[大金持ち]東京都交通安全協会[警察の天下り先]

交通少年団って何でしょう?の記事を書いた時に登場したのが「交通安全協会」です。

各都道府県に設置されており、県によっては半ば強引に免許の更新時に集められる協会協力費などを財源とした警察の天下り団体です。

というくらいの認識しか持っていなかったのですが、とりあえず私が住んでいる東京都の交通安全協会について調べてみたら、公開されている情報を見ただけでも深い闇が隠れていそうな感じがしました。

東京都交通安全協会

まずは基本に戻ってHPでも見てみましょう。

一般財団法人 東京都交通安全協会

ご挨拶

一般財団法人東京都交通安全協会は、東京の交通安全を願って、戦後間もない昭和21年に財団法人東京交通安全協会として設立された民間の団体です。

財団法人にせよ一般財団法人にせよ、民間団体であり実態は私企業と同じです。天下り先だろうが何だろうが、自力で政府や省庁からの交付金や随意契約を使わずに運営されているなら文句はありません。

ですが、東京都交通安全協会の所在地を見てみると…

東京安協所在地

霞が関2-1-1って、思いっきり警視庁本部の住所なんですが?

これだけでも警視庁との癒着は明白ですが、驚くべきはその資産額です。

貸借対照表

このページにある「平成26年貸借対照表」を見てみましょう。

0001

0002

本来なら損益計算書が見たいのですが、民間団体なので開示請求は受け付けていないようです。おそらく職員や債権者じゃないと閲覧すら出来ないでしょうね。警視庁と同じ建物に入っている天下り団体なのに、その財源を詳しく調べる方法が基本的には無いのです。

流動資産

まあ、見れないものは仕方がないです。とりあえず貸借対照表を眺めてみましょうか。

貸借対照表1

普通預金だけで18億7800万円。流動資産合計で23億円も持っています!

いくら東京都は人口が多いと言っても、3年~5年に1回の更新時の600円だか800円の協力費だけでこんなに貯まるワケがありません。そもそも、都民の私は更新時に協力費を払うどころか督促されたことすらありません。地方は事情が別のようですが…

交通少年団団服引当資産?

貸借対照表2

有価証券を18億円近くも持っている事も気になりますが、交通少年団の団服の引当資産が1600万円もあります。損益計算書が見れないのでこのカネの出所がわかりませんが、前年度から150万円減っているという事は、この1年間に入団した少年団の団服の為に150万円の支出があったのでしょうか?

退職給付引当資産

上の画像内の交通少年団の引当資産の4行上を見て下さい。退職給付引当資産として8億8500万円ものプールがあります。

安協役員数

評議員は外部の人間だとすると、理事と監事で44人しかいないのですが、数年だけ勤めて渡って行く時に、一体どれほどの退職金をせしめるつもりでしょうか?

末端の職員数がわからないので何とも言えませんが、平成26年に関しては退職金の引当資産が600万円ほど減っています。毎年いくらずつ積み立てているのかがわかりませんから、実際に支払われた退職金の額はわかりませんが、この前年の平成25年の貸借対照表を見てみますと…

h25貸借対照表

7300万円も引当資産が減っています。

これは予想でしかありませんが、末端の職員が辞める時はせいぜい数百万円の退職金で、理事や監事が辞める時は数千万単位の退職金を出しているのではありませんか?

こんな時代に健全経営?

そんなこんなで東京都の交通安全協会の試算は68億円もあります。一方で負債は13億円ちょいですから、正味財産が54億5500万円もある超優良企業という事になります。

貸借対照表3

税金が財源の補助金や随意契約を使わず、自力で活動した結果がこれなら言う事はないのですが、どう考えても警視庁や警察庁と癒着して税金から財源を引っ張ってきていそうですよね?それでこの不景気な御時世にこの資産額、皆さんはどう思いますか?

そもそも何やってるとこ?

そもそも何をしている協会なのかわからない組織なので、平成26年度事業報告書を見てみました。

事業の状況のところにダラダラとどうでもいい話が並んでいるのですが、いくつか紹介してみましょう。

第2 事業の状況
1 交通安全思想を普及啓発するための各種広報宣伝
(1)交通安全スローガンの広報啓発
警視庁交通部が提唱する「交通事故連続減少~交通事故死者数チャレンジ・アンダー150いちごーまる~」に総力を挙げて協力し、交通の安全と円滑を図り、安全で快適な交通社会を実現するため、「交通安全ジャーナル」(月刊誌)「青いシグナル」(季刊紙)ホームページ等の各種広報媒体を通じて広報啓発活動を推進した。

え?そんな広報啓発活動をしていたんですか?チャンレンジ・アンダー150って単語自体が初耳なんですけど?

(4)二輪車、自転車の交通事故防止
警視庁交通部と協力して二輪車・自転車ストップ作戦及び二輪車安全運転推奨シールの交付等の諸対策を推進した。特に、自転車の路側帯通行に関する「改正道路交通法」と「東京都自転車の安全で適正な利用に関する条例」の周知に向けた広報啓発活動を推進した。

自転車にシールを貼ると交通事故防止になるそうです(笑)

自転車を車道に追い出すのは、事故を増やして交付金を稼ぐ為、自転車の危険性を煽って自転車保険あたりで新たな天下り先を確保するため、だと思うのですが?

(ア)交通事故死ゼロの日キャンペーン
交通事故死ゼロを目指す日を周知するとともに、交通安全に対する都民の更なる意識の向上を図るため、4月10日(木)台東区の浅草寺境内において、「交通事故死ゼロの日」キャンペーンを展開し、交通死亡事故ゼロを呼びかけた。

凄いですね。交通事故死ゼロってのは特定の日しか目指さないそうです(棒)

ア 小冊子「安全運転のしおり」改訂版の作成
運転免許更新や高齢者講習の機会に使用する小冊子「安全運転のしおり」について、都内の交通事故実態や特徴、傾向等に沿った交通安全のポイントをわかり易く具体的に掲載するなど内容の充実を図り、受講者の交通安全意識の高揚に努めた。

そうでした。更新時に勝手に配られる交通安全協会発行の冊子代は、更新費に含まれているのでしょうから、このあたりも交通安全協会の莫大な財源の一つでしょうね。

で、質問なのですが、更新講習を受けた時に「交通安全のしおり」を読んで、交通安全意識が高揚した経験がある方はいらっしゃいますか?

高揚、ですよ、高揚。「よし!ここに書いてある交通ルールを守って事故防止に努めるぞ!」というように、気分が高揚して更新会場を後にしている人ってどのくらいいるのでしょうか?

(11)本協会ホームページによる広報啓発活動
ホームページをリニューアルし、最新の交通安全に関する情報を広く提供して都民の利便を図るとともに、地域交通安全協会、地域交通安全活動推進委員、交通少年団の活動状況等を幅広く広報し、交通安全意識の高揚を図った。

なんか好きみたいですね。「高揚」って言葉が(笑)

ところでリニューアルされたホームページってのは、これの事だと思うのですが、どこを読んでも「警察に都合の良い解釈」しか書かれていないのですが、このホームページのどこに利便性やら安全意識の「高揚」に繋がる情報があるのでしょうか?さっぱりわかりません。

自転車保険の勧誘をしている

ツッコミを入れていたら日が暮れそうなので一旦やめますが、それよりも気になるのはこのページの存在です。

保険のご紹介

自転車保険

自転車対歩行者の死亡事故なんてのは、全国で年間数件~10件程度しかありません。一方で自動車対自転車では年間1500人くらいの死亡者が出ています。

なのに、マスコミ各社は、そのわずか数件の中でもレアな高額賠償責任の判例を煽って「自転車保険に加入しろ」という世論誘導をしていますね。やはり保険は儲かるのでしょう。

それにしても「東京都交通安全協会」のHPで、特定企業の保険商品の勧誘をしているのですが、三井海上火災保険にも警視庁の天下りポストが用意されているって解釈でよろしいですかね?

まとめ

キリがないのでここらで終わらせておきますが、とりあえずのまとめです。

  1. 東京都交通安全協会は正味資産50億円以上の大金持ち団体
  2. やってる事業は実効性ゼロのゴミ施策ばかり
  3. 自転車保険の勧誘までやって蓄財には余念がない

そういや、HPのリンク先で打ってるピーポ君人形なんですが、一番小さいサイズで2310円とか、ボッタクリもいいとこじゃないですか?タダでもらっても要らないんですけど?

使い道がわかりません

使い道がわかりません

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コメント

  1. ABC より:

    管理人様
    免許更新の際の講習で、前の方で偉そうに?講演している先生は
    警察のOBですかね?「交通事故で死亡した人の7割に何らかの違反歴があった。だから、違反=事故につながるんです!」と力説していました。確かに事故につながる違反もあるかもしれませんが、全免許保有人口のうち何割が1度でも検挙されたことがあるのか言ってもらわないと説得力がない。騙しのテクニックですねぇ。それにしても、適当に検挙しておかないと交付金が減る、なのに違反は事故のもとだから控えましょうとなぜ言うんですかね。

    • kamemusi より:

      免許統計を見ると、ゴールド免許になるのは、ペーパードライバーを含めても二人に一人の狭き門。如何に安全運転を心がけても、何時でも違反になるように規制の網を掛けられてんですから、恐ろしい国ですな。

    • 取締り110番 より:

      免許更新や違反者講習、免停短縮講習などはほとんどが交通安全協会に委託され、交通安全学校とかいう得体の知れない名称の団体が行い、その講師はほぼ100%が元警察官でしょう。

      免許人口8000万人のうち、日常的に運転しているのがどれだけいるかわかりませんが、年間600万件くらいの検挙が行われているのですから、日常的に運転している人で「免許取得以来一度も検挙された事がない」なんてのは少数派である事は間違いないでしょう。で、死亡事故の3割に違反歴がないという事は、この3割は日常的に運転していない下手なドライバーという可能性すら出てきます。

      警察は「正義であるフリ」をしなければなりませんから、口では正論めいた事を言わざるを得ません。しかし、違反のうちが事故の元であるのは「危険性の高い重大な違反」だけでしょうし、事故原因の上位は誰がどう考えても「不注意」です。

      8割の人間が危険だと思うラインからを違反とする欧米型のマジョリティ・ルールに基づけば、事故に直接繋がるような違反をする者は2割しかいません。残りの8割が講習で「違反しないように」と言われた時に気を付けるのはこの「2割の本当に危険な違反」だけですが、そもそも8割の人々はそんな違反はしませんから運転方法は特に変わりません。で、警察が交付金の財源として取り締まるのは主に「8割の人間が危険ではないと思う軽微な違反」ですから、「事故に繋がる違反を気をつけろ」と言う分には警察は困りません。

      そもそも道交法違反の検挙率は0.01%未満と言われるほど道路上には「軽微な外形上の違反」が溢れていますから、警察としては全体の違反数が微減した所で検挙する違反には事欠きません。徐行で通過しても安全な場所が一時停止になっているのが問題なのに、交通規制を理不尽なままにしておいて、警官が向こう側に隠れて待っていればカモはいくらでもやってきます。

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