喜ぶワケがない!」などと、普通の人間らしい感覚で考えてはなりません。相手はヤク○・○力団の中でも特にタチが悪い部類の組織なんですよね?
「高齢者の交通安全教育の徹底」とか言ってるのですから、こういう警察の天下り先の財団法人への予算配分を増やして、無意味な講習を乱発する可能性が高いです。
役員報酬に1300万円とか、給料手当に4390万円というのも十分気になりますが、旅費交通費が1190万円というのが気になりますよね?
彼らの給料をとっても安めに見積もって、役員2名(一人650万円)職員10名(一人439万円)と仮定しても、この組織の構成人数は12名くらい、実際はもっと少ないかもしれません。
で、約12名で旅費交通費が1190万円だとすると、一人頭100万円近くも使っているのですが、グリーン車やファーストクラスで移動して、三ツ星クラスのホテルにも泊まらないとこんな額にはならないとは思いませんか?
警察が言う「交通安全教育の徹底」というのは、「こういう無駄どころか有害ですらあり得る組織にもっとカネを流すけどいいよね?」と言っているのと同じ事なのです。
まとめ
書いているだけでも腹が立ってきますね。人の死すら利用して警察や天下り組織にカネを流す事しか考えていないのですから。
とりあえずまとめておきます。
- 警察が無能なので交通事故死亡者数が増加した
- これを奇貨として交付金を増やすとか言い出しそう
- これを奇貨として天下り先への予算配分も増やしそう
本当に嫌になってしまいますが、「諦めたらそこで試合終了」ですから、2016年も無理をしない範囲でボチボチと頑張って参りましょう。
コメント
神奈川県公安委員会の議事録に、昨年の交通事故死者数『全国ワースト4位』
とあったので、調べてみたら、
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001142617
から見ることができました。
第1位 やっぱり?の愛知、第2位 大阪、第3位 千葉、第4位 神奈川、
第5位 埼玉&北海道、第7位 兵庫、第8位 東京、第9位 静岡、第10位 福岡
検察がキチ○イ?の四国を除いて、ワースト上位は
このブログの相談者が多い都道府県かなと思いました。
相変わらず神奈川県は上位をキープしているので、
事故防止効果の薄い悪質な取締りが、今年も横行するのだと思いました。
今もしょっちゅう、パトカーやバイクの警官を見かけます。
なので、最近は警官の観察をちょっぴり楽しんでます!
統計を取った事がありませんし、検挙地が書かれていない御相談も多いので印象でしかありませんが、神奈川と兵庫は多い気がしますね。一方で愛知や千葉の方はそれほど多くない印象があります。
これは予想でしかありませんが、愛知は東名道でのオービス&覆面追尾、千葉はアクアラインを含む南部での検挙がドル箱で、高速で速度超過で検挙された人というのは、「本当は赤切符レベルの違反をしていたけど、測定値が青切符の範囲内だったのでホッとして反則金を払った」みたいな人が多いのではないでしょうか?
事故防止は警察の目的にはありませんが、大義名分にはなりますから、神奈川県警あたりは「悪質な交通違反者を許すな!」とかプロパガンダ番組で平然と嘯きそうですよね…
検察や裁判所が一番狂っているのは高知あたりかもしれませんが、小田原厚木道路や横浜新道あたりを流している神奈川県警交通機動隊の異常っぷりは、残念ながら全国有数のものだと思います…