スピード違反取締りのメーターは誤作動するという証拠

スピード違反の取締りで計測された速度に納得がいかなくて「そんな速度は出していない」と主張しても、基本的に警察は取り合いません。

  1. 機械が誤作動する事はない
  2. 現認係が誤認することはない
  3. 取締りを仕事としている警察官がウソをつくことはない

こんなロジックで、勝手に付加された反則点に納得がいかなくて行政訴訟を起こしても裁判所は警察を勝たせるのですが、上記の3つは全て間違っていますね。

今回は1.がウソであることがわかる不祥事のニュースを紹介します。

速度違反取り締まり、メーターは最大3・2キロ速く表示…19人が反則金多く納付
https://archive.is/5I7kM(魚拓)

 秋田県警は4日、高速隊十和田分駐隊のパトカー2台が2018年4月から20年4月にかけ、速度メーターの設定がずれたまま速度違反の取り締まりを行い、19人に反則金を多く納付させていたと発表した。メーターは実際より最大3・2キロ速く表示していたという。

発表によると、毎月の検査で整備業者にメーターの調整を依頼していなかったことが原因で、検査結果の確認や県警本部への報告も怠っていた

1人が35キロ以上40キロ未満、18人が30キロ以上35キロ未満の速度超過があったとしてそれぞれ摘発され、本来より7000~1万円多く反則金を納付していた。県警は19人に謝罪し、7月中に差額分の約14万円を返還する。違反点数は変わらなかったという

県警交通指導課によると、人事異動で着任した隊員が書類を確認していて気付いたという。同課の鈴木幸司課長は「マニュアルを整備するなど組織のチェック体制を強化する」とした。

このニュースのツッコミ所は以下の2点だと思います。

問題点①:パトカーのメーターってことは追尾計測?

北海道などではレーダー式速度測定器を搭載したパトカーもあって、対向車線の茂みとかに隠れて違反車両の速度を計測し、Uターンして追っ掛けてくるみたいなのもあるのですが、今回メーター誤差があることが判明したのは高速隊のパトカー2台です。

高速隊所属のパトカーが停車状態で違反車両の速度を測定する為のレーダーを搭載している可能性は非常に低いですね。そもそもレーダー式の測定器は、ネズミ捕り用のものであっても、道路に対して正しい角度で設置しないと正しく計測できない為、車載してもあまり有用性がないのです。

ということは、今回プラス誤差が判明したメーターというのは「パトカーのその時の速度を表示・ロック・印字するパトカー搭載のメーター」ということになります。取締り方法は当然追尾式計測に限られます。

いまだに追尾計測の実状を知らない方もいて驚かされるのですが、覆面を含むパトカー・白バイによる追尾計測による速度超過違反取締りでは、違反車両の速度など1ミクロンも測定されていません。

測定しているのは「パトカーが出していたその時の速度」だけです。

警察の言い分としては、違反車両に対して等速度・等間隔で追尾しながら計測したから「警察車両の速度=違反車両の速度」だなどと嘯いているのですが、速度をロックするタイミングは乗車している警察官の胸先三寸です。

違反車両を追い掛けるためには、当然違反車両以上の速度で走らなければ追い付かないのですが、その追い上げ中にロックボタンを押されたら、実際出していた速度以上の数値が計測されます。つまり、冤罪作り放題です。

今回はメーターの点検・調整すら怠っていたので、実測よりも高めの数値が表示されていたということですが、そもそもそのメーターが表示してるのは違反車両の速度じゃないだろ、というのが正しい認識です。

問題にするなら追尾計測による取締りの方です。

既にソースが消えてしまっていますが、白バイ隊員が被疑者を待たせてそこらへんをかっ飛ばして計測して切符処理したのがバレた不祥事がありましたし、このサイト読者の方でも明らかな冤罪を仕掛けられた方もいらっしゃいました。

[神奈川県警]ドラレコ映像によってmagumaguさんの冤罪が晴れるまで[スピード違反]

メーターの誤差があろうがなかろうが、警察はいつでも好きな時に好きな数字でロックした計測紙が印字できるのですが、こんなものを証拠として国民を道交法違反という特別刑法犯に仕立てあげられるシステム自体が狂っていますね。

問題点②:違法収集証拠は無罪では?

記事中には次のようにあります。

毎月の検査で整備業者にメーターの調整を依頼していなかったことが原因で、検査結果の確認や県警本部への報告も怠っていた

定められた手続きに従わず、検査結果の確認すらしていなかった訳ですよね?車検を通していない車を走らせてはいけないように、調整も確認を行っていないメーターで違反の証拠を収集したらダメじゃないですかね?

違法収集証拠排除法則というのがあるわけですし、追尾計測の場合は測定紙のみが速度超過違反の証拠なのですから、この証拠が排除されたら「何の証拠もない」ということになります。

なのに、反則金の差額を返しただけで反則点数は変更なしって、本当に警察は身内に甘くて国民に厳しいですよね。

何度でも言いますけど、追尾計測という取締り方法が異常ですからね。

だって、警察車両は絶対に違反車両以上の速度で走らないと追い付けないんですよ?速度超過が危険だから捕まえて免停や免取にしろというなら、パトカーの運転手の方も免許取り上げないとダメですよね?

赤色回してサイレン鳴らしているならまだしも、追尾計測中はヘッドライト間の小さな赤色を点滅させるだけなので、周囲の車への危険度は全く変わりません。

何はさておき、メーター機器などはちゃんと調整しないとプラス誤差も出るという証拠ですから、追尾計測に限らずにネズミ捕り等で検挙された際にも「ちゃんと検査・調整をしているのか?」「設置角度が説明書にある基準内に収まっているのかこの場で確認させろ」と主張するのはやってみる価値があるかもしれません。

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