警察が息を吐くように嘘をつくことはもはや常識ですが、最近はむしろ「話してる内容の半分以上がウソ」というのが悲しい現実のようです。
<福岡・パトカー衝突>警官「緊急走行中」は虚偽 県警訂正
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160714-00000087-mai-soci
福岡県宗像市の市道交差点で先月30日、県警宗像署のミニパトカーと乗用車が衝突した事故について、県警は14日、パトカーが「緊急走行中だった」とする当初の発表内容が誤りだったと訂正した。運転していた同署の男性巡査部長(38)が虚偽の説明をしていたという。現場の交差点はパトカー側に一時停止の義務があり、県警は道路交通法違反(一時不停止)などの容疑で調べる方針。
県警によると、巡査部長は当時、無灯火のバイクの追跡中で、事故直後は「(緊急走行に必要な)赤色灯とサイレンをつけていた」と説明した。だが、衝突した乗用車の男性(32)の話や周辺の防犯カメラの捜査から、赤色灯をつけていなかったことが判明した。
巡査部長は事故直前にバイクを一時見失った際に赤色灯を消していたといい、「緊急走行していないとは言い出せなかった」と話しているという。交差点の信号はパトカー側が赤の点滅中で、緊急走行していない場合は一時停止の義務がある。事故で男性は腰を打撲する軽傷を負った。
県警地域課の林礼二統括管理官は「事実と異なる広報となり、おわび申し上げる。再発防止に努めたい」とコメントした。
無灯火のバイクを「追跡中」だったのであれば、一瞬見失ったくらいで赤色灯を消すワケがありません。一時停止を無視して事故を起こすくらいの勢いで追跡していたワケでしょう?
嘘には必ず矛盾があるので、この供述も嘘である事が別の報道からバレます。
警察官「緊急走行中」はうそ 福岡・パトカー衝突事故
同じ事件に関する西日本新聞の報道なのですが、全国紙では出ていない情報が書かれています。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/258937
福岡県宗像市で6月、パトカーと出合い頭に衝突した乗用車の男性(32)が軽傷を負った事故で、同県警は14日、パトカーはサイレンを鳴らしながら緊急走行していたとする当時の説明は誤りだったと訂正した。運転していた宗像署の男性巡査部長(38)がうそをついていた。
県警によると、巡査部長は「サイレンを鳴らすボタンを押したつもりだった。事故を起こし、緊急走行していなかったと言い出せなかった」と説明しているという。
けがをした男性の話を受けて、付近の防犯カメラを調べた結果、緊急走行しておらず、巡査部長もうそと認めた。
上の毎日の記事では「事故直後は「(緊急走行に必要な)赤色灯とサイレンをつけていた」と説明」とされていて、赤色灯をつけていたかどうかについてのウソが書かれていますが、西日本新聞の記事では「パトカーはサイレンを鳴らしながら緊急走行していたとする当時の説明は誤りだった」なっていて赤色灯の話が消えています。
おまけに「サイレンを鳴らすボタンを押したつもりだった。」とする巡査部長の供述を載せているのですが、毎日の記事にはこの情報はありません。
さて、巡査部長の供述がどれも正しいとすると、事実関係は以下のようになります。
- ミニパトは無灯火のバイクを追跡していた
- バイクに逃げ切られて見失ったので赤色灯を消した
- まだバイクを発見していないのに、一時停止を無視する為にサイレンを鳴らしたつもりで交差点に進入
- 一般車両と事故を起こすも「赤色灯もサイレンもつけていた」と供述
- 防犯カメラ映像などからウソがバレた
おかしいですね。全然リアリティを感じません。
2.でバイクに逃げ切られたとして、視界から消えて見失ってしまい、赤色灯も消した時点で追跡は諦めたハズです。この巡査部長は一人で運転していたのですから、無灯火のバイクを捕り逃したところで誰にも責められないのですから、そうまでして追い掛ける必要がないのですから。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160714-00000099-asahi-soci
署は同日、巡査部長の説明をもとに、ミニパトカーは緊急走行中だったと発表。だが男性側が「赤色灯もサイレンもなかった」と述べたため、巡査部長を再聴取すると、通常走行だったことを認め、「言い出せなかった」と話したという。ミニパトカーには巡査部長が1人で乗っていた。
わざわざ赤色灯を消しておいて、交差点に進入する際には一時停止を無視する為にサイレンを鳴らそうとしたというのも不自然です。そんなに急いで追跡を続けたかったのであれば、最初から赤色もサイレンも止めずに追跡を続ければ良かったのですからね。
無灯火のバイクなどいなかったのでは?
前提が間違っていると、いくら論理を積み重ねても誤った結論しか出ないものです。
私が一番怪しいと思っているのは「そもそも無灯火のバイクを追跡中だったという前提がウソなのではないか?」という事です。
防犯カメラの映像などから赤色灯を点けていなかった事が判明したそうですが、防犯カメラに無灯火のバイクが映っていたという情報は出てきません。夜間に無灯火でバイクに乗る事自体が自殺行為なのに、おまけにミニパトの追跡から逃げ切ったバイクの方が犯罪性が遥かに高いハズです。周囲の防犯カメラ映像を確認するほどの捜査意欲があるなら、バイクの方を追跡捜査して捕まえれば良さそうなものですが、そういう話がまるで出てきません。
無灯火のバイクなんかいなくて、追跡中だったのもウソで、単に一時停止を景気良く無視して事故を起こしただけなんじゃないですか?
報道などから確認が取れる事実は「ミニパトが一時停止を無視して一般車両と事故を起こした」事だけで、周囲の防犯カメラ映像も公開されていませんから我々には確かめようがありません。
マイナンバー制度を見れば明らかなように、警察は相互監視の恐怖国家を作ろうとしています。今回の警察の不祥事にしても、わざわざ公表して報道させるからにはその意図があるハズで、それはおそらく次のようなものではないかと思われるのです。
- 警察には自浄作用があり、不正があればちゃんと対応するというデマ
- 防犯カメラが犯罪発覚の役に立ったのでもっと設置しても良いだろうと国民に思い込ませる洗脳
一般人は街で見掛けた可愛い子を写真に撮っただけでセクハラだの迷惑防止条例違反だのと騒がれる一方で、権力側は24時間稼働の監視カメラをあらゆる所に設置して我々の行動を監視しても問題視されないのです。おかしいとは思いませんか?
マイナンバーカードを作ろうとすると、顔写真を登録させられて顔認証システムに組み込まれます。これと防犯カメラのネットワークを繋げればかなりの精度で個人の行動把握が可能です。そんな窮屈な社会を望んでいる国民が本当にそんなに多いのでしょうか?
コメント
最近警察官の犯罪が増えてますね、ただ報道されるようになっただけかもしれないですけど。
奈良県警生駒署の署長が置引して、不起訴+実質減給無+退職金全額給付というミラクルを起こしてますね~、不起訴の理由が「被疑者が反省しているなど、犯行後の状況を考慮した。」とのこと、60歳にもなって置引ってwwよくこんな脳味噌で署長までなれたなと、感心致しました。公務員って素晴らしいですね。
この記事を「産経」で読んだんですが、産経って警察ヨイショしていましたよね、余程ネタがなかったのでしょうか?
マスゴミが警察の不祥事をたまに報道するのには訳があると思います。
一つは「警察官であっても不正をすればちゃんと検挙される」という幻想を与えるため
もう一つはもっと巨大な不正や不祥事に注目させないため(スピンコントロール」
作品名は忘れてしまいましたが、海堂尊の著作の中にも、省庁で大きな不祥事が発覚しそうになった時に、お互いがキープしている些末な不祥事の中からどれかを敢えてリークしてスピンする為の会議が開かれている様子が描かれていましたが、事実に近いのではないかと思います。上層部にとっては末端を切り捨てる事に何の良心の呵責も感じないでしょうし、むしろ切り捨てられる為に末端が存在していると考えるのが支配者層の考え方ですからね。