<隠しカメラ>別府署暴走「報告したら設置認められない」

<隠しカメラ>別府署暴走「報告したら設置認められない」

http://archive.is/kmOkj(魚拓)

 大分県警別府署が野党を支援する団体の施設の敷地に隠しカメラを設置した問題は、県警が刑事官ら署員4人を建造物侵入違反容疑で書類送検するという異例の事態に発展した。違法性に途中で気づきながら本部に報告せず、選挙運動を監視し続けた同署の「暴走」も判明。「報告したら設置を認めてもらえない」「上司に逆らえない」--。状況に流されて法を踏み越えた警察の責任は重く、県民の強い批判を免れそうにない。【田畠広景】

「署の刑事2課長は内心、設置場所が私有地だと気づき、刑事官も私有地かもしれないと思っていた」。県警の江熊春彦首席監察官らは26日、記者団に硬い表情で説明した。

カメラを使った捜査について、県警に内規はないが、本部は参院選公示前の6月2日、「必要に応じて報告を本部に上げる」よう、各署の刑事課長・署長会議で指示していた。今回は報告が義務づけられるケースという。今後、カメラ捜査のガイドライン作りも検討するとしている。

書類送検された4人のうち「より責任が重い」と懲戒処分も受けた刑事官と刑事2課長が報告を怠った理由について、県警は「(違法である以上)本部に報告しても設置が認められないと分かっていたため」と説明した。

カメラによる捜査を発案した刑事官は、県警の調査に「ぎりぎりで許されると思った」と話したが、登記簿などで私有地かどうかの確認を怠った。刑事2課長は事前に敷地を見回ったが、「上司(刑事官)に逆らえなかった」と漏らした。4人全員が違法と気づいた6月19日以降も侵入を4回繰り返しており、ある県警幹部は「選挙捜査で功を焦ったのでは」と指摘した。

また県警は「4人にプライバシー侵害の認識は全くなかった」と釈明したが、記者団から「プライバシーについて県警はどう指導しているのか」と問われて、「憲法に書いてある。きちんと認識している」と補った。

一方、県警は実際に侵入してカメラを設置した刑事課員2人は、懲戒処分ではない本部長訓戒とした。刑事官の上司の署長と副署長に対しては、「設置場所のことは知らなかった」としてそれぞれ本部長訓戒、所属長訓戒にとどめた。刑事官を本部の地域課次席へ、刑事2課長を署の留置管理課長へ9月5日付で異動させる人事も発表した。

さらに本部の責任について記者団から追及を受けた県警幹部は、「本部は今回の問題で報告を受けておらず、本部としては適切な措置を取っている。別府署の判断で行われた事案であり、監督責任を負うのは署長だ」と気色ばんで反論した。

まあ、警察なんてものは「国民から権力者を守る為の公的治安維持組織」です。言い方を変えれば「合法ヤク○」なワケです。他人を違法行為で検挙することはあっても、自らの違法行為を取り締まる事は基本的にはありません。

彼らにとっては自分達が法律そのものみたいに勘違いしていますので、違法性の認識など最初から「バレなければOK」程度の発想しかなかったでしょう。

これで「ぎりぎりで許されると思った」ワケがありませんね

これで「ぎりぎりで許されると思った」ワケがありませんね

なのに今回はこのような不祥事を公表したのは何故でしょうか?ヒントは「今後、カメラ捜査のガイドライン作りも検討するとしている。」という部分にあるような気がします。

もしガイドラインに「土地所有者の許可を得るものとする」なんて載ったりすると、土地所有者が許せばどこにでも警察の捜査カメラを設置できる事になります。

記者団から「プライバシーについて県警はどう指導しているのか」と問われて、「憲法に書いてある。きちんと認識している」と補った。

こんな事も言っていますが、既に繁華街の防犯カメラ設置の流れ以前から、Nシステムによって国民のプライバシーなどどこ吹く風です。

Nシステムは車のナンバーだけを読み取るカメラだと勘違いしている人が多いですが、運転者もバッチリ撮影されます。下の画像はドラマのワンシーンから切り取ったものですが、警察が頑なに公表しない現実の画像も似たようなものでしょう。

このくらいの撮影範囲はあって当然です

このくらいの撮影範囲はあって当然です

少数の支配者層が多数の庶民を管理する為には、一部の人間だけで運用できる監視システムが必要です。防犯カメラ設置の流れはその一環です。

今回は私有地に勝手に設置したという事で不祥事扱いされていますが、本来ならば公道にカメラがあるのがおかしいのです。犯罪捜査の為とか防犯の為と称して、何も悪いことをしていない圧倒的多数の国民のプライバシーを侵害し続けているのですからね。

国民が街で可愛い子を見つけて勝手に撮影すると、下手をすれば盗撮容疑で逮捕されますが、警察がNシステムを使えば「誰がいつどこの道路をどの方向に誰と乗っていたのか」まで画像付きで筒抜けです。

運転者の割り出しが容易なNシステムに比べると、防犯カメラではまだまだ本人特定が難しいでしょう。だから、マイナンバーカードには顔認証が必須とされているのでしょう。

個人番号カード(マイナンバーカード)を市役所に取りに行くと、顔認証されることが判明 - 自治体情報政策研究所のブログ
 先日、住民行政の窓編集部編、市町村自治研究会編集協力『通知カード・個人番号カードの交付等に役立つ 窓口業務必携!』(日本加除出版株式会社)を入手した。  「通知カード及び個人番号カードの交付等に関する事務処理要領」、「通知カード及び個人番号カードの交付等に関する事務処理要領に係る質疑応答集」、「通知カードの運用上の留意事項、個人番号カードの運用上の留意事項及び転入届の特例及び住民票の写しの広域交...

 (個人番号カードの交付に際して―引用者)個人番号カードに添付された写真と交付申請者との同一性を,顔認証システムを活用しながら確認する。この場合において,まず目視により同一性の確認を行い,同一性が容易かつ確実に識別できると認める場合を除き,あわせて顔認証システムによる同一性の判定を行う。当該判定において同一性が確認できるとされた場合には,特段の事情のない限り,交付して差し支えない。一方,当該判定において同一性が確認できないとされた場合には,交付しないこととする。
なお,当該判定に先立ち,交付申請者に対し,個人番号カードに添付された写真と交付申請者との同一性を判定するため,顔認証システムを活用すること,及び撮影した画像は当該判定以外に利用せず,かつ,保存されないことを説明する。

今回の不祥事は、「県警が刑事官ら署員4人を建造物侵入違反容疑で書類送検した」というものです。容疑は「建造物侵入違反」なのですから、勝手に私有地に立ち入った事について謝罪するなり再販防止策を講じるならわかりますが、「今後、カメラ捜査のガイドライン作りも検討する」という報道がされるのはおかしいです。

送検された刑事官らは、刑法130条に違反して送検されたのであって、カメラ捜査のガイドラインがなかったから違法行為を働いたワケではありません。

刑事官の上司の署長と副署長に対しては、「設置場所のことは知らなかった」としてそれぞれ本部長訓戒、所属長訓戒にとどめた。

与党政治家の違法献金問題と同じですね。ニホンでは権力の座に近い者ほど「知らなかったでOK♪」の法則が成り立つようです。上司や管理監督者ってのは、責任を取る代わりに実務を免除され高給をもらっているのですから、「知らなかったこと自体が問題」であって、知らなかったからと言って処分を軽くする理由には本来なりません。

我々が一時停止線に気付かずに通過してしまったとしても、知らなかったでOKにしてくれるならいいですが、そういう時は「知らなくても違反は違反だ!」ですからね~

 さらに本部の責任について記者団から追及を受けた県警幹部は、「本部は今回の問題で報告を受けておらず、本部としては適切な措置を取っている。別府署の判断で行われた事案であり、監督責任を負うのは署長だ」と気色ばんで反論した。

「気色ばんで反論した」って何でしょう?完全にヤク○の恫喝と同じですね。県内の警察署を管理監督するのが本部の仕事でしょう?ちゃんと報告が上がらない程度の組織統制しか取れていないのが問題なのであって、監督責任を署長に押し付けて自分達だけは治外法権を行使出来るとでも思っているんですかね?まあ、現実は行使出来ちゃうからバカバカしいのですが…

警察の不祥事を報道しているように見えて、その実はトカゲの尻尾切りを見せられているだけです。私有地に設置したのが問題だっただけで、カメラ捜査自体の違法性については検討すらされていません。

こうやって警察の不祥事報道ですら利用して、カメラだらけの監視社会を国民が受け入れるように誘導されていっているのではないでしょうか?

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コメント

  1. たいぞう より:

    この権の犯人がTVで映しだされていて
    珍しいと思いましたが、モザイクがかかっていることが腑に落ちませんでした。
    犯罪者なのだからモザイクの必要はありません。
    こうやって「大したことないこと」と思わせケーサツの権力を実質的に増やそうとしているのだろう、と感じました。実際ほとんど騒ぎになっていませんね。かなりの違法行為なのに。
    そういえば昨年冤罪自白強要をされた人が取調室での録音に成功したニュースが有りましたね。あれもすごいことだったのに犯人(担当警察官)の名前も顔も報道されませんでした。犯罪者ですけどね。
    単なる信号無視でさえ切符を切り始めたら、主様の言うような対応を取らなければまず夜してくれないくせに、自分たちはとんでもない違法行為を容認させるんですね。
    権力者の基本は二枚舌です。
    信号無視を取り締まるとき「違反は違反だから」と言い、同じ口で、自分たちが違法行為をした時は「そんな細かいことを」「そんなことを言っていたら誰も捕まえられない」と吐きます。
    やっぱり録音しかないですね。それでも何かで裁判になれば、録音ですら効力はないかもしれません。。。裁判所の仕事は警察・検察の弁護士、ですからね・・・。

    • 取締り110番 より:

      個人的な見解としては、今回の容疑者(警官)の顔はモザイク入りで仮名報道でも構わないので、他の犯罪容疑者も裁判で有罪が確定する、もしくは最低でも検察が公判請求(起訴)するまでは、顔は出さずに実名報道も控えて欲しいと思います。検挙・逮捕段階では、「警察が容疑者として検挙した」だけであって、無実や無罪相当(事実はあっても正当防衛だったみたいな)かもしれないのですから、推定無罪の原則に照らしても、容疑者段階から実名報道で犯人扱いしているニホンのマスゴミはどうかしています。

      たいぞうさんが全くの冤罪なのに痴漢容疑で検挙されてしまったようなケースを想定してみて下さい。その時点で実名で顔入りで報道されてしまったら、数年後に無罪が出るとしても、それまでの間に社会的生命が完全に失われてしまうとは思いませんか?ニホンのマスゴミは検挙段階で犯人扱いするだけで、公判結果などの続報が出る方が稀ですからね。

      これも欧米では起訴前の実名報道はほとんどなかったと記憶しています。あるいは実名で報道するにしても、担当捜査官の氏名も公表され、「検挙に関して誰に責任があるのか?」も割とはっきりしています。

      ネットイジメなんかが好例ですが、人間は匿名性が高いほど陰湿な犯罪行為に走ります。つまり、警察官が一番犯罪行為に走りやすいという事でもありますね。

  2. yamada より:

    最初に報道を見て中央指示の公安捜査以外に無いと思っていましたが、
    それにしては盗撮拠点の不動産を公費で借りそうなものだろうに
    対象敷地に入ってカメラを仕掛けたりして、
    やけに泥臭い手口ですね。
    映像から常習的に侵入盗撮や違法捜査はやっていたようですね。
    つまるところ交通違反にしても略式命令までの犯罪にしても
    被疑者と当局や副検事、検事といった
    ひたすら黒を主張するだけの司法側だけで白黒が決まりますから
    冤罪でも違法捜査を検証する人がほぼおらず
    それらをやったところであまり気にしない人も結構いるのかもしれませんね。
    相手が否認するか?裁判官の審理がある正式な裁判に持ち込む意思や資力、
    バックアップする組織力がありそうか?
    その辺の見極めが違法捜査を進めるか、
    それとも止めておくかの見極め基準になるのでしょうか?
    また一つ知らない世界の勉強になりました。

    • 取締り110番 より:

      予算が足りなかったのでしょうね。本来ならば投入すべき捜査費は、領収書の偽造で裏金化して上層部の懐に入りますから、末端現場は悲惨な感じなのだと思います。

      それでも、新幹線内での焼身自殺事件や北海道男子行方不明事件、神奈川の障碍者施設殺傷事件のような、警察の特務機関が絡む事件では世論誘導の為に潤沢な予算が投入されるようです。まあ、予算を使ってまで起こした事件にしてはシナリオが杜撰過ぎて茶番劇になってしまっていますが…

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