警察官の平均年収が800万円強という事実を常に覚えておきましょう。
千葉県警が放置違反金の滞納者5,894名を2ヶ月かけて検挙し、970万円の違反金を徴収したそうですが、これって果たしてコストに見合うリターンなのでしょうか?
警察が駐車違反金滞納者への徴収を強化 口座差し押さえ等で約970万円徴収 /千葉
千葉県警は去年11月から1月まで、駐車違反金の滞納者への徴収を強化し、その結果、約970万円を徴収しました。県警は、去年11月13日から1月14日まで、5894件を対象に徴収強化対策を実施しました。
悪質な滞納者に対しては直接訪問や銀行口座の差し押さえなどを行ったところ、626件の違反金、約970万円を徴収したということです。中でも31件の違反で約60万円を滞納していた市川市の20代の男性に対しては家宅捜索を行い、9万円を徴収した上で誓約書も書かせたということです。
県警によりますと、県内の放置違反金未納の件数は去年3月末時点で8270件で、未納金額は約1億2700万円に上っています。県警は、「逃げ得は許さない。今後も滞納者に対しては、厳しく徴収活動を実施していく」と話しています。
平均年収が813万円という事は、月収換算だと約68万円も税金から人件費が支払われています。
現場の末端警官の給与はもう少し安いでしょうが、1名の警官を1ヶ月働かせる為には安く見積もっても月に50万円くらいはかかっています。しかもこれは人件費のみで、捜査費用は別として、です。
2ヶ月で5894件を捜査したそうですが、一体何名の警官で捜査したのでしょうか?
1人が毎日10件ずつ捜査したとしても、勤務日数を月25日で計算しても2ヶ月間では1人500件くらいしか処理出来ません。これはかなり警官の処理能力を高めに見積もってこれです。
全部で5894件ですから、最低でも12名くらいの警官が動いていたことになるでしょう。
50万円の人件費×12名×2ヶ月=1,200万円
という数字が出てくるのですが、徴収できたのは970万円。完全に赤字ですね。
これが自然法に反するような傷害犯や殺人犯の検挙なら、コスト度外視で捕まえてもらわなければ困るのですが、駐車違反の運転手や所有者から違反金を徴収しても、警察と駐車監視員の会社が儲かるだけで、何も生産していませんし、違法駐車によって発生した渋滞に巻き込まれたドライバーに配られる訳でもありません。
警察は「逃げ得は許さない」なんて言っていますが、カネが欲しいだけで道路の安全かつ円滑な交通の維持なんて眼中にありませんよね?
確かに駐車監視員がウロウロするようになってから、ウロウロしている道路での路上駐車は減ってきました。一定の効果があった事は認めましょう。
しかし、実際の取締り現場を見た事がある人ならわかる事ですが、本当に迷惑な路上駐車を取り締まっている場面にはまず出会いません。
幹線道路で困るのは、大型トラックなどが1車線を塞いでしまい、セルフ車線規制状態になっている時です。皆さんも車を運転していたらそういう場面によく出会いますよね?
しかし、こういう場合はトラックドライバーが運転席に乗っているケースが多いですから、駐車監視員では取り締まれませんし、警察も動きません。
駐車監視員が取り締まっているのは、表通りから1本入った裏通りで、そこに車が止まっていても特に誰も困らない場所だったり、自営業で必死に働いている小型トラックの運転手が、配送の為に一時的に停めていたようなケースです。
そもそもトラックが合法的に駐車できる場所など、私が暮らしている東京都23区内にはほとんどないのですが、トイレに行きたくなったらどうすればいいのでしょうか?
違法駐車の取締りにおける最大の問題点は
ほとんどの道路が駐車禁止なので、主に職業ドライバーなどは合法的に休憩やトイレに行く事すら出来ない = つまり、現実的に遵守が不可能な交通規制になっている
ということです。これは道交法全体について言えることですけどね。
私は、駐車違反の取締りを全面的にやめろと言っているのではありません。
駐車監視員制度を導入して取締りを強化する(した)のであれば、短時間の駐車ならば迷惑にならない住宅街・道幅が広めの裏通り・路上パーキングスペースが設置されるような道路については、駐車禁止区域から除外し、合法的に路上駐車を可能としなければ法律を守りようがない、と言っているのです。
時間貸駐車場などがあるじゃないかというのは詭弁です。トラックなどはその手のパーキングにはサイズ的に止められませんし、交通量が多い都内のコンビニなど駐車場が無い所の方が多数派です。
この状態で、一体どうやったら納品や配送のトラックが合法的に駐車出来るのでしょうか?
当然、合法的に停められませんから、違法駐車上等でコンビニ前に駐車します。そこが路肩に余裕がない2車線道路の場合、納品のトラックによって1車線が塞がれ、セルフ車線規制状態になり渋滞が発生します。
渋滞に巻き込まれる他のドライバーにとっては、寄るつもりもないコンビニのせいで移動時間が大幅に増えてしまいますし、納品の為に運転しているドライバーは、迷惑を掛けている引け目を感じながら、駐車監視員にも気を付けなければなりません。この状態は、警察利権側の人間を除けば誰も得をしていません。
裏通りで良いので駐車禁止ではない道路があれば、納品トラックはそこに停められます。駐車違反ではないので余裕を持って納品や配送が出来ます。表通りは2車線が確保されたままなので不自然な渋滞は起きません。
駐車禁止区域は必要最小限に留めた上で、「禁止区域に停めると50%以上の確率で検挙される」というような状態を作れば、幹線道路での違法駐車は激減し、渋滞解消に役立つでしょう。
本気で国民が使いやすい道路行政を行おうと思えば、すぐにでもそれは実現可能なのです。
千葉県内の放置違反金の未納金が約1億2700万円と言われていますが、その1億2700万円が納められたとしても、警察利権に消えるだけで合法的に駐車出来る場所が増える訳ではないのですから、ただカネを奪われているだけです。
文科省が総合学習を採用したあたりから「問題発見解決能力」という単語がよく聞かれるようになりましたが、日本の官僚にはこの能力が致命的に欠如しているようです。もしくは、そもそも目的が自分達の利権の確保と自分達だけが美味しい思いをすることなので、「税金その他で国民からカネを吸い上げて、一部の特権階級だけが美味しい思いをすることを邪魔するような問題を発見して解決する能力」だけが伸びているのかもしれません。
日本における生き辛さ、金銭的及び精神的な貧しさを作り続けている元凶は、政治家でも宗主国米国でも国際金融資本でもありません。戦争の時にも結局何の責任も取らなかった官僚組織が元凶なのです。
民主党が政権を取っても官僚のほとんどは協力せず、財務省に至っては野田佳彦という売国奴を抱き込んで消費税増税を決定させました。IQが90もあれば、消費税を増税したら消費が減って景気が悪くなる事は理解出来るのに、です。
放置違反金を納めても、駐車可能スペースは増えません。
無駄飯食らいの公務員を減らせば、増税しなくても財政は回ります。
そもそも通貨発行権を持っている国がデフォルトを起こすことはありません。借金が嫌なら政府紙幣を発行すればよいだけです。
日銀が刷りまくった円を、貧困層にばら撒いていたら、今頃はバブル並の好景気になっていたでしょう。
本当に迷惑な駐車を減らしたければ、他に駐車可能スペースを確保した上で、迷惑な場所への駐車に関しては、以前のようにドライバーに対して反則切符を切るのが一番効果的です。ドライバーにとって困るのは、違反金を取られることではなく、反則点が付加されて免停のリスクが上がることなのですから。