64歳のタクシードライバーが運転するプリウスが病院に突っ込んで2名が死亡したという事故ですが、運転していた本人は「ブレーキを踏んだが効かなかった」と証言し、マスゴミは例によって「高齢者だからアクセルとブレーキを踏み間違えたに違いない」という印象操作を目的とした報道を繰り返しています。
クルマがあれだけ大破してしまったら真相解明は不可能かもしれませんが、いくつかの可能性について検討しておきましょう。
病院にタクシー突っ込む 複数のけが人 2人死亡か 福岡
3日午後5時すぎ、福岡市博多区大博町にある総合病院「原三信病院」で、タクシーが1階のガラスを破って突っ込みました。
タクシーは窓際のラウンジを進んだあと、室内の壁にぶつかって止まりましたが、警察によりますと、この事故で男女3人が意識不明の重体で、ほかに7人がけがをしているということです。
また、原三信病院によりますと、病院には2人が死亡したという連絡が入っているということです。
タクシーには乗客はいなかったということです。
警察は、タクシー運転手の松岡龍生容疑者(64)を過失運転傷害の疑いでその場で逮捕しました。
警察によりますと、調べに対し「ブレーキを踏んでも止まらなかったので、ギアを変えてエンジンブレーキをかけようとしたが、減速しなかった」と供述しているということです。
警察は、当時の詳しい状況を調べるとともに、事故に巻き込まれた人の容体や身元の確認を急いでいます。
目撃した人は
事故があった病院のすぐ近くにいたという78歳の女性は、「タクシーがいきなりスピードを上げて、病院の建物にそのまま突っ込んでいった。病院の中には子どもを含め、見舞いに来ていた人が6、7人いた。車は助手席側が建物の柱にぶつかって停止し、運転していた男は警察官とともに車の外にいて、青白い顔をしていたが、取り乱した様子はなかった。病院の人が車にひかれたと見られる女性を担架に乗せ、酸素マスクを使って手当てしていた」と話していました。
可能性①:アクセルとブレーキの踏み間違い
確かに今回の事故に関しては、アクセルとブレーキを踏み間違えた可能性が高いでしょう。目撃者の「タクシーがいきなりスピードを上げて」という部分は、その可能性を示唆しています。
しかし、何故アクセルとブレーキを踏み間違えるのでしょうか?
最近は自動運転への誘導がしたいのか、高齢者の事故ばかりがクローズアップされていますが、64歳とはいえ現役のタクシードライバーですし、最近の64歳はそこまで歳でもないです。
プロだからミスをしないとは言いませんが、AT車では左足ブレーキを使う人も多いでしょうし、耄碌した80代のジジイがボーッとしながら乗っているのとは違います。
長い経験があるからこそ、そう簡単には踏み間違えないですし、エンブレを効かせようとする機転が効くくらいなら、反射的にアクセルから足を離してもおかしくありません。
また、プリウスのペダルの位置関係を見る限りでは、そう簡単に踏み間違えるとは思えないんですよね…
ハイブリッド車は踏み間違えに気付きにくい
踏み間違えたという前提に立った場合、車種がプリウスだったことは要因の一つかもしれません。
ハイブリッド車を運転した事がある人ならわかる事ですが、初動がモーター駆動になるので、アクセルを踏み込んでも振動がまるで起きず、ようやくエンジンが始動しても静粛性が高められているので「アクセルを踏んだ感覚」が身体に伝わってきません。
これがハイブリッド車やEV車の運転が非常につまらないものになってしまう要因の一つでもありますが、ブレーキとアクセルを踏み間違えた際にもこの「静粛性の高さ」がアダになります。
- エンジン車:アクセルを踏む→振動が伝わってきてエンジン音も唸る
- ハイブリッド車:アクセルを踏んでもブレーキを踏んでも加速感以外には違いがない
ハイブリッド車外部に対しても音がしないので危ないというので、音を出すことが義務化されるようですが、踏んだ感覚が体感的に大きく異なるような工夫が出来ないなら、ハイブリッド車やEV車なんて作らない方が良いでしょう。
エコ?だったら自家用車なんか乗らずに自転車とバスと電車で移動しろって思います。
可能性②:制御コンピューターの誤作動or遠隔操作
可能性は低いと言わざるを得ませんが、最近のバイワイヤによる車両制御システムでは、ECUとかナンタラモジュールと呼ばれるような制御系が故障するとそれだけで致命傷になります。
上の図のように、プリウスのブレーキシステムでは、油圧ブレーキを制御する加減弁も遮断弁も制御コンピューターが制御しています。
以前アメリカでトヨタ車の急加速問題が訴訟沙汰にまでなった際には、火星の空をフォトショップで赤く変えるような不正を日常的に行っているNASAとかまで絡んで器械的な不具合はあったものの、電子制御装置に欠陥はなく、急発進事故のほとんどが運転手のミスとして発表されたりしていますが、欠陥がなくても故障やハッキングがありうるという点については華麗にスルーされました。
既にBMWなんかは、遠隔操作で自動駐車なんてのを実用化しています。
車のECUなどにちゃんとしたファイアウォールなんて搭載されていませんから、技術力のあるクラッカーなら余裕で侵入出来そうですし、工場がグルなら点検時に仕込む事も余裕でしょう。
で、この「制御コンピューター」ってのは、アクセルも同時にコントロールしているのですから、ブレーキとアクセルのどちらを踏んでもアクセルと認識させるなんてことも技術的には余裕で可能なハズです。
既にいくつかのメーカーはITS(Intelligent Transportation Systems)と呼ばれるシステムと連携して、クルマと車外センサーで双方向通信を行っている時代なのですから、「可能性としては」遠隔操作の可能性も決してゼロではありません。
https://www.marklines.com/ja/report/rep1487_201604より
まとめ
繰り返しになりますが、今回の事故に関しては、踏み間違いの可能性が高いと私でも思います。
しかし、だからと言って「制御系の不具合や遠隔操作などの疑いが払拭されたワケではない」という事は頭の片隅に残しておいた方が良いのではないでしょうか?
- 64歳とはいえ、プロのドライバーがノーブレーキで突っ込むだろうか?
- プリウスのアクセルとブレーキは充分離れており、踏み間違いはそう簡単に起きない
- 全てが電子制御の時代では、クラッキングされたら遠隔操作も余裕で出来る
私は趣味でラジコンもやっているので、電子制御の恐ろしさがよくわかります。
ステアリングとスロットルの接続を間違えると、スロットルレバーでステアリングが動き、ステアリングレバーでスロットルが動くラジコンに一瞬で変わります。
ブレーキを踏んでもそれが「アクセル開度」としてコンピューターに入力されたら、踏めば踏むほど速度が上がる恐怖の車に一瞬で変わってしまうのです。
高度な技術で作られているからそんなことは起きないですって?それではオービスメーカー社員の発言と変わらないでしょw