警察庁が重い腰を上げて高速道路の一部で最高速度を110km/hに緩和すると発表したようです。
1950年代に決められた最高速度100km/hというのは、当時の道路の安全性やクルマの性能を見て決められたものです。それから60年以上も経過しているのに、ニホンの道路とクルマの性能は1割しか上がっていないんですね(笑)
読売新聞(ゴミ売り新聞)の記事
読売新聞 10月13日(木)11時6分配信
警察庁は13日、東北自動車道と新東名高速道路の一部区間で、岩手、静岡両県の公安委員会が最高速度を時速110キロに試験的に引き上げる方針を決めたと発表した。
来年度中にも速度標識を整備し、順次、試行する。少なくとも1年間の試行後、事故の増減など交通環境の変化を見ながら、さらなる引き上げや他区間での実施が可能かを検討する。大型貨物車などの規制速度は80キロのままとする。
同庁によると、試行区間は東北道花巻南―盛岡南インターチェンジ(約30・6キロ)と新東名道の新静岡―森掛川インターチェンジ(約50・5キロ)の各上下線。同庁の有識者懇談会で、標準的な高速道に比べ、「死傷事故率が3割程度低い」などと評価されていた。
特に新東名道の試行区間は、片側3車線の割合が多く、同庁では走行速度が2車線区間とどう変わるかなどを検証したい考えだ。
国際的に見ると…
これでニホンの最高速度は100km/hから110km/hに暫定的に引き上げられたワケですが、諸外国の最高速度はどのような規定になっているでしょうか?
アウトバーンがあるドイツを例外としても、諸外国に比べて著しく最高速度が低いです。ニホンは狭いだの勾配やカーブが多いだのと言う輩もいますが、北海道などの地方部の幹線道路は地平線まで真っ直ぐな所も多いですし、スイスだって山岳地帯で勾配やカーブも多いです。
グローバルだの国際標準だのと言い出すのであれば、高速道路の最高速は120~130km/h程度、郊外の一般道は80~100km/h、市街地は今だって50km/h規制が多いですからそのままで、住宅街などの生活道路は30km/h以下に設定して、どうしてもスピード違反の取締りがしたいなら見通しの悪い住宅街を暴走しているアホを取り締まれば良い話です。
実勢速度はマジョリティルールで決まっている
今だって新東名は120km/hくらいで流れていますし、片側3車線道路で直線ばかりの京葉道は制限速度60km/hなのに80~100km/hくらいで流れています。
誰だって事故は起こしたくないですから、制限速度に関わらず自分が危険だと思う以上の速度は出さないものです。実勢速度は多くの高速・幹線道路の場合、制限速度+20km/h程度です。
詳しくはPBIさんのサイトで解説されていますが、欧米ではマジョリティルールという考え方によって「全体の8割の人間が悪質だと思うラインから先を違法」としています。
ニホンでもこの決め方に従えば、諸外国と同等程度の制限速度になるでしょうし、それ以上の速度を出して検挙された場合でも、周囲の人間の8割が「そりゃお前が悪いだろう!」と言うのですから法律に対する信頼にも繋がります。
今はどうですか?検挙された時に多くの者が思うのは「危険な運転でもなかったのに…」「他の皆も違反しているのにどうして俺だけ…」「あんな場所に隠れて待ち構えているなんて…」と理不尽さを感じ、周囲の者達も「警察の取締りなんてそんなもんなんだから捕まる方がバカだ」「運が悪かったね~」とかではないですか?
法規制が現実に合っていないからこんなことになるのです。
交通規制を国民が決めることは出来ない
一応、ニホンは民主主義の法治国家という建前になっています。実際はまるで違いますが、その話は別の機会に譲るとして、民主主義の法治国家であるならば、その法令は間接的であっても国民が民主的に決める事が出来なければなりません。
しかし、現実はどうでしょうか?道路交通法の改正などは一応国会での承認が必要ですが、実際の交通規制を定める権限は全て公安委員会≒各県警が独占しています。
記事をもう一度見てみましょう。
警察庁は13日、東北自動車道と新東名高速道路の一部区間で、岩手、静岡両県の公安委員会が最高速度を時速110キロに試験的に引き上げる方針を決めたと発表した。
公安委員会が方針を決めて、警察庁が発表しています。
そして、我々には公安委員会を選出する手段も、警察官僚を選ぶ権利も与えられていません。
もし、ニホンから不正選挙がなくなって、本当に我々の声を代弁してくれる党が与党になったと仮定しましょう。(そんな日はあと1000年くらいは来なそうですが…)
その与党が中心となって最高速度を130km/hまで引き上げようとしても、実際の交通規制は公安委員会≒県警が行います。つまり、警察が同意しない限りは無理です。
公安委員は一応は県議会の承認を得て知事が任命しますが、そもそもの公安委員への推薦自体が警察ルートからされますから、例えば私のような人間が公安委員を目指しても一生なれません。公選制ではないのですからね。
で、公安委員には大した権限はなく、実務は全て警察が行って公安委員はハンコを押すだけです。おそらくこのハンコ押しすら警察職員がやっているでしょう。
たとえばある県の公安委員会の審議は月二回、各二時間程度で、処理件数は年間八千件、一件につきたった21秒で処理されている事実が、日本弁護士連合会人権擁護大会で報告されていますが、21秒って資料を読む暇もありませんよね?
最高速度も他の交通規制も、民主的に決められたルールではありません。それでも「交通ルールを守れ!」とか「そもそも違反しなければよい!」とか言ってしまうメンヘルな方は、以下の記事を読んだ上で遵法運転を心掛けて下さい。追い付かれたのに譲らない行為は法律違反ですよ♪
解決策はあるのか?
そりゃ本気で取り組めば解決策はいくらでもあるでしょう。例えば
- その路線を普段運転しているドライバー1万人くらいに「この道で何キロ以上出したら危険だと思うか?」をリサーチして、8割以上が危険だと答えたラインを制限速度にする
- その路線の実勢速度をレーザー式のスピードガンで1万台分くらいリサーチして、実勢速度=制限速度にする
- 1955年デビューのトヨペットクラウンが平地でアクセル踏みっぱなしで辛うじて100キロに到達出来たんで100キロになったという噂もあるのだから、今のトヨタのクラウンを平地でアクセルふみっぱなしにして到達できる速度を制限速度にする(笑)
欧米だって警察はクリーンではありませんし、アウトバーンの出口でスピードガン持って待ち構えているなんて話もあります。それでも、平均して120~130km/h規制が主流なワケですし、郊外の一般道の制限速度を緩和すれば高速を敷く必要がなくなるのでコスト的にも良いでしょう。
今の交通規制の異常なまでの厳しさは、全て警察の集金とプレゼンスの確保が目的です。いつでも誰でも検挙できる状態にしておいて、誰を検挙するかは警察が恣意的に決める。児童ポルノ単純所持違反なんて、LINEで児童ポルノ画像を送信されただけでアウトですからね。防ぎようがありません…