[実は簡単]交通事故を激減させる3つの施策[警察はやらない]

人身事故にせよ物損事故にせよ、交通事故は必ず誰かを不幸にします。

現実的には事故ゼロとはいかないでしょうが、事故が少なくて困る事はありません。事故が多い県ほど交付金が沢山もらえるシステムがある限りは警察は絶対に事故を減らそうとはしませんが、本当に事故を減らしたかったらどのような施策が有効でしょうか?

取締りに事故防止効果はない

これについては以下の記事でデータを用いて客観的に検証しました。

交通事故統計2013を読み解く①[取締りは事故を防止しない]

誰がどう見ても、警察がやっている交通違反の取締りには事故防止効果はありません。取締り件数と交通事故発生件数には相関関係が全く見られません。

これを見ても「一定の効果はある」とか言ってしまう人は、データも客観性も合理性も無視して「一定の効果があって欲しい。何故ならあって欲しいからだ」と言っているのと同じで、主張としては失当です。

施策①:過失割合を変える

これについては、警察が悪いというよりも、こういう誤った弱者保護の判例を出し続けてきた裁判所が悪いのですが、日本における交通事故の過失割合は異常です。

歩行者が信号無視しても7:3で自動車が悪いって何ですか?

歩行者が信号無視しても7:3で自動車が悪いって何ですか?

画像参照:和ごころ整骨院

「歩道は歩行者が優先」ならば「車道は自動車が優先」でなければおかしいです。

ガードレールや縁石のない生活道路と、きっちり区分されている幹線道路では扱いを大きく変えるべきですが、それ以前の問題として、歩行者が信号無視して飛び出してきても自動車の責任が大っておかしいですよね?

何十年も前に流行った?標語の中に「気を付けろ 車は急に 止まれない」ってのがあったと思いますが、その通りなんですよ。車は急には止まれませんが、歩行者(あるいは自転車)はすぐに止まれるんです。事故の際に被害が大きくなるのは当然歩行者(自転車)側なのですから、大怪我や死亡するリスクを背負っている側が気を付けなくてどうするのでしょうか?

過失割合については以下のサイトが詳しくわかりやすいので是非参照していただきたいのですが、

交通事故の過失割合|損をしないために知っておくべき全情報

ここから一部抜粋するだけでも、今の過失割合の異常性がわかるかと思います。

accident5

交差点付近ではなく、横断歩道もない部分で車道に飛び出してきた歩行者をハネても、8:2で自動車が悪いそうです。

住宅街などの生活道路についてはこれでも良い気がしますが、実際にはそうはなっていません。

accident6

「歩道がある車道」の「車道上」で「歩行者が車道通行を許されない場合」の「車道中央寄り」での事故ですら過失割合が7:3で自動車が悪い事になっています。

これでは歩行者側は、どれほど不注意で危険な行為に及んでも構わないと裁判所が言っているのと変わりませんね。

もっと酷いのもありますよ。

accident7

車道上に寝ている酔っ払いを轢いてしまったら、「事前発見が容易ではない場合」ですら7:3で自動車が悪く、夜間に至っては10:0で自動車側が100%悪い事にされるそうです。

車道上で寝てしまうという自殺紛いの行為をした歩行者側の責任はどこに行ったのでしょうか?

このような異常な過失割合の決定を積み重ねてきた結果として、日本では「事故に遭えば重大な被害を受ける側で歩行者や自転車ほど、事故を防ぐ努力をせずに好き勝手に車道上を闊歩する」という状態になりました。

自動車側は信号が黄色になった微妙なタイミングで交差点を通過しただけで、警察に「信号無視だ!」と因縁を付けられて反則点を付加されたり反則金を取られそうになるのに、歩行者側が信号無視して車と接触しても7:3で車が悪くなるのですから、これでは当たり屋や当たり屋紛いの危険歩行者が減る訳がありません。

いくら日本が欧米型の自己責任社会ではないと言っても、格差問題や生活保護費の問題を論じる時には二言目には「自己責任」とか言い出すのですから、だったら交通事故に関しても歩行者側の自己責任という発想を取り入れるべきでしょう。

というワケで、私からの施策提案は以下のものになります。

  1. 歩道と車道がガードレールや縁石で分離されていない生活道路については概ね今まで通りの過失割合。
  2. 歩道と車道が明確に分離されている幹線道路については、車道上での事故については歩行者側の責任を大とする。

おそらく、過失割合をこうやって変更するだけでも歩行者・自転車絡みの人身事故は激減すると思います。

線路上で電車にハネられたら歩行者の責任が大とされて多額の賠償金が請求されるのですから、車道でハネられたら歩行者の責任を大としなければおかしいのです。

「不幸な交通事故で大怪我や死亡した歩行者がいるのに可哀想」ですか?事故は不幸を呼ぶからこそ、被害者になりやすい歩行者側がもっと気を付けなければならないと私は思うのです。

施策②:道交法の大幅改正

警察主導で今までやってきたような「改正という名の改悪」じゃないですよ。本当の意味での改正です。

これについて書き出したら本が一冊書けてしまいそうなので概略だけ書きます(笑)

道交法以外の部分も含みますが、官僚がちゃんと動けば事故はもっと減らせるという意味での施策提言です。

  1. 交通安全対策特別交付金の廃止
  2. 交通反則通告制度の大幅改正(事故を起こしたら免停or取消、無事故でも免停に出来るのは現行の赤切符の違反のみ)
  3. 交通違反や事故が原因の罰金は全て「交通事故被害者」への寄付に充当
  4. 高速道・幹線道路などの速度制限緩和
  5. 事故が少ない場所の「一時停止」を「徐行」に変更
  6. 交通量が少ない片側一車線道路における信号機の撤廃
  7. 原付一種の速度規制緩和
  8. 免許更新時に反射能力テストの新設
  9. AT限定免許の廃止(笑)
  10. 人身事故は被害額と過失割合に応じた罰金
  11. 物損事故は被害額と引き起こした渋滞量に応じた罰金
  12. 自賠責保険を対物・対人無制限にして任意保険は廃止
  13. などなど(いくらでも思い付きますね…)

個別の施策については慎重な検討が必要でしょうし、このサイト読者の方の中からも反対意見はあるでしょう(特に9.とかw)

そういうのは皆で議論して決めればいいと思うのですが、4.~7.あたりは「全体の8割の人間が危険と思うラインからを違反とするマジョリティ・ルールによって決める」という決め方さえしておけば問題はありません。欧米ではこのマジョリティ・ルールが浸透しているので、幹線道路の速度制限は概ね50mph=80km/hくらい。原付一種にあたるスクーターの速度制限は50km/hくらいになっている国がほとんどです。

こういう事を書くと、自称法律家とか自称法学部卒とかが、「欧米は結果責任を問う法体系だが、日本では予防効果を狙った法体系だから…」みたいな事を喚いたりするのですが、だからその「事故を起こしてもいないのにカネを取られたり免停になったりする事に賛成してる国民はどれだけいるのでしょうか?そもそも不正選挙なんだから法令に民意なんか反映されてないでしょう?」って話なのです。

これについて書き始めるとまた長くなるのでそれはまたの機会にしましょう(笑)

施策③:ドライブレコーダーの搭載義務化

これはメーカー側に義務化して、中古車・外車も含めて、ウィンカーやヘッドライトと同じような保安部品扱いにします。

搭載していなかったり、搭載していても故障していたら整備不良扱いで整備を勧告し、一定期間以内に搭載・修理しなかった場合は車両の使用禁止とします。

全車にドライブレコーダーが搭載されていれば、交通事故時の過失割合についてもモメる事が大きく減るでしょうし、下の動画のようなおかしな取締りに対する防御効果もあるでしょう。

注意点としては、ドライブレコーダーの映像や位置情報を勝手に送信されてしまうと、むしろ管理社会化が進んでしまいますから、あくまでも飛行機などのフライトレコーダーと同じくスタンドアローンなタイプのドラレコしか付けてはならないというルールも必要でしょうね。

まとめ

どれも現実味の薄い施策でしょうが、警察や権力者側がやろうと思えば来年度からでも始められる事ばかりなのです。何しろ歴代政権が否定してきた集団的自衛権を一内閣の「解釈変更」ごときで変えてしまえる程の強権があるらしいのですからw

  1. 歩行者側の過失もちゃんと認めましょう
  2. 事故が多いほど警察が儲かるシステムをやめましょう
  3. ドラレコを搭載義務化しましょう

少なくとも1.をやるだけでも人身事故発生件数は半減すると思いますけどね。

twitterはじめました

コメント

  1. しゅん より:

    大変共感しました。
    というのも、先日事故を起こしてしまいました。
    こちらはバイクで向こうは歩行者です。
    むこうは片側二車線、中央分離帯のある道路を横断し、車の間から飛び出してきました。
    右折レーンは渋滞だった為、中央分離帯に人がいるのも見えませんでした。そこから、幹線道路なので法廷速度内でもあの飛び出しでは止まれる訳もありませんでした。
    かもしれない運転をしなければならない私は、あの周りがビュンビュンスピードを出す幹線道路で徐行しなければならないでしょう。
    私は後ろから追突されるでしょう(笑)

    路側帯がある左は注意してたのですが、右側から来るとは念頭にありませんでした。

    幸いにも歩行者の方は全治一週間という怪我で済みました。
    今回は身を持って勉強になりました。
    当たり屋というものが成立するわけだこれは、、、、と。

  2. やまだ より:

    いつも拝見しております。
    東京都心などあれだけ台数が集中していても円滑に流れているのは
    大部分の人が一定のルールにのっとり運転技術や判断も優れていて、
    公共交通機関も発達しているからか下手なヤツが少ないので
    いても避けてやっているからでしょう。
    運転技術が下手なヤツや事故に遭うような
    頭脳の劣った人に何を言っても解決しませんよ。
    痴呆老人に体罰を与えれば改まるかという論法と同じでしょ。
    話して分からないヤツには言うだけ時間とリソースの無駄。

    • 取締り110番 より:

      御愛読ありがとうございます(笑)

      まさにおっしゃる通りだと思います。運転技術が未熟な、あるいは致命的に劣ったドライバーにまで免許を与えている事が問題の根源でしょうね。
      しかし、世の中には「現実的には避けようがない事故」もあると思います。
      高齢者が「アクセルとブレーキを踏み間違えてコンビニ突っ込む」みたいな事故もありますし、夜中の国道に踊り出してくる酔っ払いや痴呆老人を、荷物を満載して制動距離が長くなっている大型トラックなどで避け切るのは不可能なタイミングというものもあります。なので「事故に遭うような頭脳の劣った人」という部分だけは私とは意見が異なりますね。

      過失割合を変更したところで、痴呆症の老人は飛び出してくるでしょうが、ガードレールを乗り越えてまで車道を横断しようとする歩行者は減ると思いますし、仮に減らなくても過失割合が見直されれば「自分は悪くないのに事故に巻き込まれてしまったドライバー」にとっては今よりも余程マシな状態になると思います。

      私は都内在住で日常的に運転していますが、東京都心が円滑に流れているのは深夜を除けば朝晩の通勤時間帯くらいで、この時間帯は運転技術や状況判断に優れたドライバーが多いようで非常に走りやすいです。しかし、平日の日中に主婦層や高齢者層が運転し始める時間になると一気に円滑さは失われますし、土日に至ってはナビの使い方にすら慣れていないのか、どこで曲がるのかわからない感じで減速したり加速したりを繰り返している車が一気に増えますよね。

      で、通勤時間帯に割合スムーズに走りながら思うのは、その「大部分の人が則っている一定のルール」というのは、いわゆるマジョリティ・ルールであって道交法ではないと感じています。60km/h制限の幹線道路は概ね80km/h位で流れていますし、右左折の車も歩行者が切れたタイミングで上手く曲がっています。制限速度や横断歩行者等妨害なんかを律儀に守っていたら、とてもではありませんが円滑な交通の維持にはなりませんからね。

      最近気になるのは自転車の車道走行です。せめてヘルメットくらいはしておいて欲しいところですが、ママチャリで後方確認もしないで踊り出してくる自殺志願者が多くて困ります。

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