自転車の交通違反については、今までにもいくつかの記事を書いてきました。
[講習?]自転車の交通違反で検挙されたらどうする?[罰金?]
今回は実際に切符を切られてしまった後の対策について書いてみます。
今後の流れ
①違反自体が送検される
自転車には反則金制度がありませんから、最初から赤切符として処理され原則的に全て送検されます。
自転車の違反程度で検察から呼出が来る確率はわかりませんが、対応としては以下の3つになるでしょう。
- 検察からの出頭要請が来るまでは放置
- 出頭要請が来たら電話して「否認するが出頭すべきか?」と尋ねる
- 「出頭しろ」と言われたら出頭して否認を貫く
自動車での青切符も、反則金を支払わずにいると送検されます。検察から出頭要請が来たら一度だけ出頭して否認すると99.9%以上が不起訴になります。飲酒や大幅な速度超過のような赤切符ですら不起訴率が全国平均で40%程度もあるのですから、軽微な違反などいちいち起訴していられないという事です。
まして、自転車での違反のみで起訴されるとは思えません。検察から呼出が来たとしても「違反を認めて略式に応じろ」と言われるだけでしょうから、まずは電話をして「否認するつもりだが出頭の必要はあるか?」と聞いてみましょう。
場合によっては「警察に書類を送り返すから今回は来なくていい」と言われるケースも多いでしょう。
それでも出頭しろと言われたら出頭して否認することになります。否認理由は何でもよいです。いくつか例示をしておきます。
- そもそも違反していない
- 違反したが罰金刑になるほど悪質とは思わない
- イヤホンはしていたが、周囲の音が十分聞こえる音量で違反ではない
違反のみでの起訴事例がいまだに見つからないくらいですから、おそらくはほぼ100%が不起訴になるでしょう。そもそも検察からの呼出が来ないまま不起訴が圧倒的多数だと思います。
②講習受講命令が来たらどうする?
今回の法改正(改悪)の目玉は「3年以内に2回検挙されると自転車運転者講習を受講」というものです。
タダでも行きたくないのに、5,700円も取られます。免許更新時のあの退屈な講習に輪をかけたようなものに、こんなお金は払いたくないですよね?
でも、「受講しないと5万円以下の罰金」と言われています。前記事でも書きましたが、本当にそうなるでしょうか?
これについては事例が集まらない事には確証は持てませんが、私がお勧めする対策は以下のものです。
- 受講命令が来ても受けない
- 検察に呼び出されたら「違法だと思うので裁判で争いたい」と言う
何度も書きますが、他の行政処分とは異なり、自転車運転者講習は有料なのです。しかもそのお金はまるまる交通安全協会のような警察の天下り先を潤わせるためだけに使われます。払いたくないですよね?
1.に関して無視が嫌な人は、講習指定場所に電話して「貧困家庭で講習費が払えないのだがどうしたらいいか?」と聞いてみましょう。私が講習指定されたら録音しながら尋ねてみますが、私は自転車に乗らないので読者の方で受講命令が来た方は電話してみてから教えて下さい!
警察が何と答えるかはわかりませんが、おそらくは「待ってやるから5,700円くらいは何とかしろ」みたいな事しか言わないと思います。でもまあ、払えないものは払えないというスタンスでいいです。
③検察から呼び出しは来るのか?
さて、受講命令を無視しました。法律上は5万円以下の罰金のようですが、その為には被疑者を起訴して有罪判決をもらわなければいけません。検察は受講命令に従わなかったものを呼び出すのでしょうか?
私の予想は以下の通りです。
- 東京などの大都市では呼出が来ないまま不起訴
- 地方の暇な検察は呼び出すが、否認したら不起訴
何しろ「行政処分に対する不作為犯を刑事処分する」というトンデモない法令なのですから、裁判で争ったらどうなるかわかりません。昨今話題の安保法制が「違憲だからそもそも無効」というのと同じく、「有料の講習を受けないと罰金刑」というのは本来あり得ないのです。
前記事でも書きましたが、放置違反金のような行政制裁金を払わなかった場合は、車検拒否や財産差押という行政処分は出来ても刑事罰は用意されていません。どうして自転車の講習だけが罰金刑に出来ると考えるのでしょうか?
④否認理由は「経済的に余裕がない」でOK
私なら「法令自体がおかしい。裁判で徹底的に争いたいから是非起訴してくれ。お前もこれが通るものか興味があるだろう?」と言って本当に起訴してみて欲しいですが、普通に不起訴が欲しい方も多いでしょう。
そんな方は「講習費が高すぎて払えない。平日に仕事を休むとさらに減収になりもっと困る。とにかく経済的に余裕がない」と言えばいいと思います。
これが車なら「車に乗ってる奴が払えないワケがないだろう!」とでも言われるかもしれませんが、何しろ自転車なのです。車が買えないから自転車で生活している人も実際に多いはずです。1万円程度で買える自転車を何年も乗る人も多いのですから、5,700円という金額は決して安いものではありません。
だから検察にはこう言いましょう。
まともな検察官なら、この法令のおかしさは理解していると思います。ですから、運用初期の見せしめ的なものを除けば、講習を受けなくてもそもそも呼び出さないのではないかと予想しています。
それでも呼び出された時にはこのように否認する選択肢がありますね。
困窮のために5,700円が支払えなかった者を起訴して、5万円の罰金刑を科すべきだと考える検察官がどれほどいるでしょうか?
まあ、高知あたりだといそうな気もしますが(笑)今度は裁判官が同じ悩みを抱えます。
行政処分を受けないという不作為犯に刑事罰を与えるという行為に問題がないと考える裁判官はいるのでしょうか?
この法令はどう考えてもおかしいです。判例が集まらない事には結論は出せませんが、私の予想としては「否認したら全て不起訴になる」のではないかと考えています。
読者の方の体験談も募集しています。状況が判明したら改めて記事を書こうと思います。
まとめ
- 自転車に乗っている時に警察官を見かけたらすぐに曲がろうw
- 止められてしまったら、何はともあれ録画・録音
- 身分証は持っていないと言おう。防犯登録はやめておこう
- 講習の受講命令には「困窮してて受講料が払えない」と言おう
- その件で検察に呼ばれても、同じ理由で否認しよう
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コメント
読む度、否認しよう!という意識が高まります。いつも勇気をありがとうございます。
捕まらないのが一番ですけどね(笑)
「警察は事故が減らないように取締りをしている」という点に留意して、自分が警官でそういう目的で取り締まるならどこで待ち構えるかを考える習慣をつけると、検挙ポイントは自ずから見えてくると思います。