2015年6月から自転車での交通違反の取締りが強化されました。3年間で2回検挙されると\5,700も払って講習を受けなければならず、これを拒否すると5万円以下の罰金だそうです。
そもそも守れるのか?
真っ先に湧いてきそうなのが(笑)「最初から違反しなければいい」とか言い出す工作員ですが、自転車で道交法を全て守るのは不可能です。また、出来るだけ守ろうとすると各地で事故が起きまくります。
少しだけ検討してみましょう。
①自転車も車両なので車道を走れ
自動車を運転された事がある方なら誰でもわかる事ですが、制限速度を守っている原付は周囲の流れとの速度差があり過ぎて迷惑&危険ですね。仮に自動車の方も法定速度を守ったとしても、30km/h対60km/hになりますから相対速度が30km/hも違えば自己のリスクは格段に上がります。
原付は左側に寄って走らなければなりませんが、駐車車両があれば避けて中央に飛び出してきます。この時に30km/hも速度差があったら避けきれないケースもいくらでもあります。
え?十分避けれますか?じゃあ原付は歩道を走ってもOKじゃないですか?
速度差30km/hが危険でないなら、30km/hまでしか出してはいけない原付は歩道を走らせても安全なハズです。
しかしそうではないでしょう。30km/hは歩行者にしてみれば結構な速度ですから危なくて仕方ありません。
では、自転車が車道を走ったらどうでしょうか?
ゆっくり漕いでも違法ではないのですから、ヘタをすれば10km/h~20km/h程度で走るワケです。で、周囲の流れは制限速度を守っていても50km/h~60km/h。現実的には国道などは80km/h程度で流れているのはご存知のとおりだと思います。
あんな危ない場所を自転車に走らせたら事故が増えるに決まっています。警察には事故が増えて欲しい理由があるので、事故を増やす為に自転車の取締りを強化したという事でしょう。
それでも言う事を聞いて車道を走ったとします。するとこういう事になるのです。
赤信号で止まったのに、「車と同じ停止線を守らなかったから信号無視」だそうです。
これをやられたら自転車はどうしようもないですね。そもそもパトカーですら停止線くらいはみ出す事はいくらでもあるのですが…
②歩道を走る時は徐行で、自転車用の一時停止も守れ
自転車も歩道を走って良い場所があります。標識等で許可されている場合です。
しかし、この場合でも「歩道の車道寄りを徐行で」という決まりがあります。徐行とは「いつでも止まれる速度」だそうです。
それって歩行者レベルって事ですから、自転車乗る意味なくないですか?
しかも自転車用の一時停止も守れと警察は言っています。歩道の切れ目に描いてある逆三角形のアレですね。
これを守っていたら一向に進みません。歩道を「いつでも止まれる速度で徐行」してきて、切れ目の度に一時停止するんですよ?一体何の罰ゲームでしょうか?
③安全運転義務違反でも検挙
これが一番の問題です。
車でも安全運転義務違反は適用されますが、基本的に交通事故を起こした時に適用されるだけで、この違反単独での検挙はまずありません。ところが、自転車に関してはこれを積極的に取り締まるそうです。該当する法律を見てみましょう。
道路交通法 第70条
第70条 車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
なんですかこれは?警察の解釈でどうとでも使える条文ではないですか?
具体例を少し挙げましょう。
・イヤホンをしたままでの運転(都道府県によって基準が異なるという茶番)
・傘差し運転(確実に操作出来ればいいんじゃないですか?)
・スマホを弄りながらの運転(まあ危険だと思いますが、Ingressやってる人はどうなるのでしょう?)
・併走して話しながらの運転
別にイヤホンをしていても、周囲の音がちゃんと聞こえるレベルの音量ならばセーフのハズですが、東京都などは「片耳だけでもアウト」と言っています。神奈川は「片耳だけでアウトとは限らない」と言っています。この恣意性は何なのでしょうか?
車でも踏切の音などが聞こえない程の大音量で音楽を聴いていたらこの法令が適用されるハズですが、耳障りな程の大音量を撒き散らしているDQN車が検挙されているのを見た事がありますか?
それなのに自転車はイヤホンをしているだけでアウトだそうです。
音楽聴きながらジョギングしている人の方が、ジジイのチャリより遥かに速いですが、それもそのうち禁止になるんですかね?
一番酷いのは最後の項目ですね。もう友人と一緒にサイクリングに出かけられません。
大体、白バイ隊員が被ってるヘルメットには無線が内蔵されているのですが、交信中はイヤホン以上に周囲の音が聞こえなくないですか?
というか、ヘルメットを被っているだけでも音は相当聞こえなくなります。私はバイク乗りでしたからわかります。
おまけに無線まで付けて交信している奴にイヤホンがどうのとか言われたくないのですが、
それどころか隣の奴と話してるだけでアウトだそうです
まとめ
このように安全運転義務は守れません。だから自動車では交通事故の原因になったと思われる時だけ点数を加算する形で検挙してきたのですが、自転車では現場の警官の判断で「他人に危害を及ぼさないような速度と方法ではなかった」と言えば検挙可能です。これでは防ぎようがありません。
長くなってしまったので対処法については次回の記事に回します。
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