一審有罪率99.79%のカル○国家ニホンですが、さいたま地裁の加藤雅寛裁判官がスピード違反のネズミ捕りで検挙された男性に対して「警察の立証は不十分で車両の速度は不明」として無罪判決を下しました。
法律に基づいた極めて真っ当な判決なのですが、カ○ト国家でこんな判決を書いた加藤雅寛裁判官の今後が気になります。
速度違反裁判で無罪判決
朝日新聞デジタル 2016年11月17日10時33分
車の速度取り締まりで法定速度を超えたとして、道交法違反(速度超過)の罪に問われた白岡市の男性(21)に対し、さいたま地裁の加藤雅寛裁判官は16日、無罪(求刑罰金6万円)を言い渡した。取り締まりについて、警察官が状況を記憶していないことなどから「誤りなく行われたか確認できない」とした。
起訴状によると、男性は2015年5月17日、久喜市の制限速度50キロの道路で、乗用車を80キロで運転したとされた。男性は否認して無罪を主張し、弁護側は「道路は片側2車線。測定されたのは別の車両ではないか」と反論していた。
判決は、測定装置を使った取り締まりは「警察官の誤認や判断ミスなどが生じる危険性が否定できない」として、当時の状況確認が必要と指摘。しかし公判での証言から、取り締まった警察官2人が状況をほぼ覚えていないとして「立証が不十分で、車両の速度は不明」と結論づけた。
弁護人は「捜査にあたる警察として正しく測定してほしい」と話した。さいたま地検の葛西敬一次席検事は「判決を精査し、適切に対処したい」とコメントした。
検挙されたのは多分こんな場所
この報道だけでは具体的にどこで検挙されたのかはわかりませんが、「さいたま県久喜市」で「片側2車線で制限速度50km/h」というあたりから推測すると、国道122号か国道3号のどちらかではないかと思います。
国道122号
国道3号
どちらもこんなに見通しが良く、歩道がちゃんと分離されている路線が50km/h制限という交通規制の方が異常ですよね。
警察の取締りの目的は事故防止ではなくありませんから、そう考えれば当然なのかもしれませんが。
まともに考えればネズミ捕りは全て不起訴or無罪
裁判の争点は弁護側が主張した「道路は片側2車線。測定されたのは別の車両ではないか」という点です。
御存知の通り、いわゆるネズミ捕りと呼ばれる速度違反の取締りでは、レーダー式や光電管式の測定器を用いて対象車両の速度を測定するのですが、以下の問題点があります。
- 実際に測定する現認係は何故か1名
- 測定器には「どの車両を測定したか」を記録する機能はなく録画機能もない
- レーダーは乱反射、光電管は設置間隔が狂えば測定値も狂う
現認係を1名しか配置しないあたりに、警察の悪意を感じなくもありませんが、一番問題なのは2.の「測定器には「どの車両を測定したか」を記録する機能はなく録画機能もない」という点です。
たかが交通違反、と考えてしまいがちですが、道路交通法特別刑法の一つ、違反したら立派な特別刑法犯になります。今回は赤切符の非反則行為ですから、さいたま地検は6万円の罰金刑を求めて公判請求したわけです。
無実かもしれない人間の罪を問おうというのですから、本来ならば公判では検察側が「合理的な疑いの余地がないほどに被告人の犯罪行為の違法性を立証」しなければなりません。
警察官は取締りを業務としている=取締りによって利益を得る受益者側
ですから、警察官の目撃証言など本来であれば信憑性は一般人のそれよりも低くて当然なくらいです。
事故を伴わない交通違反では被害者が発生しませんから、違反行為の立証をするのであれば、最低でも録画くらいはしなければなりません。
測定器には測定対象車両を記録する機能も録画機能も付いていないのですから、「他の車両を測定した可能性を合理的な疑いの余地がないほどに排除」したいならそうするしかありません。
※画像はこちらより
警察はそれをしていませんから、本来であればネズミ捕りは全て不起訴か無罪にするしかありません。
加藤雅寛裁判官は、
測定装置を使った取り締まりは「警察官の誤認や判断ミスなどが生じる危険性が否定できない」として、当時の状況確認が必要と指摘。しかし公判での証言から、取り締まった警察官2人が状況をほぼ覚えていないとして「立証が不十分で、車両の速度は不明」と結論づけた。
と至極真っ当な判断をして無罪判決を下しました。カル○国家のヒラメ裁判官(上しか見てない)ばかりの中、こんなにまともな判決を見たのは久しぶりです。
加藤雅寛裁判官ってどんな人?
地裁での判決ですから、さいたま地検が控訴すれば高裁では逆転有罪になるでしょう。
高裁の裁判官が「警察官の証言は信用できる」とさえ書けば良いのですから。
しかし、地裁とはいえ無罪が出た事は驚きです。一生無罪判決を書かないまま引退する裁判官も多い中で、この加藤雅寛という裁判官はどうして無罪が書けたのでしょうか?
ちょっと彼に興味が湧いたので調べてみました。
裁判官の世界の出世コースがどういうものかわかりませんが、途中で検事になったりしているんですね。
釧路やさいたまに異動しているあたりを見る限りでは、そこまで出世コースに乗っているようにも見えません。
ちなみに、秋田地裁が無罪を出したオービス訴訟を高裁で逆転有罪にした木村烈というクズ裁判官の経歴はこんな感じです。
東京・沖縄・札幌などの主要都市を歴任していますし、地方に行く時は総括判事なり所長なりという役職持ちです。これは出世コースと言って差し支えないのではないでしょうか?
で、こういう典型的なヒラメ裁判官が「メーカーが誤測定はないと言っているから誤測定はない。だからオービス光らせた奴は全員有罪」みたいな判決を出すのです。
木村烈裁判長は「一般的に装置の測定値にプラスの誤差は発生せず、実際より高い速度を測定することはない」と指摘。「設置状況などを疑うべき点はなく、測定結果の信用性は高い」と述べた。
設置角度とかの物理的な話をしているのであれば、プラス誤差は出ないような測定方法になっているのは確かですが、「一般的に」とか言ってしまうなら、
一般的に誤作動や故障をしない機械は存在しない
と言うのが筋だと思いますけどね。機械が壊れる時はいきなり完全に壊れる訳でもありません。誤作動が徐々に増えていって、最後には動かなくなるのですが、オービスなんてちょっと電波を出されただけで誤作動しちゃうような代物でしかありません。
今後の予想
こういう判決が出た場合、検察が控訴して高裁が逆転有罪にすれば小さな記事が出ますが、検察が控訴を断念して無罪が確定したり、あるいは高裁でも無罪が出たような場合(高裁で無罪ってまずないんですけど)続報が出ないので追いかけづらいというのがあります。
なので、あくまでも私的な予想ですが、
- 検察は無罪確定は癪なので高裁に控訴する
- 証言に立つ警察官には警察が主張するストーリーを暗記させて証言のトレーニングをする
- 高裁が「警察官の証言は信用できる(キリッ)」とか言って逆転有罪にする
- 良識ある加藤雅寛裁判官はまた地方に飛ばされる
こんな感じではないかと思います。
本人がこの記事を読みに来るとは思えませんが、それでも司法の原則の従って真っ当な判決を出した加藤雅寛裁判官には是非言っておきたい事があります。
あなたの判断は何も間違っていません。間違っているのは三権が分立していないこの国の制度の方です。
コメント
はじめまして、何時も楽しく拝見させていただいております。
警察官が何人で現認したとしても、全く信用出来ませんよね。
↓の記事などを見ても、警察は全く信用出来ないですし、やはりドライブレコーダーが必要ですよね。
http://www.sankei.com/west/news/160724/wst1607240029-n1.html
情報提供ありがとうございます。これも面白い記事ですね。ドラレコ推奨派の私としても気になります(笑)
時間のある時に記事にしてみたいと思います。