このサイトには今まで書いてきませんでしたが、2017年の9月にヤマハのMT-07というバイクを購入しました。CBR954RRで転倒骨折してバイクを降りて以来、まともなギア付きのバイクは14年ぶりとなります。
688cc・直列2気筒・54kW(73PS)・68N・m(6.9kgf・m)という大人しめのスペックですが、重量が182kg(ABS仕様)しかないので軽快に走れるミドルツインです。
MT-07の簡潔レビュー
元首都高の走り屋という過去を持つ私の正直な印象は以下の通りです。
まずは良い所から…
- スタイルはこの価格帯では抜群にカッコいい(主観です)
- エンジンはトルク感がありつつ、優しいパワーの出方なので安心して開けられる(初心者向け)
- 車体が軽いので切り返しが楽で取り回しも楽
- 純正タイヤはミシュランのパイロットロード4、雨天時無敵で異常な耐久性。下手すると3万キロ保つことも…
- タンデムも短距離なら普通に乗れるレベル。長距離はオススメしない。
続いて気になる点
- 4000rpm以下はギクシャクして使いづらい
- ツインのドコドコ感と引き換えにエンブレが強く、予想以上に減速する
- エンジンが優し過ぎて本気で開けると加速が足りない
- サスが廉価品でリアプリロード以外調整不可。特にフロントが酷い
- パイロットロード4は峠を攻めるには硬すぎ&食わなすぎ…
- メーターが手前過ぎて見にくい。速度計見てたら事故る
- ステップが前過ぎ&高過ぎて179cmの私だと足首が痛くなる
まあ、まったりツーリングでしか使わないなら純正のままでもいいとは思いますが、軽快に走ろうとすると色々と気になります。
ECU書き換えで多くの問題が一気に解決
という訳で色々と手を入れ始めた訳ですが、今日はデメリットの1.~3.を一気に解決する方法を見つけたので紹介しておきます。
低速時にエンジンがギクシャクするのは、アイドリング付近の燃調が薄く設定されているからだと予想しました。排ガス規制の問題もありますし、アイドリングでガソリン食いまくっても困るでしょうから、メーカー側が薄めに設定するのは理に適ってはいます。
薄いなら濃くすれば良いのですが、サブコンで果てしないセッティング地獄にハマるのも嫌ですし、ラピッドバイクイージーのような簡易版だと、全体の燃調調整しか出来ない割には価格がそれなりに(3万円くらい)します。
どうせ国内仕様で上のパワーも海外仕様と比べたらセーブされているでしょう。
一昔前の国内仕様車なら、インシュレーターを撤去(加工)して、ECUのコードを結線させ直したりすれば簡単にフルパワー化出来たりしたのですが、最近のバイクではECUに入っている燃調マップなどを書き換えない事にはフルパワー化は無理みたいです。
なら、ECUを書き換えてくれるショップを見つければよいのです。
ネットの情報、及びバイク仲間からの情報提供によって、見つけたのが以下のショップです。
このショップがあるのは千葉市緑区おゆみ野4丁目17-3です。Google Mapはこちら
ECUを自分で取り外して郵送で書き換えてもらうことも出来ますが、私の家からは高速を使えば1時間くらいで行けるので、実際に訪問して書き換えてもらう事にしました。
HPの問い合わせから問い合わせてみると、以下のようなオーダーシートに記入してくれと言われました。
詳しく見たい方はPDFはこちらodersheet_MT07
なかなか細かく要望が出せるようです。私は以下の仕様でお願いしました。
- スピードリミッター:解除
- レブリミッター:ノーマルのまま11,500rpm
- 減速時燃料カット:解除
- 冷却ファン作動温度:95℃(90℃で停止)
- O2センサー:残す(車検用)
ここまで書き換える基本料金が40,000円(税別)ですが、どうせやるなら燃料マップもやっておかないともったいないです。+12,000円(税別)で燃料マップも書き換えてもらいます。
オプション:ノーマルマフラー最適化マップ
という仕様でお願いしました。
ECUを外して送る場合は、52,000円+消費税で56,160円(+送料)で書き換えられることになります。しばらくバイクに乗れなくても構わない方は郵送依頼で良いでしょう。
私は乗れない日があるのは嫌なので、店舗まで行きましたが、その場合はカウルとECUの脱着工賃で4320円かかりますので、支払総額は60,480円となりました。
これを安いと見るか高いと見るかは人それぞれですが、簡易サブコンのラピッドバイクイージーに3万円払うのであれば、もう3万円出して書き換えてしまう事をお勧めしますね。
何故なら、書き換えた帰り道でアクセルを開けた瞬間から、笑ってしまうくらい別物のバイクになります!
まるでエンジンを替えたみたい
燃調マップの細かい説明を受けてもよくわかりませんので、内容はショップに一任しました。私からの要望は以下の通りでした。
- 通勤メインでツーリングでも使うが、ツーリング時に合わせたセッティングが良い
- 4000rpm未満のギクシャク感を減らしたい
- とにかくエンブレを減らしたい
- 10,000rpmオーバーまで吹け上がればなおベター
- 燃費は気にしない
一言で言えば、欲しい時に欲しいだけの加速が得られて、アクセルオフ時のエンブレを減らしてブレーキでコントロールしたいという事です。
燃費は気にしちゃいけません。MT-07はお財布に優しいレギュラー仕様なんですから、10%ダウンくらいまではハイオク仕様だと思えばなんて事はありません。そういえば昔乗っていたCBR954RRは、ハイオク仕様なのに首都高を走っていると7~8km/Lくらいでした…
今のMT-07は都内の街乗り通勤メインで17~18km/Lくらい走ります。贅沢を言っちゃいけません(笑)
さて、無事に書き換え作業が終わって帰路についたのですが、ECU書き換えの効果は凄いですよ!エンジンを載せ替えたんじゃないかと思えるくらいの変化があります!
- 4000rpm未満でも微振動が出ません
- 4000rpm未満も使えるようになったので一つ上のギアでも走れます
- 吹け上りが軽くなり4気筒のような感じで加速します
- レブまで綺麗に回るようになります
- エンブレが純正の半分くらいまで激減します
- シャシダイ載せないと数値はわかりませんが、明らかに馬力もアップしています
店長に聞いたら、海外仕様のマップをベースに微調整をしているということでしたが、道理で海外動画のMT-07は3~4速からでも平気でウィリーをしているんですね。国内仕様の感じでは「そこまでパワーねぇよ!」って思ってましたが、今なら頷けます。
ツインらしさのドコドコ感は多少薄れますが、下が粘ってエンブレも減るので非常に乗りやすくなりました。最初からこの燃調マップで売ってくれと本気で思います。
何しろ14年ぶりのリターンライダーなので、比較対象が古くなってしまうのですが、今のMT-07のエンジンフィーリングを喩えるなら、
昔乗ってたフルパワー後のCBR600F4iのフィーリングに近い(同じとは言ってないw)
ですね。
ECUの書き換えサービスをやっているショップは、それぞれのエリア(関東圏・中京圏・関西圏など)に数件しかない印象です。
関東圏の方でMT-07のネガを消し、エンジンが本来持っているパワーを引き出したい方は、IRON PONYで書き換えてもらってはいかがでしょうか?
ちなみにショップからリベートはもらっていませんし、記事に載せる事も相談していません(笑)
純粋に、MT-07に乗ってるならこのECU書き換えは是非やった方がいい、07のライディングが数倍楽しくなると思って記事化してみました。