息を吐くように嘘をつく警察が「自転車も車両だから車道を走れ」というキャンペーンを始めて以来、明らかに車道を走る自転車が増えました。
マスゴミが協力して非常に珍しい「自転車対歩行者の死亡事故」を大きく取り上げ、積極的に自転車を車道に送り出していますが、生活道路は別として、交通量の多い幹線道路において、自転車で車道を走る行為は自殺行為でしかありません。
どう見ても警察の天下り先でしかない公益財団法人 交通事故総合分析センターが発表している交通事故統計年報(平成26年度版)を使って、自転車で車道を走る行為が如何に危険であるかを確認してみたいと思います。
それにしても、無料版のPDFファイルだと平成26年版が最新で、有料版のExcelファイルですら平成27年版が最新とか、どれだけ仕事が遅いのでしょうね。1~12月での統計なのですから、まともな会社員にやらせたら遅くとも3月頃には前年版が出せるハズですが…
歩行者の死亡事故は年間2件
マスゴミと警察が必死で宣伝していた「暴走する自転車のせいで歩行者が死亡する事故が起きている」という件ですが、実際に調べてみると非常に低い確率でしか起こっていないことがわかります。
歩行者側が第2当事者(過失が少ない方=被害者)である死亡事故は、1年間で1,318件発生していますが、そのうち自転車が第1当事者(過失が大きい方=加害者)であるものは2件しか発生していません。
人の生命の話ですから、少ないという表現はしたくありませんが、1,318件中の2件なのですから、歩行者を死亡させてしまった事故のうち、自転車の構成率は0.15%です。
全事故を見ても自転車が原因なのは4.6%
死亡事故に絞らずに、全事故件数で見るとどうでしょうか?
歩行者側が被害者となっている全事故件数が54,820件。
そのうち、自転車が加害者となっているものが2,527件です。
歩行者側が被害者となっている全事故件数のうち、自転車の構成率は4.6%です。
そんなに多いでしょうか?歩行者を危険に晒しているのは本当に自転車なのでしょうか?
もちろん違います。しかも、2,527件の自転車対歩行者の事故のうち、死亡事故は2件なのですから、「自転車にぶつかられた時に歩行者が死亡する確率」は0.079%です。
しかも、実際に歩行者が死亡したような事故というのは、車道を高速で走ってきた自転車が横断歩道を渡ろうとしていた歩行者と衝突したというようなケースですよね?
ならば、自転車に車道を走らせれば走らせるほど、歩行者の被害が重大化するのが必然です。
さて、車道を走る自転車が原付以上の二輪車や自動車にハネられてしまう件数はどのくらいあると思いますか?
自転車乗りが被害者の死亡事故は332件(343件)
自転車が自動車等と事故を起こすのは、横断歩道上を除けば車道上が圧倒的に多いでしょう。バイクや自動車が歩道を暴走する事故など滅多に起こらないからです。
上記は自転車側が第2当事者(=被害者)として死亡した事故件数の前半です。
- 乗用車相手が149件
- 貨物車相手が167件
- 何故か別扱いのトレーラー相手が11件
です。続いて後半部も見てみましょう。
- 自動二輪(原付2種以上のバイク)相手が7件
- 原付相手が2件
- 農耕車などの特殊車両相手が2件
- 列車が1件(なんで自転車が被害者なのかわかりませんが…)
- 自転車同士が2件
- 不明が2件(ひき逃げでしょうか?)
となっています。
全死亡事故件数が332件となっていますが、何故かトレーラーの11件だけカウントされていません。どうしてトレーラーだけ数えないのか誰か教えて下さい!
それはともかくとして、この332件(343件?)のほとんど全てが自転車が車道上にいる時に発生した事故である事は明らかですね。列車と自転車同士の3件を除けば、相手が自動車やバイクなのですから、自転車で車道を走る行為が如何に危険な行為であるかがわかるでしょう。
死亡事故件数だけをまとめてみますと、
- 歩行者対自転車による死亡事故:2件
- 自転車対自動車(原付以上)の死亡事故:327件(338件)
どちらの事故を先に減らすべきでしょうか?私なら160倍も発生件数が多い方に先に手を打ちます。
全事故で見ても自転車は危険
では、死亡事故に限らない全事故件数ではどうでしょうか?
件数が一気に跳ね上がりますね。一気にまとめてみましょう。
- 自転車対乗用車:68,059件
- 自転車対貨物車:15,193件(+対トレーラー158件)
- 自転車対軽二輪:1,683件
- 自転車対原付1種:3,181件
- 自転車対特殊車両:44件
- 自転車対自転車:2,866件
- 自転車対歩行者:38件(歩行者が過失大)
- 不明:3,233件(警察は仕事をしろ)
- 合計:94,298件(+対トレーラー158件)
不明の3,233件を計算に入れると正確なデータになりませんから、分母である合計の94,298件+158件(だからなんでトレーラーは別なの?)から3,233件を引くと、91,223件という数字が出てきます。
この全事故のうち、相手が原付1種以上である件数の合計が88,318件(トレーラー含む)ですから、自転車の全事故のうち、「相手が原付以上の車両である=自転車が車道上を走っていた可能性が非常に高い」というものの構成率は、96.8%にも上ります。まあ、当たり前ですけど。
横断歩道上や歩道上での事故を引き算する必要はありますが、自転車と原付以上の死亡事故件数338件を原付以上との全事故件数88,318件で割ると、自転車が原付以上の車両と衝突した場合の死亡率がわかります。
338/88,318*100(%にするため)=0.383%(有効数字3桁とする)
もう一度、先ほどの数値を思い出してみましょう。
- 歩行者が自転車にハネられた時に死亡する確率:0.079%
- 自転車が原付以上の車両にハネられた時に死亡する確率:0.383%
その死亡率の差は約4.85倍にも上ります。
当たり前の結論ですが、危険なのは歩道を走る自転車ではなく、車道を走る自転車の方なのです。
取締りではなくルールを変えるべき
警察が欲しいのはカネであって人命ではありません。
何しろ、交通反則通告制度という前世紀の遺物のような極悪システムによって、交通事故が多い都道府県ほど沢山交付金がもらえるシステムになっているのですから、警察の立場に立って考えてみればわかる通り、交通事故が激減されては困るのです。
若年層の貧困化によって若者は車に乗れなくなり、ABSの進化やタイヤの高性能化によって事故は減少傾向です。
これでは交付金が減ってしまって天下り先の確保に困ると考えた警察庁は、自転車対歩行者の重傷・死亡事故という稀な事例を殊更に煽り、マスゴミがこれに協力して譲り合いの精神など微塵もない歩行者にインタビューして「歩道を走る自転車のせいで怖い思いをしました!」などと答えさせ、全国ネットでこれを放送して無知蒙昧なB層を洗脳しました。
で、実際には危険がいっぱいで歩行者の160倍もの人間が死んでしまう「車道」に自転車を追いやることに決めたのです。
統計が2年遅れですのでまだデータには現れてきませんが、間違いなく自転車対自動車の事故が増え、自転車の死亡者も増えていくでしょう。
次に待っているのは「自転車にも保険を!」という保険業界による収奪キャンペーンや、警察による「自転車の交通違反も取り締まる!」とか「自転車事故を減らす為に自動車の交通違反を積極的に取り締まる!」という新しい集金キャンペーンでしょう。
もちろん、そんなことをしても自転車の事故は減りません。
実勢速度が80km/h前後になるような幹線道路を原付1種より遅い自転車が走っていたら、相対速度差から事故の危険性が増すのは当たり前のことなのです。
30km/h制限の原付1種の規制もどうかしていますが、まだ2輪車であればヘルメットの着用義務が課されており、それこそ無知蒙昧なB層でない限りは、最低でもJIS規格、より安全を求める人はSG規格やSNELL規格のしっかりとしたヘルメットを被って走行しています。
私も最近原付2種を購入しましたが、SG規格のヘルメットに加えて、肩・肘・胸・背中にプロテクターの入ったジャケットを例外なく着用して乗るようにしています。バイクの死亡事故の部位別原因の第1位は、実は頭部損傷ではなく胸部損傷ですから胸部プロテクターは外せません。
話が逸れましたが、実際に車道を走っている自転車を見るとどうでしょうか?
- ノーヘルのママチャリに乗った高齢者が時速5km/h位でノロノロ走っていたりしませんか?
- ミラーも無ければウィンカーもなく、後方確認もせずに車道に飛び出してきませんか?
- 自転車がいる為に円滑な交通の維持が阻害されている場面を見ない日がありますか?
- 自動車ならば逆走に当たる危険な右側通行をする自転車を毎日見かけませんか?
- 車両だからと車道を走っているのに、停止線は無視して交差点を縦横無尽に走っていませんか?
- 自動車やバイクと比べて信号無視をしている頻度が異常に高くありませんか?
- 本気仕様のロードバイクを乗っている人ですら、プロテクターを付けていることがありますか?
- 自転車用のヘルメットなんて、バイク用と比べたらゴミみたいな強度しかないと知っていますか?
別に自転車の存在そのものを否定しているのではありません。生活道路は自転車歩行者優先で構いませんし、主婦や子ども達の生活の足であることを否定するつもりもありません。
そうではなく、制限速度が50km/h以上の幹線道路等は一律自転車の車道通行を禁止すべきだと主張しているのです。
自転車乗りの皆さんにもそれなりの言い分があるとは思いますが、1トンを大きく超す車が60~80km/hで走行している危険な車道を、ヘルメットもプロテクターも付けていない自転車が10~20km/h程度で走行している状態は危険以外の何物でもありません。
幹線道路では自転車通行を禁止すべきです。自転車乗りにとっての環境改善を目指すのであれば、歩道の拡張とセットで歩道内の車道寄りに自転車専用レーンの設置を要望すべきであって、車道の端っこを青く塗ったところで、自動車やバイクと接触した時のダメージは1ミクロンも減りません。