[原因は]佐川は遅配・ヤマトは激務[警察と外資]

宅配便大手と言えばヤマト運輸と佐川急便ですね。お世話になっている方も多いのではないでしょうか?

以前は「頑張れば稼げる佐川」とか「安定のクロネコヤマト」と呼ばれた2社ですが、人員不足を主因とした激務で社員やバイトは疲弊しているようです。

彼らをここまで追い込んだのは誰でしょうか?

答えは簡単、警察と外資です。

<佐川急便>7都府県で遅配 荷物集中や人員不足原因か

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161222-00000122-mai-soci

http://archive.is/sRvr6

 宅配大手の佐川急便で、年末の荷物量増加に伴い、東京や埼玉、愛知、大阪など7都府県で配達に遅れが出ている。クリスマス関連イベントの荷物や歳暮などの配達を待つ利用者たちから、困惑の声が上がっている。

同社広報部によると、遅れは1~2日程度としているが、22日正午現在で7都府県22市区に広がり、解消のめどは立っていない。想定以上の荷物集中や人員不足が原因とみられ、過去にこうした遅れはなかったという。

ツイッター上では「メール便が発送通知から10日待っても届かない」「佐川急便が電話出ない」「営業所に15日に到着し21日夜段階で保管中表示」などの投稿が相次いでいる。同社は「個別のことは確認しなければ分からない。スタッフを動員するなどの対応を取っているが、急ぐ場合は各営業所に連絡を取ってほしい」としている。

過去にこうした遅れはなかったなんて言っていますが、クリスマス時期の佐川の遅配は数年前から頻発しています。今年は金曜日に祝日があった為に3連休になり、連休前の法人輸送も集中した為に、例年以上の混乱に陥ったものと思われます。

佐川は各営業所に連絡を取れと言いますが、そもそも電話に出てくれないのですから無意味な対応ですし、電話が増えれば余計に業務が遅れます。

仕事量が増えて激務なのに給料はアベノミクス効果で実質賃金は低下の一途。

給料が仕事量に見合わないので辞める者が増え、人員不足によるサービス残業でさらにブラック化。そりゃキレて暴れ出す社員が出るのは当たり前のことです。

今度はブチ切れ配達員 「また佐川急便」は偶然か

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161227-00000006-jct-soci

http://archive.is/kTaQF

 宅配便大手・佐川急便の制服を着た男がマンションの敷地で荷物を地面に何度も叩きつけ、蹴飛ばし、台車までブン投げるという動画がユーチューブにアップされネットが騒然となった。佐川急便はこの男が自社の従業員であることを認め謝罪した。

動画はこれがわかりやすいと思います。

これを見て「仕事なのに酷い事をしやがる!」とか「客の荷物を何だと思ってやがる!」と憤ってしまうのでは軽率です。私は彼の心情がよくわかります。

配達員にとって一番困るのが「不在による再配達」です。

戸建であれば近くにトラックやリヤカーを停めて、チャイムを押して住人がいたら荷物を持ってくる事も出来ますが、マンションの場合はそうもいきません。

不在かもしれない客の荷物を台車に山積みにしてマンションに向かい、チャイムを押すもやはり不在。宅配ボックスは既に一杯で全部持ち帰り。

この荷物は、どうせ後でまた再配達に来なければならない物ばかりです。

荷物の配達によるインセンティブは一個20円程度のようですから、働くモチベーションにはならないでしょう。

男性がブン投げている荷物の数を見ると、かなりの家庭が不在だったようです。そりゃ腹も立ちます。

だからと言って荷物を投げて良い事にはなりませんが、年収350万円程度しか払っていない若者に、そこまで高度なモラルや品性を求める方がどうかしています。

日本では、年収4000万円(今でも3割削っていたとしても2800万円)+政党交付金使い放題+献金もらい放題の総理大臣がこんな感じなのに、配達員に高いモラルを求める人は、やはりどうかしています。

クロネコヤマトも結局ブラック

Amazonの大量宅配に耐えられずに撤退した佐川急便と比べれば、ヤマト運輸はシステムの合理化などで何とかAmazonを捌きつつ遅配も少なく見えます。

では、ヤマト運輸の従業員は幸せかと言ったらそれは違います。

「アマゾン多過ぎ」ヤマトドライバーから悲鳴続出、「利便性」が生んだ過酷な実態

http://archive.is/HhL9A

本来、荷物が多いことは、ドライバーにとってマイナスばかりではない。ヤマトでは配送件数に応じた「業務インセンティブ」があるからだ。ただし、宅急便は1個20円ほど。仮に余分に50個運んでも、1000円ちょっとにしかならない。

「忙しさに比して、給料が上がった感覚はありません」。Aさんは訴える。結果として、現場にはAmazonに対する負担感が蔓延しているという。

荷物を持って玄関先まで言って、チャイムを押して住人と会話し、荷物を渡して認め印をもらって戻って来る。

これで20円ではやる気は生まれません。我々が送料無料の恩恵を受ける代わりに、ヤマトの中の人が苦しんでいるのですね。

Aさんの場合、1日に運ぶ荷物は150個ほど。12月は200個以上の日もあったという。そのうち、2~3割がAmazonだ。「Amazonを扱うようになって、本当にしんどくなりました」

まあ、そうでしょうね。Amazonの影響力は本当に大きいです。

徹底的な合理化とタックスヘイブンを多用した節税策で、Amazonはどこの国にもほとんど法人税を払っていません。

その利益が分配されるのは、経営陣と株主がほとんどで、末端の内勤や配達員にはほとんど還元されませんし、倉庫のロボット化が進むとその分従業員が解雇されるだけの話です。

便利だけど、それによって幸せになる人間よりも不幸になる人間の方が遥かに多い。それが外資に多い徹底した合理主義による結果です。

放置違反金制度が追い打ち

日本国内の宅配員の不幸を見た場合、警察の施策の責任も非常に大きいでしょう。

放置違反金制度が導入される前の、一昔前の駐車違反の取締り状況を思い出してみて下さい。

チョークを持った婦警が乗るミニパトが回ってきて、チョークでタイヤと地面に線を描いて、5~15分後にまた回ってきた時にまだ駐車していたら駐車違反のワッカを掛ける、そんな感じでしたよね?

引越屋や宅配便のトラックは大目に見てもらっているような風潮もありました。駐車違反を取られた一般ドライバーには不公平感もあったでしょうが、宅配便と言えばトラックでの輸送というイメージでしたよね。

佐川急便の飛脚のふんどしに触ると幸せになるとか言って、走行中のトラックを触りに行く馬鹿が現れたのもその頃の話だったかと思います。

それが、放置違反金制度&駐車監視員の登場によって激変しました。

本当に短時間の駐車であっても、ドライバーが乗っていなければ即駐車違反を取られる事になりました。これでは都市部では宅配便をトラックで運ぶ事が出来ません。

結果として、最寄りの営業所から台車やリヤカーで運ぶ宅配員の姿を目にするようになりましたよね。

よく考えてみて下さい。

時代は21世紀になって、Amazonあたりはドローンで配達しようかなんて言ってる時代に、日本では警察が杓子定規に配達車両からもカネを集めようとしたもんだから、リヤカーでの配送に逆戻りしているのですよ?

プライドを持ってやっている人には申し訳ありませんが、宅配便会社の社員になる魅力の一つが大きく毀損した事は間違いないでしょう。

トラックを運転して、重い荷物もガンガン届けて、頑張っただけ給料が上がって、ちゃんと結婚して子育てが出来る。昔はそういう仕事だったのです。

時間指定と法改正を

Amazonを追い出さない限りは配送料の無料化競争は終わらないでしょう。売国政権である間はまず無理でしょう。

それでも、我々にすぐ出来る事が一つはあります。

宅配便を頼む時は時間指定をして、確実に一回目で受け取る。

これくらいなら意識していればすぐに出来ると思います。

その上で、法改正を目指さないと配達員の不幸は終わらないでしょう。

納品と宅配の車両は駐車禁止エリアであっても、15分以内の駐車はOKとする

これくらいは認めてあげないとダメでしょう。短時間でも停められたら危険or迷惑な場所は駐停車禁止エリアにしておけばよいだけの話です。

宅配便が届かなくなったら困る人はたくさんいます。

駐車監視員がいなくなって困る人はほとんどいません。

日本が民主国家ではないからこんな事になるのですが、民主的に決めたワケではないルール(法律)をありがたがって守れ守れと言う輩は信用できません。

放置違反金制度は直ちに撤廃して、以前のミニパト巡回に戻すべきです。

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コメント

  1. りょっち より:

    以前からお世話になり、知識を身に付けさせていただいています。
    警察の横暴ないい加減さには日頃から頭にきていますが宅配業者への駐禁取締は本当に酷いと思います。明らかに配達の為に駐車している車両を取締るとは言語道断です。
    宅配の再配達システムもやめるべきです。不在票が手元にあるという事は、もう既に一度配達のサービスを受けたのですから、再配達には料金が発生しないとおかしいです。
    そして駐車監視員なる珍業種も即刻廃止にするべきです。パトカーなら見て見ぬ振りも出来ますが、監視員なら業務であるので必ず取締らなければならない。
    宅配業者も辛く、監視員も非情で仕事をする。
    みんながこんな想いをして反則金をやくざに上納している。全く馬鹿げた国だと思います。

    • 取締り110番 より:

      駐車監視員は本当に要らない職種ですね。
      他人の役に立つどころか、他人に迷惑をかけ、他人を不幸にする仕事でしかありません。
      その場所に停めているのが危険だったり迷惑だったりするなら、レッカーしてどかすしかないのです。
      「駐車を監視」させるなら、停めてからではなく、停めないように見張らなければ意味がありません。

      馬鹿げた国というのはこういうものなのでしょうが、少しは改善の方向に向かって欲しいものですね。

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