異次元緩和は失敗だった。 [知ってた]

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「経済学」って、それ自体が詐欺だと思うんですよね。いつも後付けの理論で過去の好景気や不景気(恐慌)を説明し、今度は未来の経済事情をもっともらしい理屈で予想して皆を煽っておきながら、それが失敗して真逆の結果が出ても誰も責任を取らないのですから、「最初からわかってて皆を騙そうとしている」という解釈が妥当です。

異次元緩和は失敗だった。

17年前の1998年、リフレ策を日本に最初に勧めたのはクルーグマンでした。当時の日本は、資産(不動産と株)バブルが崩壊した後の金融危機にありました。

インターネットで、気鋭のエコノミスト・クルーグマンの『流動性の罠』と題した論文を見つけ、メールマガジンで紹介したことを覚えています。日本は「日銀がマネー増発策をとることになる」という主旨の紹介でした。

当時翻訳はありませんでしたが、現在は、山形浩生氏が2001年に翻訳したものが公開されています。
※復活だぁっ!日本の不況と流動性トラップの逆襲[PDF]

残念なことに、日本の経済学は、米国の経済学者が書いたものの“翻訳”です。物理学、化学、生理学・医学、文学の分野では24人がノーベル賞を受賞していますが、経済学では1人も出ていません。

このクルーグマンの『流動性の罠』論を、内閣府参官房参与(2012年12月~現在)に就任した浜田宏一氏が安倍首相に分かりやすく説明して紹介したのです。安倍首相は、これを「円を増刷すれば経済は成長する」と理解しました。

簡単に言うと、「日銀が国債を大量に買ってマネーを増発すれば、それが需要の増加を生んで、デフレからは脱却でき、経済は成長に向かう」というものです。

多数派の支持を得て政権に就いた安倍首相は、この論を政策として採用し、量的緩和は効果がないとして消極的だった白川方明氏に変えて、浜田氏が推薦していた黒田東彦氏(総裁)と岩田規久男氏(副総裁)を日銀に送り込みました。

この黒田・岩田体制で始まったのが2013年4月からの「異次元緩和」です。「2年をめどに、マネータリー・ベースを2倍にし、消費者物価を2%上げる」というリフレ策でした。黒田総裁が、「2年、2倍、2%」と書いたフリップを持って、記者に馴染みのなかったマネタリー・ベース(ベース・マネーとも言う)について説明しました。

マネタリー・ベースは、現金紙幣と、銀行・証券・政府が日銀にもつ日銀当座預金の金額を言います。日銀が債券市場で国債を買ったとき代金を振り込む口座が、この日銀当座預金です。本稿ではマネタリー・ベースを増やすことをマネーの増発と言っています。

2015年11月4日時点では、現金紙幣が92.6兆円、当座預金が247.2兆円であり、マネタリー・ベースは339.8兆円にも増えています。買い上げた国債が317.7兆円で、貸付金が35.3兆円です。日銀はすでに、国債・地方債の総発行額(1022兆円:15年6月末)の31%も買い切っています。

異次元緩和開始前のマネタリー・ベースは、現金紙幣83.4兆円、当座預金58.1兆円で、141.5兆円でした。2年7ヶ月で198.3兆円のマネーが増発されています。マネタリー・ベースは2倍を超えて、2.4倍です。
※営業毎旬報告(平成27年10月31日現在) – 日本銀行

ところが、政府・日銀が異次元緩和の目標としていた消費者物価指数(CPI)は、価格変動が激しい食品と、原油下落の影響が大きいエネルギーを除くコアコアCPIですら、6月0.6%、7月0.6%、8月0.8%、9月0.9%の上昇に過ぎません。
※消費者物価指数 全国 平成27年(2015年)9月分(2015年10月30日公表) – 総務省統計局

岩田副総裁は、就任時の記者会見で、「2年で2%の物価上昇を果たせないときは責任をとって辞任する」とまではっきりと言い切っていましたが、2年経った2015年4月の記者会見でそのことを質問されると、「言葉が足りなかった」としどろもどろの言い訳をしています。この人物は、武士のような潔さとは無縁の人格です。

リフレ派の理論的支柱はクルーグマンだったと言えます。浜田氏や岩田氏の著作を読んでも、その内容は、クルーグマンが1998年に書いた『流動性の罠』で提唱されたマネー増発論の引き写しに過ぎないものでした。浜田氏は「これが国際標準の現代経済学です」とも言っていましたから、量的緩和の効果に関する是非は経済学論争でもあったのです。

中央銀行が紙幣の発行権を独占しているという根本的な詐欺を横に置くとしても(本当はそれこそが原因ですが)紙幣を刷るだけで景気が回復するなら誰も苦労しません。

とはいえ、今の詐欺的な金融経済においては、紙幣を刷り続けて束の間の好景気と「けいざいせいちょう(笑)」を演出するしかありませんので、成長した事にしたいならちょっとずつ紙幣を刷り続けるしかありません。

問題は「その新規紙幣の価値はどこから来るのか?」という事です。

その答えは「既に発行されている紙幣の価値を奪う事から」です。

簡単な例で言うと、1クラス40人位の1つの教室の中で、全員が1万クラス円(教室内だけで有効な通貨)を持っているとします。通貨供給量は40万クラス円ですね。

そこにさらに40万クラス円を発行(通貨供給)して、全員に1万クラス円ずつ配ったとします。これで全員2万クラス円ずつ持っている事になります。

さて、通貨供給量が40万クラス円の時に、1000クラス円で取引されていた「試験対策プリント」は、通貨供給量が80万クラス円になった時に、いくらで取引されるでしょうか?

当然、2000クラス円に値上がりする事になります。通貨供給量が増えた事によって、1クラス円の価値は半減したのですから。

とはいえ、毎月1万クラス円ずつもらえるなら、今持っている分は貯めておくよりも、使ってしまった方が得という事になります。持っているだけでは通貨供給量の増加に伴って価値が下がってしまうのですから、早く使って実物資産に変えておいた方が得ですし、サービスなどを受けるのも早い方が得です。これがインフレが上手く行っている時に好景気になる原因です。

今の中央銀行制度の問題は2つです。

  1. 中央銀行しか発行できない紙幣に「利子(公定歩合)」を付けて政府に貸していること
  2. 新規発行された紙幣が国民に等しく配られず、一部の大企業ばかりに配布されていること

紙幣を増刷すれば、それだけ国民が持っている紙幣の価値が下がるのですから、本来であれば全員に等しく配らなければなりません。しかし実際には、補助金・交付金・公共事業などの名の下に、特定業種だけを潤す形で配布されています。

それでも雇用が増えて賃金が上がるなら多少の経済効果もありますが、談合を悪者に仕立て上げた事によって入札で勝ち残れるのは経営体力のある大企業だけです。で、大企業は多数の下請けや非正規雇用を抱えていますので、賃金はほとんど上げないままに手抜き工事などを行い、利益の大半は株主と経営陣で折半してしまいます。

資産がある富裕層は毎年資産を増やしていますから、稼ぐ金額よりも使う金額の方が遥かに少ないです。これではいくら通貨供給量を増やしても、一部の資本家や富裕層の懐を潤すだけで、庶民の所に恩恵はありません。現に「自民党野田派」と呼ばれた野田政権から安倍政権が引き継がれている間に、サラリーマンの実質賃金は5%以上も下がっています。

物価の上昇に賃金の上昇が追い付いていないからこうなるのですが、利潤の最大化を正義とする資本主義社会においては、規制緩和を進めれば進めるほど、企業は利潤の最大化を目指す為に人件費を含めたコストをカットする方向で動きますので、実質賃金が物価上昇率を上回る日など、ごく短期間の調整期を除けば100年経ったって来ません。

さっさと中央銀行を国有化した上で、「通貨供給量を増やす時は国民一律に同額を配布する」というようなルールでも作らない限りは財政問題は解決しないでしょうね。

日銀しか日本銀行券を発行できないのに、それに利子を付けて政府に貸しているのですから、もし政府が全額を返済したら、国内からは紙幣が1枚もなくなった上で利子分だけが借金として残る事になります。(まあ、部分準備制度を利用したローンを使えば銀行も発行できますが、そちらは返済時に元金が「消滅」しますので、やはり国民全員がローンを完済したら千円札以上の紙幣は国内から姿を消した上で、利子分の借金だけが残ります)

経済に疎い私ですらわかる詐術なんですから、「経済学者(笑)」を名乗っている人がこの事を理解していないワケがありません。つまり、わかっていて騙す側に付いているという事です。

グルーグマンは元より、日銀総裁も総理大臣も誰も責任を取りません。辞任した所でそれまでもらった給与や歳費は返済しませんし、竹中平蔵みたいに、自らがパソナを持っていながら派遣会社が儲かるような施策を勧めた輩に至っては、派遣を増やして貧困化を進める事によって自分の利潤を増やしたのですから、Winner takes all.を地で行っていますよね。

公平な条件で勝負して勝ったなら、多少裕福な暮らしをしても構わないと思いますが、世の中は不公平なものですし、資本がなければ勝負すら出来ません。

財産ゼロから一代で財を築いた人は立派です。でも、親の資産や家系によって、庶民よりも遥かに前にあるスタートラインからスタートした者が勝っても、「そらそうだろ」という感想しか持てませんね。

なんてグダグタ言った所で、給料奴隷である私は明日からまた出勤しなければならないのですが、会社の為に健康を害すほど頑張るつもりなんて微塵もありません(笑)

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コメント

  1. アルファ より:

    お金(紙幣)は中央銀行のみが刷れ、お金が市中に出回るのは
    民間銀行が中央銀行に国債や社債を買い取ってもらいそのお金を元に国民に貸し出して信用創造する、又は、政府が国債を発行して(間接的にですが)中央銀行に買い取ってもらい公共工事等で国民に配る、
    の2つです。
    国民は民間銀行に対して差額の利子分、国(国民)は中央銀行に対して国債の利子分の借金を返し続けなければいけません。
    しかし、中央銀行を国有化すれば国の借金はその分お金を刷ればすぐ解決するし、市中に出回るお金が増えすぎれば増税すればいいのです。
    アベノミクスを支持する経済学者は勿論、一見国民よりと見られる野口悠紀雄氏や浜矩子氏のような経済学者も「日銀は通貨の番人」などと言っているのでこの国民が借金を返し続けるシステムに加担するあちら側の人だと見ています。

    • 取締り110番 より:

      本当にその通りです。
      探せばいなくもないのかもしれませんが、少なくともメディアに登場する「経済学者(笑)」の中には、中央銀行制度の詐欺システムについて言及する人がまるでいませんね。

      たしかロスチャイルド傘下の中央銀行がない国って、数年前まではアフガニスタン・イラク(フセイン大統領)・リビア(ガダフィ大佐)・シリア(現在内乱状態)・イラン(核問題が浮上)と北朝鮮あたりがそうでしたが、今はシリアとイランと北朝鮮くらいしかないのではないでしょうか。北朝鮮は極東の分割統治の為に必要な国なのでしばらくは潰さないでしょうが、シリアとイランは時間の問題ですかね…

  2. アルファ より:

    >今の中央銀行制度の問題は2つです。
    1.中央銀行しか発行できない紙幣に「利子(公定歩合)」を付けて政府に貸していること
    2.新規発行された紙幣が国民に等しく配られず、一部の大企業ばかりに配布されていること

    あと、民間銀行に信用創造権を与えているのも問題。
    国民が銀行預金から得る利子より銀行から借りたお金の利子の方が高いので、このシステムだと国民はずっと民間銀行に対して利子の差額分の借金を返し続けなければいけません。
    銀行は預金から日銀への準備預金分を引いたお金を信用創造によってたくさん貸し出せば儲かるようになってる、しかし、人から預かったお金を又貸ししてその額が大きい程儲かるといういうのは本当に詐欺的制度です。

    • アルファ より:

      お金(紙幣)は中央銀行のみが刷れ、お金が市中に出回るのは
      民間銀行が中央銀行に国債や社債を買い取ってもらいそのお金を元に国民に貸し出して信用創造する、又は、政府が国債を発行して(間接的にですが)中央銀行に買い取ってもらい公共工事等で国民に配る、
      の2つです。
      国民は民間銀行に対して差額の利子分、国(国民)は中央銀行に対して国債の利子分の借金を返し続けなければいけません。
      しかし、中央銀行を国有化すれば国の借金はその分お金を刷ればすぐ解決するし、市中に出回るお金が増えすぎれば増税すればいいのです。
      アベノミクスを支持する経済学者は勿論、一見国民よりと見られる野口悠紀雄氏や浜矩子氏のような経済学者も「日銀は通貨の番人」などと言っているのでこの国民が借金を返し続けるシステムに加担するあちら側の人だと見ています。

    • 取締り110番 より:

      ですよね。民間銀行が部分準備制度を利用して「元々は存在していなかったカネ」を作り出せるのも詐欺的ですよね。
      利子分を払うカネもまた、誰かが借金をしない限りは作り出せないのですから、金貸しというのは本当に罪深い人種ですね。

  3. GPIF より:

    経済学=それ自体詐欺・・・なるほど言い得てますねぇ(笑)
    たまたまボクも偶然にも今、経済学者の本を読んでるところなんですよ。
    と言っても30年以上も前にミルトンフリードマンという経済学者が書いた「選択の自由」という本ですけどね。。。まあ解説しだすと長くなるし、ボクの解釈も怪しいので割愛しますが、政府が嫌いなところが気に入ってます。
    ところで数年前に、安倍の太鼓持ちの黒田がバズーカを見境なく撃ってましたよね。
    おかげで、こっちはFXで、お小遣い稼ぎはできましたが。。あいつらはアホですな。
    今年はアホノミクスのおかげで年初来負けてますわ・・・今日はちょっと取り戻したけれど、、、悲ちいょ~
    てか、仕事します(笑)

    • 取締り110番 より:

      ミルトン・フリードマンですね。現在の新古典派経済学(新自由主義経済)の教祖みたいな方ですね。個人の利潤の最大化を目指すならフリードマン経済学は素晴らしいバイブルになると思いますし、事実今の世界の趨勢は新自由主義陣営が優位に立っていますよね。私もそちら側でボロ儲け出来ていたらこんなサイトはやっていなかったかもしれません(笑)

      ただまあ、トリクルダウンが起こらない事は今のアメリカやニホンを見れば明らかですし、フリードマン経済学の趣旨は、格差社会の容認、貧乏は自業自得、貧困層が大量生産されても弱肉強食だから仕方ないって感じですので、私としては早く陥落して欲しい経済学ですね。誰の差配だったかはわかりませんが、ニホンがまだ超累進課税制度時代だった1980年代までは、今ほどの格差はなくて、子作りをする事にそれほどの躊躇いは生じませんでしたからね。今じゃ子供までコスト扱いです。

      私には株やFXの才覚がないらしく、何度か手を出しましたが毎回負けるのでやめましたw

      今後の金融社会の展望もわからないので、「結局は実物資産だろ」という事で、子供達の為の貯蓄は全てゴールドの積立でやっています。それもある程度貯まったら現物にしておかないと、アメリカではNew Deal政策時に金保有禁止令を出して政府の言い値で庶民から金を強奪した過去もありましたからね~ たしかその時は違反者は「1万ドル(今の価値で16万ドルの罰金、または10年以下の禁固刑、またはその両方」なんて厳罰を用意してまで強引に金を集めてたかと思います。

      結局は、いくら備えたところで破綻する時は破綻するので、私もテキトーに遊びつつ、欲しい物も買いつつ、今日を楽しむことを半分、明日に備えることを半分くらいの気持ちでやっています。今日の帰りに官製テロに巻き込まれて死なないとも限りませんからね(笑)

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