ムヒカ大統領のスピーチに学ぶ「幸せの形」

有名過ぎるスピーチですので御存じの方も多いと思いますが、ニホンでは辛うじてフジのMr.サンデーが1回流した程度ですので、観た事が無い方は是非どうぞ。

世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ

2012年の6月に開催された国連の「持続可能な開発会議(リオ+20)」における、当時のウルグアイ大統領ホセ・ムヒカ大統領のスピーチです。

10分程度の動画なので、このスピーチを観た事がなく、あなたが今PCの前にいるか、wifi接続のスマホを手に持っているなら、一度くらい観ておいても損はないと思います。

心に響いたフレーズ

スピーチ全文の文字起こしについては、下の方に引用しておきますが、私の心に響いたスピーチ内のフレーズをいくつか紹介しておきます。

  • 質問をさせてください:ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星はどうなるのでしょうか。
  • 私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。
  • 昔の賢明な方々、エピクレオ、セネカやアイマラ民族までこんなことを言っています。
    「貧乏な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」
  • 発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。

パンスペルミア説を支持している私としては、2番目の「幸せになるためにこの地球にやってきたのです。」が一番心に響きました。

ダーウィンの進化論が既にオワコンである事を、頭の固い科学界も徐々に認め始めてはいますが、まだまだ「科学という名のオカルト」を信じている人が多いですよね。そういう人々は自分の頭で考える事が出来ないので、以下の素朴な疑問に答える事が出来ません。

  • フレッド・ホイル博士は、最も単純な単細胞生物に必要な酵素が全て作られる確率は 10の4万乗分の1であると計算しました。我々の宇宙に存在する原子の個数はこれに比べると極々小さい(約 10の80乗)しかないのですが、たったの130~150億年程度で、地球上で偶然そんな事が起こって、人類にまで進化出来る確率はどのくらいでしょうか?
  • 月がなかったら気象がもっと過激で、生物が繁栄出来るエリアがもっと狭かったと言われています。太陽と月の見掛け上の大きさがほぼ同じだから日食や月食が起こるのですが、そんな偶然が起こる確率はどのくらいでしょうか?
  • 海にいた原始生命が両生類的な状態を経て陸に上がったとすると、途中段階では「ヒレが手に変わる途中」みたいな状態になりますが、そんな中途半端な生物が生き残れると思いますか?「適者生存の法則」はどこに行ったのですか?
  • ピテカントロプスはおろか、北京原人やネアンデルタール人ですら現生人類(ホモ・サピエンス)の祖先ではないと考えられていますが、どうして人間がサル(あるいは類人猿)から進化したと思うのですか?
  • ロシアの研究によると、魚のDNAを100%解析しても「手や足になるDNAは発見できなかった」そうです。いくら突然変異を繰り返しても、発現しない物は発現しないのですが、どうやったら「種を超えた進化」が可能なのでしょう?不幸にも様々な奇形児が生まれた事がありますが、エラや翼を持った子供が生まれた事がありますか?
  • 地球上の生命を構築しているアミノ酸は、そのほとんどが「左型」なのですが、「生命の種が宇宙から飛来した」以外に説明がつきますか?
  • ハレー彗星をスペクトル解析したところ、「大腸菌とほぼ同じ」という結果が出ていますが、宇宙空間には生命が存在出来ないって誰が言い出したことですか?
  • 古代エジプトの王族の肖像を見ると、後頭部がやたら長い者ばかりですが、あいつらは本当にホモ・サピエンスなのですか?

というあたりの疑問に矛盾なく答えてくれるのがパンスペルミア説です。今の私はもう一歩踏み込んで、地球上の生命は全て宇宙からやってきた。そして、人類は地上に降り立った時から人類だったということです。

私は多神論者であり、特定の宗教を信仰していませんので、一神教みたいなイメージの「全知全能の神」がいるとは思っていません。でも、少なくとも太陽系における「万物の作り主」は、「太陽」ですよね?ならば、太陽信仰が発生して、それが政治的に利用されてユダヤ・キリスト・イスラム教になったり、明治以降の「エセ国家神道」に利用されたという考えには矛盾を感じません。

あれあれ。ムヒカ大統領のスピーチの素晴らしさを伝えるつもりが、いつものように話が逸れていってますね(笑)

真実には矛盾がない

私が情報の真偽を考える時の基準は極めて単純です。

  • 真実は、どれほど意外に見えたとしても矛盾が無い
  • 嘘は、どれほど尤もらしく見えたとしても必ずどこかに矛盾がある

これだけです。ただし、「矛盾を感じるかどうか」は人それぞれですから、常識が異なれば真実も異なって見えるでしょう。本当の意味で客観的になる事など誰にもできないのですから、それぞれが「自分なりの真実」を見つめていればそれでいいと思います。

で、ムヒカ大統領のスピーチの内容は、どこにも矛盾を感じないのです。

例えば4つ目のフレーズの「発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。」ですが、私が前々から矛盾を感じていた現在の資本主義制度の異常さを物語っています。

例えば、「それまで手作業でやっていた工程を機械が担当出来るようになり自動化された」という状況を想定してみて下さい。

今の資本主義制度の中では、「機械が自動でやってくれるので人が要らなくなり、リストラを進めて利益率を上げる」という手法が正解とされています。現にそうやってほとんど無人化された工場も増えてきています。

しかし、それでは国民は豊かにならないのです。本来は

ロボットが代わりにしてくれるようになったので、人間が働かなくてはならない時間が減って幸せになった。

という方向での発展をしなければならないのではないでしょうか?

「資本のある者が自己利益の最大化を目指すのが正義」である資本主義ではこれは起こりません。機械やロボットを導入する資本を持つ者が、従業員をリストラしてコストカットを実現し、利益を最大化させます。コストカットによって商品価格が多少は下がる事もありますが、消費者でもある従業員に支払う賃金の削減額の方が大きいから儲かるワケで、結果として貧富の差が拡大する事になります。

こういう事を言うと、「だったらお前は共産主義がいいのか!」みたいな短絡的なリアクションがあったりするのですが、資本主義vs共産主義という構図そのものが分割統治の手法そのものでしょう。

問題はそこではないと思うのです。民間である中央銀行が通貨発行権を独占し、中央銀行しか発行できない紙幣に「公定歩合と言う名の利子を付けて政府に貸している」という事が諸悪の根源なのです。その利子は一体どうやって支払えば良いのでしょうか?もし政府債務やローンを全員が完済したら、その国には紙幣がどれだけ残るのでしょうか?

まとめ

  1. ムヒカ元大統領は現代における清貧です
  2. その発言は合理的で示唆に富んだものです
  3. 感じ方は人それぞれですが、何か得る物があるのではないでしょうか?
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